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第38回おうちでレガシー カバレージ Round1  ぴかいち(4Cヨーリオン) VS 柳統也(ナヤデプス)

MTG。それは60枚以上のカードから成るデッキを使い、相手と対戦するゲームである。デッキには、往々にして相性のいいカードが含まれることが多い。

例えば今日のフィーチャー席についた「柳統也」が持ち込んだデッキ「ナヤデプス」は、《暗黒の深部》(=デプス)と《演劇の舞台》のコンボによる超超高打点を確実にお見舞いするべく、《輪作》《エルフの開墾者》《聖遺の騎士》という土地をサーチする手段を採用している。

しかし一方で、このデッキ構築理論に真っ向から挑戦して行くデッキもある。彼らの考え方はこうだ。

「1枚で何でもできるカードが60枚あれば強いよね」

柳の対面に座るプレイヤー「ぴかいち」が持ち込んだデッキ、「4Cヨーリオン」は、まさにこれにあたる。《創造の座、オムナス》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》など、何でもできるカードを主軸に据えたこのデッキは、骨太のジャンクデッキと言っても過言では無いだろう。

噛み合いのデッキか。それとも骨太のデッキか。柔と剛の戦いが今まさに行われようとしていた。

■Game 1

先手は柳。1ターン目、柳は《吹きさらしの荒野》をセットしてゴー。ぴかいちは《溢れかえる岸辺》をセットしてゴー。お互いにゆったりとした立ち上がりを見せていく。

2ターン目、柳は《Taiga》を捨てながら《モックス・ダイアモンド》を展開。更に《暗黒の深部》をセットしてターンをぴかいちへ渡す。エンドステップ、ぴかいちは《溢れかえる岸辺》から《スパーラの本部》をサーチしてタップインし、ターンをもらっていく。ぴかいちはターンをもらうと、《溢れかえる岸辺》をセットしてターンを返す。

3ターン目、柳は《不毛の大地》をセット、即時起動して《スパーラの本部》を破壊してターンをぴかいちへ渡す。ぴかいちはエンドステップに《渦まく知識》を唱え、手札を整えると、《溢れかえる岸辺》から《島》をサーチしてターンをもらい、《思案》をキャスト。《Tropical Island》をセットしてターン終了。

4ターン目、柳は《エルフの開墾者》を展開しゴー。ぴかいちは《吹きさらしの荒野》をセットしターンを柳へ返す。

5ターン目、柳がセットした土地は《演劇の舞台》。《暗黒の深部》が既に場に出ており、大きな圧をぴかいちへとかけていく。ぴかいちはエンドステップに《渦まく知識》。柳はこれに呼応し《吹きさらしの荒野》から《Savannah》をサーチしてくる。

ぴかいちは《渦まく知識》を解決すると、《吹きさらしの荒野》をクラックして《Tundra》をサーチ。ライブラリートップをリフレッシュして、《エラダムリーの呼び声》をキャスト。サーチしてくるクリーチャーは《孤独》。柳のかけてくる圧力に対する回答を拾ってきながらターンをもらい、《Savannah》をセットしてターン終了。エンドステップに柳が《忍耐》を唱えるが、これに対しぴかいちは《意志の力》を追放し、《意志の力》を唱えて対処していく。

6ターン目、柳が2マナ払って唱えた呪文は《緑の太陽の頂点》。X=1で探してきたクリーチャーは《森を護る者》。しっかりとマリッドレイジ・トークンを守る手段を用意しながらコンバット。ぴかいちのライフを13点に削りターンをぴかいちへ回していく。

ぴかいちはターンをもらうと、《島》をセット。そして4マナ払い、場に送り出したのは…《開闢機関、勝利械》。盤面、手札双方のアドバンテージを確保していくフィニッシャーを叩きつけ、ターンを柳に返す。

7ターン目、柳はターンをもらうがドローゴー。エンドステップ、ぴかいちが《開闢機関、勝利械》を起動。2枚カードを引き、《永久のドラゴン》を墓地に送りつつ、盤面に1/1トークンを送り込んでいく。ぴかいちはターンをもらうと、《霧深い雨林》をセットし、4マナ払い、墓地から《永久のドラゴン》の永遠能力を起動。4/4のドラゴントークンを盤面に押し出していく。

ぴかいちのエンドステップ、遂に柳が動く。2マナ払い《演劇の舞台》を起動。コピー対象は、当然自分の《暗黒の深部》。コピー元の《暗黒の深部》を墓地に送りながら、邪神を召喚しようとする。だが、これに対しぴかいちが待ったをかける。2マナ払い、手札の《耐え抜くもの、母聖樹》の魂力を起動。トークン生成にスタックして《演劇の舞台》をたたき割り、対処していく。柳は《Savannah》をサーチし、《剣を鍬に》で《永久のドラゴン》トークンを処理。ターンをもらう。

8ターン目、柳はそのままゴー。ぴかいちはターンをもらうと《壌土からの生命》をプレイ。先ほど土地を割った《耐え抜くもの、母聖樹》を含めて土地を3枚手札に戻そうとする。だが、柳はこれに待ったをかける。1マナ払い《エルフの開墾者》の能力を起動。盤面の《Savannah》を生贄に捧げ、《ボジューカの沼》をサーチ。ぴかいちの墓地を消し飛ばす。

ぴかいちはさらに1マナ払い、《開闢機関、勝利械》を起動。捨てるカードは《吹きさらしの荒野》。そのまま、1/1トークンでコンバットし、柳のライフを18点に削る。

9ターン目、柳は3マナ払い、《聖遺の騎士》を展開。《エルフの開墾者》でコンバット。だが、これに対し、ぴかいちが唱えたのは《忍耐》。柳の墓地をまっさらにし、《聖遺の騎士》《エルフの開墾者》のサイズを下げ、そのまま《エルフの開墾者》を討ち取っていく。柳はそのままターンを回す。

ぴかいちのターン。まずは《開闢機関、勝利械》の起動。そして、《Volcanic Island》をセットし、《忍耐》でコンバット。柳のライフは15点に。そして更に《聖遺の騎士》へ《剣を鍬に》。だが、これは《森を護る者》の能力で、《ボジューカの沼》を差し出して対応する。更にぴかいちは《孤独》をキャスト。誘発する能力の対象はやはり《聖遺の騎士》だが、先ほどと同様の流れで、《Savannah》を差し出し守り切る。

10ターン目、柳は《緑の太陽の頂点》をX=0で唱え、《ドライアドの東屋》をサーチ。そのままターンをぴかいちへ。ぴかいちはターンをもらうと、生成したトークンで《開闢機関、勝利械》に搭乗。そのまま8/8の巨体をブチかます。柳はこれに対し、《聖遺の騎士》を起動し《ドライアドの東屋》から《Savannah》をサーチ。《剣を鍬に》で処理しようとするが、これはぴかいちが《意志の力》で対応。柳のライフは7点まで追い込まれる。

11ターン目、柳はドローゴー。ぴかいちはエンドステップに《エラダムリーの呼び声》から《永久のドラゴン》をサーチ。そしてターンをもらうと、2マナ払い、《永久のドラゴン》で平地サイクリング。探してきた《Tundra》を置くと、4マナ払い、永遠能力で《永久のドラゴン》の4/4トークンを生成。

そのまま、先ほどと同様の流れで《開闢機関、勝利械》でパンチ。柳は《聖遺の騎士》でブロックすると、能力を起動し、《Savannah》から《トロウケアの敷石》をサーチ。そのまま《輪作》を唱え、《トロウケアの敷石》から《平地》、《輪作》から《吹きさらしの荒野》をサーチ。更に《吹きさらしの荒野》から《森》をサーチ。更にサーチしてきた《森》から《輪作》。《平地》を生贄に捧げ、《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》をサーチしてくる。

気の長くなるようなプロセスの末、柳は墓地の土地枚数を7枚とし、《聖遺の騎士》のサイズを9/9として、《開闢機関、勝利械》を討ち取りに行く。ぴかいちは対応して《渦まく知識》を撃つが、回答は見つからず、《開闢機関、勝利械》が討ち取られてゆく。

12ターン目、柳は《イス卿の迷路》をセット。でっかく育った《聖遺の騎士》でコンバット。そしてダメージ解決後に《イス卿の迷路》を起動。そのまま《聖遺の騎士》をアンタップしていく。更に3マナ払い、2体目の《聖遺の騎士》を展開してターン終了。

ぴかいちのターン、ぴかいちは《壌土からの生命》の発掘を解決。そのまま、《永久のドラゴン》でコンバット。柳のライフを2点にまで削る。そして《壌土からの生命》を唱え、さらに《思案》をキャスト。《吹きさらしの荒野》をセットして起動、《Plateau》をサーチすると、5マナ払い《ドミナリアの英雄、テフェリー》を招聘。プラス能力を使い、ドローしながら土地を2枚起こし、ターンを返す。

柳はエンドステップで《聖遺の騎士》の能力により、《森》を《トロウケアの敷石》へと変換。そして13ターン目、柳は《聖遺の騎士》でコンバットする。ぴかいちは《孤独》を差し出し、ライフを3点ゲインしていく。更に、柳は《虹色の終焉》をX=2で唱え、《忍耐》を処理。ターンをぴかいちへ渡していく。

だが、ぴかいちにも対応はあった。エンドステップ、ぴかいちは《忍耐》をプレイ。柳の墓地を消し飛ばし、致死ダメージが入った《聖遺の騎士》を墓地へと送っていく。そしてぴかいちのターン。彼がメインステップに手札から見せたカードは《耐え抜くもの、母聖樹》。魂力の能力対象は《イス卿の迷路》。これ以上の防衛が不能と判断した柳は、盤面をたたんだ。

▲ひりつくような盤面の取り合い
これもMTGの魅力

ぴかいち1ー柳0

■Game 2

2戦目も柳が先手でスタート。1ターン目、柳は《Savannah》から《森を護る者》を展開するが、これはぴかいちが《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を追放し《意志の力》で処理していく。ぴかいちはターンをもらうと、《溢れかえる岸辺》をセットしてゴー。

2ターン目、柳は《演劇の舞台》を、ぴかいちは《Tundra》をセットしてお互いにターン終了。

3ターン目、柳は《トロウケアの敷石》をセットし大きく動く。3マナ払い、唱えたカードは《窒息》。大きくぴかいちの行動を制限しにかかる。ぴかいちはターンをもらうと、《カラカス》をセットしてターンを返す。

4ターン目、柳は《吹きさらしの荒野》を置くと、さらにもう一枚《窒息》を設置。相手の《虹色の終焉》に対してにらみを利かせていく。ぴかいちは《Tundra》をセットしてゴー。エンドステップに柳は《吹きさらしの荒野》から《聖なる鋳造所》をサーチ。

5ターン目、柳は《森》をセットしてゴー。ぴかいちは《溢れかえる岸辺》をセットすると、2枚ある《溢れかえる岸辺》を起動。《Plateau》と《Savannah》をサーチ。そして3マナ払い、相棒指定した《空を放浪するもの、ヨーリオン》を手札に加える。

6ターン目、柳は《暗黒の深部》をセットし、《エルフの開墾者》をプレイ。ぴかいちはターンをもらうと、《平地》をセットし《剣を鍬に》で対処。静かな攻防が続く。

7ターン目、ドローゴーした柳のターンをもらったぴかいちに転機が訪れる。ぴかいちがセットした土地は《天上都市、大田原》。そう、青マナを供給でき、かつ島タイプを持たない土地である。そのまま、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を展開。柳は《剣を鍬に》で対処するが、ドローとライフゲインは解決されてしまう。

8ターン目、柳はそのままドローゴー。ぴかいちはターンをもらうと、《創造の座、オムナス》を唱えるが、これは柳の《赤霊破》で打ち消され、ターンが柳に返る。

9ターン目、柳は《不毛の大地》をセット。即座に起動し、目の上のたんこぶだった《カラカス》を処理。ぴかいちはターンをもらうが、そのままターンを柳へ渡す。

目障りだった《カラカス》を処理した柳は行動を起こす。2マナ払い《暗黒の深部》を対象に《演劇の舞台》を起動。色々処理された後、20/20破壊不能飛行を持つ、マリッドレイジが顕現する。ぴかいちはそれに対応し《孤独》をプレイ。これに対応する形で、柳が《トロウケアの敷石》を生贄に捧げながら《輪作》。持ってきた土地は《セジーリのステップ》。これをきれいにさばいていく。

10ターン目、満を持して盤面を走っていく邪神。ぴかいちのライフは一気に6点まで追い込まれる。柳は《Savannah》をセットしてゴー。だが、ぴかいちはターンをもらうと、焦ることなくX=0で《虹色の終焉》。マリッドレイジを追放していく。

そしてぴかいちは更に5マナ払うと、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を招聘。プラスしてカードを引き、本来アンタップしないはずの《Tundra》をアンタップしていく。

…柳の顔が険しくなる。本来ならば、《窒息》でぴかいちの展開を大きく阻害できるはずだった。しかし、《ドミナリアの英雄、テフェリー》がいるならば話は違う。自分の展開した《窒息》の分の優位性が、音を立てて崩れていった。

この後、数ターンやり取りが続くが、結局柳は、ここから盤面を立て直すことはできなかった。

▲酸素濃度を6%以下にしたとしても
それを乗り越えられては流石にキツイ

ぴかいち2ー柳0

■対戦動画

■デッキリスト


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