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第25回おうちでレガシー カバレージ Round1 ぴかいち(赤単ペインター) VS DENSON(マーベリック)

レガシーという環境を定義する色、それは間違いなく「青」である。優秀なドロースペルである《渦まく知識》《思案》や、ピッチカウンターである《意志の力》《否定の力》など、強力な呪文が多いというのがその理由である。

では、青を使用しないデッキはレガシーに存在しないのかと言われると…それはまた事情が異なる。いやむしろ、大半のデッキが青を使っているという事情があるからこそ、幅を利かすことができるアーキタイプがあるというのも事実である。

1回戦のフィーチャーマッチでぴかいちが持ち込んだ「赤単ペインター」、そしてDENSONが持ち込んだ「マーベリック」は、そういったタイプのデッキである。どちらも「相手のほとんどが青を使う」ということを逆手にとり、優位に立つ類のデッキである。

なのだが、今回のこのマッチ、お互いに青いカードを全く使わないデッキである。青という色を痛烈に意識したデッキが青くないデッキと戦う。今週のおうちでレガシーは、そんなイレギュラーな状態で幕を開けた。

■Game 1

先手はDENSON。1回マリガンした状態からスタート。《霧深い雨林》から《Savannah》をサーチ。そこから緑マナを供給して《貴族の教主》をキャスト。緑系のビートダウンを代表するマナクリーチャーであり、これを起点に動いていきたいところ。そのままDENSONはぴかいちにターンを渡す。

対するぴかいちは《ウルザの物語》をセット、そして1マナ払い、《丸砥石》をキャスト。ペインターデッキの肝となるアーティファクトを用意し、DENSONへターンを返す。

2ターン目。DENSONは《吹きさらしの荒野》をセット、即時起動し《Bayou》をサーチ。《貴族の教主》を含めた3マナで盤面に送り出すのは《聖遺の騎士》。DENSON側は「一気に大きいクリーチャーを用意し、さっさと殴り勝つ」という計画だろうか。続くぴかいちのターン。《古えの墳墓》をセットしてターン終了。

3ターン目。DENSONは《Savannah》をセットし、《石鍛冶の神秘家》を盤面に送り出す。サーチするのは《梅澤の十手》。余った2マナで一気に唱え、《聖遺の騎士》で攻撃。墓地の土地は2枚。更に《貴族の教主》の賛美も加えて5/5。5点のダメージをぴかいちへ与えてターン終了。

エンドフェイズにぴかいちは《古えの墳墓》から2マナ供給。第二章に至った《ウルザの物語》を起動し、構築物トークンを生成する。そしてぴかいちのターン。メインフェイズで《ウルザの物語》が第三章を迎え自壊。ライブラリーからアーティファクトをサーチ。サーチするのは《オパールのモックス》。ぴかいちの盤面にはアーティファクトは3枚。金属術は達成しておりマナは出る状態だ。

その後ぴかいちは《山》をセット。《オパールのモックス》から1マナ、自壊した《ウルザの物語》から出しておいた1マナを使い、唱えたカードは《絵描きの召使い》。全てのカードを青に染め上げる。そして《山》《古えの墳墓》から3マナを供給。真っ青に染まったDENSONのデッキを《丸砥石》が跡形もなく刈り上げた。

ぴかいち1ーDENSON0

■Game 2

第二ゲームはDENSONからスタート。まずは《ウルザの物語》を警戒して《不毛の大地》をセットしてゴー。対するぴかいちは《不毛の大地》を警戒し、《山》をセットして《ゴブリンの溶接工》をキャスト。

2ターン目、DENSONは《Savannah》を置き、2マナで《スレイベンの守護者、サリア》を盤面へ。ぴかいちのデッキを構成するパーツが非クリーチャー呪文が多いと踏んでの行動か。

続くぴかいちのターン。ぴかいちは《ウルザの物語》をセットし、《ゴブリンの技師》を唱える。この《ゴブリンの技師》場に出たときにアーティファクトをライブラリーから墓地に埋められるクリーチャーであり、当然埋めるのは《ウルザの物語》で持ってこられない《絵描きの召使い》あたりか。

…と思っていたら、意外や意外、埋められたのは《遺跡掘削機》。「統率者2021」で収録されたこのカード、7/4威迫という巨躯を誇り、かつ死亡時に《Wheel of Fortune》が誘発するアーティファクトクリーチャーだ。ぴかいちはおそらく、相手の盤面の《不毛の大地》で《ウルザの物語》が対処されることを踏んで、盤面から圧をかけていくプランを取っていったのだろう。

しかし、巨大なクリーチャーを用意したぴかいちに対し、DENSONもじわじわと圧をかけていく。3ターン目。《Bayou》をセットし、2マナ払って盤面に出てきたのは《漁る軟泥》。墓地のアーティファクトを再利用するぴかいちにとっては大打撃となりえるクリーチャーだ。ぴかいちはターンをもらい、《山》をセットするにとどめる。

4ターン目、DENSONは《Bayou》をセットし、《不毛の大地》を起動。狙うは当然《ウルザの物語》。ぴかいちは対応して2マナ払い、《ウルザの物語》を起動して構築物トークンを生成する。そしてDENSONが2マナ払って送り出したのは、アーティファクトに対処可能な《辺境地の罠外し》。じわじわとぴかいち包囲網を築き上げていく。

が、ここで転機が訪れる。DENSONは《スレイベンの守護者、サリア》と《漁る軟泥》で攻撃。ぴかいちにとってこれは、《ゴブリンの技師》《ゴブリンの溶接工》のエンジンを阻害する《漁る軟泥》を討ち取れるこれとないチャンスである。ブロック指定、ぴかいちは《漁る軟泥》に対し《ゴブリンの技師》と構築物トークンでブロック。《ゴブリンの技師》を差し出しながら《漁る軟泥》の討ち取りに成功する。

エンドステップ、ぴかいちは残った《ゴブリンの溶接工》を使い、構築物トークンと墓地の《遺跡掘削機》を入れ替える。満を持して盤面に叩きつけられる7/4。続くぴかいちのターン。2体目の《ゴブリンの溶接工》を送り出しながら、DENSONに《遺跡掘削機》でパンチ。残りライフを11点まで追い込みながらターンをDENSONへ返す。

5ターン目、DENSONは3マナ払いながら《森の知恵》をキャスト。そのままクリーチャーを立てつつターンをぴかいちへ。ぴかいちは2マナ払いながら《真髄の針》。指定は《辺境地の罠外し》。アーティファクト破壊を封じながら《遺跡掘削機》で殴りつける。DENSONはこれを《スレイベンの守護者、サリア》と《辺境の罠外し》を差し出して討ち取る。《遺跡掘削機》が死亡したことにより、お互いに手札を捨てて7ドロー。その後ぴかいちは《山》をセットしてゴー。

6ターン目、DENSONは《不毛の大地》をセットしてターンを渡す。エンドステップ、ぴかいちは《ゴブリンの溶接工》を起動。用済みになった《真髄の針》を墓地に落ちた《ブレイヤの見習い》を交換。対応してDENSONは《緑の太陽の頂点》を追放しながら《忍耐》をキャスト。ぴかいちの墓地をすべて吹き飛ばし対応しようとする。

が、ぴかいちは焦らず対応し、2体目の《ゴブリンの溶接工》を1体目と同じく《真髄の針》と《ブレイヤの見習い》を対象に起動。《ゴブリンの溶接工》は、墓地と盤面のアーティファクトを双方対象に取るため、このような芸当が可能となる。盤面のアーティファクトを生贄に捧げる《ゴブリンの技師》では同じことができないということに注意したい。なんやかんやあって墓地を消し飛ばされながらも、《ブレイヤの見習い》が盤面に躍り出る。

続くぴかいちのターン、《山》をセットし2マナで《ゴブリンの技師》、墓地に埋めるは《呪われた鏡》。場に出すとコピーとしてふるまうことができるので、これで《ブレイヤの見習い》を再利用するという算段だろうか。

7ターン目、DENSONは《Scrubland》をセットし、X=2で《緑の太陽の頂点》、探してきたのは…《ウィザーブルームの初学者》。

そして手札から唱えたのは、《煙霧の連鎖》!DENSONは自分を対象にこれを撃ち込み、手札を全部捨てつつ《煙霧の連鎖》のコピーを生成。この工程を思いつく限り続けることで、《ウィザーブルームの初学者》の「魔技」能力を好きなだけ誘発させ、ライフを延々と削り取ることが可能なのだ。

…しかしこのコンボ、実は穴がある。この《煙霧の連鎖》はコピー生成時、プレイヤーを対象に取るので、その瞬間だけ相手の介入を許してしまうのだ。

放っておくと自分が死ぬコンボ、当然ぴかいちに許されるわけがない。ぴかいちはDENSONの手札が切れるのを待ち、DENSONが対象を自分に取ったタイミングで《山》2枚から《削剥》を《ウィザーブルームの初学者》へキャスト。

万策尽きたDENSONは、ぴかいちへ手を差し出した。

ぴかいち2ーDENSON0

■実況動画

■デッキリスト


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