恋愛詩:誰かの願いが叶うころ
「願いがさ一つ叶うと
帳尻を合わすかのように
この世から必ず何かが
一つ失われていくと思うんだ
その逆もまた然りさ
ねぇ聞いてるかい?
今日で君に話しかけること
最後にするよ
約束したんだからね
君と二人で人生を歩む
という僕の願いは
君の命と共に病気が
持ち去ってしまった
一つ何かが失われると
今度は一つの願いが叶うんだよ
時間はかかったけれど
君の願いを僕が叶える時だ
君のいなくなったこの世界で
僕が強く生きるっていうね」
これで最後と自分に許した
涙が彼女の好きだった
花の束に落ちた
それをお墓に置き添えて
強く手を合わした
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