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第24回おうちでレガシー カバレージ Round 2 しゅ~いえ(バント石鍛冶)VSクララ(ANT)

おうちでレガシー。筆者が主催し、毎週土曜日行っているリモート対戦会である。主催の筆者はシンガポール住まい。そして参加する人たちも日本の国外問わず様々な場所から参加しており、そういう意味では多様なイベントである。

なのだが、こと最近においては、何故か東海地区のプレイヤーが特にこのおうちでレガシーに参加しているような気がする。前回の23回おうちでレガシーでは、決勝卓のアナウンスを「勝った方がおうち東海王です」としたほどである。

今回、2回戦のフィーチャー卓に進んだしゅ~いえとクララも、そんな東海地区のプレイヤーである。しゅ~いえはおうちでレガシーの常連であり、フェアデッキからアンフェアデッキまで幅広く使う、いわばオールラウンダーとも言えるプレイヤー。

対するクララは今回おうちでレガシー初参戦、パズルとも言える高難度コンボデッキ「ANT」を操るコンボプレイヤーだ。聞けばその筋でかなり有名なプレイヤーらしく、6年間もANTの腕を磨き続けているとのことだ。

東海のオールラウンダー、そして東海のANTマイスター。東海の女神は果たしてどちらに微笑むのか。おうちでレガシーという舞台を借り、お互いの意地がぶつかり合う戦いが始まる。

■Game 1

2回戦、クララの先攻でゲームは幕を上げた。《Underground Sea》をセットし《定業》をキャスト。手札を整えていく。対するしゅ~いえは《虹色の眺望》から《島》をサーチし《思案》。この時点でしゅ~いえ側はクララのゲームプランは分かっていないものの、《Underground Sea》から《定業》というムーブはコンボデッキの動きそのもの。とにかく相手の動きに対応できる《意志の力》や《否定の力》と言ったカードを探しに行く必要があったのだろう。

続く2ターン目。クララは《汚染された三角州》をセットし《渦まく知識》。この《渦まく知識》、コンボパーツをサーチすることが可能なANTにおいては、《Ancestral Recall》以上とも噂される。そのままターンを渡す。しゅ~いえは《森》をセットしターンエンド。何を仕掛けてくるかわからない相手にメインで動くことは得策ではないとの判断か。

3ターン目。クララは追加の《汚染された三角州》をセットしてパス。エンドステップでしゅ~いえは《氷河のコアトル》を唱え、カードを1枚ドロー。そして自身のターン。《虹色の眺望》をセットし即時起動、《平地》を探し、《石鍛冶の神秘家》をキャスト。

《石鍛冶の神秘家》でサーチするのは、1回戦で獅子奮迅の活躍を見せた《カルドラの完成体》。相手が何をしてくるかわからない以上、さっさと高クロックで殴り勝ちたい。そういったしゅ~いえの思いが見て取れる。そのまま《島》を立たせた状態でクララにターンを渡す。

4ターン目。クララはアップキープに《汚染された三角州》を起動。持ってくるのは《Badlands》。《渦まく知識》で積んだカードをリフレッシュしてドロー。そのまま何もせずにターンをしゅ~いえへ。コンボデッキ側がドローゴー。あまりに不気味な動きである。

たいするしゅ~いえは《霧深い雨林》をセット。その後《平地》と《森》から2マナを捻出し《石鍛冶の神秘家》を起動。《カルドラの完成体》を着地させ《氷河のコアトル》と共に攻勢に転ずる。クララのライフは残り14。

「このまま削り切れるのだろうか…」。5ターン目、そんな淡いしゅ~いえの希望を摘み取るかのように、ついにクララが行動を開始する。

メインフェイズ。クララは《Underground Sea》から黒マナを捻出し、しゅ~いえを対象に《強迫》。嫌な予感を感じ取ったのか、しゅ~いえは対応して《渦まく知識》。その後《霧深い雨林》を起動してデッキトップをリフレッシュしたのち、探してきた《Tropical Island》から二枚目の《渦まく知識》。

しかし、それ以上の対応はなし。万策尽きたしゅ~いえはクララに自分の手札をさらけ出す。《森の知恵》《虹色の眺望》《真の名の宿敵》《渦まく知識》《思案》《溢れかえる岸辺》。クララはその中から《渦まく知識》を選び墓地へ。

「相手に一切の妨害手段なし」

長い間沈黙を保っていたクララが、行動を起こすには十分すぎる情報だろう。

クララは《Badlands》から黒マナを捻出し《暗黒の儀式》をキャスト。黒3マナをマナプールに送ると、《睡蓮の花びら》をキャストしさらにマナを追加。《汚染された三角州》を起動し《Underground Sea》をサーチ。墓地を7枚にした上で《陰謀団の儀式》を唱え、黒マナを6マナへ。

更にそこから《ライオンの瞳のダイヤモンド》を2枚キャストし、《冥府の教示者》をキャスト。そこにスタックして《ライオンの瞳のダイヤモンド》をクラックして手札を空にした上でマナプールに赤3マナと黒3マナを流し込む。そして手札を空にすると《冥府の教示者》で好きなものを探してこれるので…

と言ったところでしゅ~いえ側が投了。この時点でストームカウントは9。何を持ってこられても負けていたため、これ以上続けても仕方がないと判断してのことだろう。

しゅ~いえ0ークララ1

■Game 2

サイドボードを挟んで行われた2ゲーム目は、1マリガンをしたしゅ~いえ側からのスタートとなった。《溢れかえる岸辺》を起動し《Savannah》をサーチ、

そして繰り出すは《耳の痛い静寂》。呪文を同一ターンに唱える必要のあるANTにとっては、かなり重くのしかかるエンチャントである。クララはひとまず《汚染された三角州》をセットしてターン終了。

続く2ターン目、しゅ~いえは《Tropical Island》をセットしてゴー。クララは2枚目の《汚染された三角州》をセットして起動。《島》をサーチし《渦まく知識》。少しでも《耳の痛い静寂》を対処するカードが欲しい所だろうか。ドロー後はそのままターンを渡すが、エンドステップ、しゅ~いえは《氷河のコアトル》をキャスト。

3ターン目、先のターンで出した《氷河のコアトル》で攻撃、クララ側のライフを18点へ。その後《島》をセットしてターンを渡す。クララは《血染めのぬかるみ》をセットし、先に置いておいた《汚染された三角州》から《沼》をサーチして《思考囲い》をキャスト。あわよくば動き出しの起点となればと思ってのハンデスだったのだろうか。

しかし、ここぞとばかりにしゅ~いえが対応。3マナ払って唱えたのは《船殻破り》。相手の追加ドローを禁じ、自分の盤面に宝物トークンを生んでくれるクリーチャーである。その後公開された手札には《石鍛冶の神秘家》《時を解す者、テフェリー》《カラカス》。ひとまずクララはこれ以上のクロック増加を防ぐため《石鍛冶の神秘家》を墓地に送る。

こうなると困ったのはクララ側。現状《耳の痛い静寂》だけでも頭が痛いのに、手札を整えようにも《船殻破り》が場に出ているため追加のドローがとがめられる。行動が大幅に制限された中、都合よく対策牌を引き込み、《耳の痛い静寂》と《船殻破り》に対応しなくてはならないのだが…

結果は推して知るべきである。数ターン後、そこには何もできずに《船殻破り》と《氷河のコアトル》に攻撃され続け、ライフが底をついたクララの姿があった。

しゅ~いえ1ークララ1

■Game 3

互いに1本取り合って迎えた最終ゲーム。ゲーム開始時、しゅ~いえ側が《炎の中の過去》や《陰謀団の儀式》を封じるための《虚空の力線》を盤面に送り出した状態でゲームが開始された。先手はクララ。

1ターン目、クララは《汚染された三角州》をセットしてパス。しゅ~いえは《島》から《思案》。お互いやることは決まっており、サクサクとターンが進む。

続く2ターン目、《血染めのぬかるみ》をセット、《汚染された三角州》から《島》を探し《渦まく知識》。そのままターンを渡す。しゅ~いえ側は《Tropical Island》をセットしてターン終了。エンドステップに、クララは《血染めのぬかるみ》から《Underground Sea》をサーチ。そのままターンを迎える。

そして迎えた3ターン目、まずクララは《島》から《渦まく知識》をキャスト。3枚引いて2枚戻す。そしてその後、《Underground Sea》から黒マナを供給し、唱えた呪文は…《暗黒の儀式》

「相手が《渦まく知識》を唱えたうえで土地を置かずに《暗黒の儀式》をプレイした。」

このカバレージを読む皆様はどう考えるだろうか。「土地が引き込めず、とりあえず相手の出方をうかがうための行動」と読むのか、はたまた「相手の対策牌を引き出したうえで、ストームを繋げるための呼び水」として読むのだろうか。しゅ~いえ側がここでどういう判断を下したのか、実況席にいた自分には分からない。

結果から言うと、しゅ~いえはこの《暗黒の儀式》に対し《氷河のコアトル》を追放し《意志の力》でカウンター。おそらく前者と踏んだ行動だったのだろう。そして、その《意志の力》を見届けたクララは、静かに20面カウンターを盤面に用意した。そう、この行動は後者。土地が無いように見せたのはブラフであり、相手のカウンターを引き出すための餌だったのである。

クララは手札にあった《汚染された三角州》をセット、起動して《Badlands》をサーチ。その後、畳みかけるかのように《睡蓮の花びら》と2枚の《ライオンの瞳のダイヤモンド》をキャスト。その後《睡蓮の花びら》と《Badlands》から《冥府の教示者》をキャストし、スタックで《ライオンの瞳のダイヤモンド》から赤マナと黒マナを供給。

これにはたまらず、しゅ~いえは《冥府の教示者》に対応して《渦まく知識》。アレを打ち消す《意志の力》《否定の力》が引いてこられればいい。それでなくても、自身を《苦悶の触手》から守る《夏の帳》でもいい。3枚のカードの中に、この状況を覆すカードがあれば…

しゅ~いえの《渦まく知識》解決後、クララは《冥府の教示者》から《燃え立つ願い》をサーチしてキャスト。サイドボードにある《苦悶の触手》を手札に加え、ストームカウント10でキャスト。

しゅ~いえは静かに手を差し出した。東海の女神はクララへ微笑んだ。

しゅ~いえ1ークララ2

■実況動画


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