見出し画像

サハリンの石油・天然ガス関連備忘録

昨日、『サハリン1のサハリン石油ガス開発が面白い、という話(あと北樺太石油とか)』と第する記事を投稿しましたが、関連して、色々出てきたけど文脈的に取り上げなかった会社群について備忘録として、あるいは後々調べたくなった時のために少しメモっておきます。
※こういうのは普段はNotionでスクラップブックみたいにしていますが、ついでなので……

日本サハリンパイプライン

JAPEXの有価証券報告書眺めていると2006年3月期に日本サハリンパイプラインなる会社を清算して持分連結から外れたという趣旨の注記事項が出てきます。決算公告等を検索してみると、日本サハリンパイプライン調査企画(株)という会社が2000年3月期に設立されて3期目から日本サハリンパイプライン(株)と商号変更してました。事業の詳細についてはもちろんサハリン1サハリン2の生産物を日本へ持ってくるためのフィージビリティスタディを行う、的なところのようですね。
具体的なところだと
・ 日本海洋工学会『第31回 海洋工学パネル』(2005/1/26)
山本純・秋山雅彦『天然ガス輸送と日本における幹線パイプライン敷設の問題点』札幌学院商経論集第21巻第2号(通巻102号) (2004/11/8)
あたりに若干の記載があります。売上は年間1億程度で推移してます。
株主構成などほとんど情報がなく、サハリンプロジェクトに投資している上場企業の2006年3月期の有価証券報告書も一通り眺めましたがJAPEX以外には記載ありませんでした。

日本パイプライン

上記の日本サハリンパイプラインを普通に検索するとヒットする会社です。日本サハリンパイプライン同様、サハリンから日本へパイプラインを引こうという話の会社ですが、こちらは北海道の関係が軸のようですね。1998年に北日本パイプライン開発機構(株)として設立、2005年からガスプロムと提携してフィージビリティスタディを行い、2007年に日本パイプラインへと商号を変えています。タイミング的には日本サハリンパイプラインが清算したところで、という感じを若干受けますね。
サイトはこちら → https://www.jpdo.co.jp/index.html

サハリン石油開発協力(旧SODECO)

サハリン1の当初の日ソ間のPSA契約に基づいて日本側に存在していた会社で、1974年度に設立され、事業をサハリン石油ガス開発(新SODECO)に移管して2000年に清算となってます。
石油公団が42%ちょい保有してたので石油公団の決算にも出てくる会社です。

三井物産系のサハリンLNG輸入サービスとサハリンLNGサービス

三井物産はサハリン2の開発をしているSakhalin Energyに持分があるわけですけど、その事業の本格化する前後で三井サハリン開発という会社が本体に吸収されたりしてますね。
それとは別に官報検索してると、2009年3月期に設立されているサハリンLNG輸入サービス(株)という会社と2007年3月期に設立されていると思しきサハリンLNGサービス(株)というのが検索結果に出てくるのですが、所在地が神田の雑居ビルだったりするし関係ないのにサハリンの名前だけ付けてるような小規模の会社かなとか思ったりしながら見ていると、よく社長替わるしどこかの子会社だな~と思って社長の名前で検索したりすると三井物産の役員人事のリリースに出てたりするのを発見することになります。時期的にもサハリン2の稼働開始時期と近いですし、生産物の輸出入を手掛けている子会社なんでしょうかね。それぞれどんな商売してるのだろうか、分ける必要があるのか、決算公告眺めてる限りではどちらも決済用なのか現預金らしきものを多めに持ってる感じに見えます。


記事をご覧になって、良い記事だとご評価下さるようでしたら、ぜひサポートをお願いします。