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マッサンのブロール構築記 ⑪結ばれた者、ハラナとアレイナ

1.はじめに

読者の諸君、今日12/25は何の日かご存じだろうか?いや、もはやあえて問うまでもないだろう。メリークリスマス!そう、今日はクリスマスである。

「イエス・キリストの誕生日を祝う」という、キリスト教徒の方々にとっては特別な祝日であるこの日。アメリカなどのキリスト教国では年末年始以上に重要な日とされており、この日は家族でともに過ごす、安息の日であるとされている。

某アニメでクリスマスに放置された過去を持つ登場人物がいたが、これはキリスト教国では立派な虐待であると言われるほど、この日は特別なのである。

一方の日本はというと…特に特別な意味があるわけではないはずなのだが、ありとあらゆる宗教や文化を許容するということもあって、ある種の祭典になっている。家族でゆっくり過ごしたり、友人とバカ騒ぎしたり、恋人とイチャイチャしたり、まあ、そんな感じの日である。

この記事で取り扱うMTGも、生まれはアメリカである。そのため、クリスマスシーズンには様々な催し物が行われており、例えば関係者に配られる「ホリデーギフト」と呼ばれるカードなどはそのいい例だろう。ジョークカードの一環なので公式のイベントでは使えないのだが、クリスマスモチーフをあしらったきれいなカードに仕上がっている。

…では、現実のMTGに目を向けてみよう。ただいま絶賛スタンダードは「イニストラード」なる次元がテーマになっている。この次元、再三言っているように、バケモンが跋扈し人が簡単に死ぬという、クリスマスとは対極にあるような状況である。

こんな状況だが、それでも探せばクリスマスにそぐわしいカードがあるかもしれない。ちと考えてみよう。クリスマスと言えば家族や友人で過ごす日であるとは上に書いた。

そしてクリスマスと言えば、ぼんやりと浮かんでくるのが赤と緑のカラーリング。クリスマスリースとかクリスマスツリーとか、その辺の色である。これは一応意味があって、「神やキリストの深い愛」を意味するのが赤、そして「神の永遠の愛」を意味するのが緑ということである。

以上二つの要素を持つカードをイニストラードから探した結果、なんと見事に合致するカードが1枚見つかった。コチラのカードである。

《結ばれた者、ハラナとアレイナ》

どなたかというと、イニストラードはケッシグ地方にお住いの二人の狩人である。そのチームワークは素晴らしく、二人にかかればどんなバケモノも一網打尽とのことである。仲の良い二人組、そしてハラナが緑基調の服、アレイナが赤基調の服を着ている。まさに彼女らこそがクリスマスを体現する、今年のホリデーギフトカードと言っても過言ではないだろう。

今回はこのハラナとアレイナを使い、盛大にクリスマスを祝うこととしよう。

2.こいつで何ができるのか

というわけで、実際にどういうことが出来るのか、能力を確認してみよう。

《結ばれた者、ハラナとアレイナ》
2RG
伝説のクリーチャー ― - 人間・レインジャー
2 / 3
先制攻撃、到達
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしていてこれでないクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターX個を置く。Xは結ばれた者、ハラナとアレイナのパワーに等しい。ターン終了時まで、そのクリーチャーは速攻を得る。

4マナ2/3先制攻撃到達。二人いてそれだけなのお?何か非力じゃなあい?

…などと侮ってはいけない。このハラナとアレイナ、自身らは特に何もしないのだが、他のクリーチャーをムキムキにすることが出来るのである。具体的に言えば、戦闘開始時、他のクリーチャーに自信のパワーに等しい数の+1/+1カウンターを設置することが可能である。更に、カウンターを乗っけたクリーチャーは速攻を持つというオマケつきである。

そういえば皆様、クリスマスと言えば真っ先に思いつく人がいるだろう。そう、よいこにプレゼントをくれるヒゲのおじさん「サンタクロース」である。ハラナとアレイナも彼にならい、よいこにしていたクリーチャーにカウンターというプレゼントを渡しているのだろうか。

3.こいつでどうやって勝つのか

さて、このハラナとアレイナの能力をざっくりまとめると「他クリーチャーを強化して、相手にぶつけることが可能」となる。で、改めてハラナとアレイナの色を見てみよう。赤と緑である。

赤と緑、クリスマス視点で眺めると、先述したとおり「神に対する大きな、そして永遠の愛」というホカホカした色の組み合わせなのだが、これがMTGだとどうなるだろうか?

そう、MTGにおいて赤と緑は暴力の色なのである。

もう少し具体的に書くと、「すべてを焼き尽くす」という意味を持つ色の赤、そして「すべてを踏みつぶす」という意味を持つ色の緑、これらを組み合わせた結果、「万物を蹂躙し焼き尽くす」というホカホカした色の組み合わせになってしまうのである。

で、これを踏まえての今回の方針だが、極めて簡単である。

「赤緑特有の血の気の多いクリーチャーを投下。しかる後にハラナとアレイナで祝福し強化。相手の家に突っ込み死をプレゼントする」

…なんかこう、クリスマスと真逆のコンセプトのデッキが出来そうなのだが…それは大丈夫なのだろうか…

4.どうやってデッキを組むのか

というわけで、ハラナとアレイナと相性のいいクリーチャーを選別していくわけだが、正直筆者としては「お好きなものを好きなだけぶち込んで強化してぶん殴ってくれればOK」という結論に至ってしまった。

なので各々勝手にカードを選んで叩いてもらえればいいと思うのだが、そんなことを書いたようでは紹介記事として破綻する。というわけで、ここではハラナとアレイナと相性のいいクリーチャーを紹介していくこととしよう。

①乗せられたカウンターを増やすクリーチャー

まずはこれである。ハラナとアレイナで毎ターン+1/+1カウンターは乗って行くのだが、これを増やす手段を用意してやれば、更なる火力向上につながるだろう。というわけで、クリーチャーの上に乗ってあるカウンターを増やす手段を探してみよう。

まずは、こういうクリーチャーはどうだろうか?

《オラン=リーフの軟泥》
2G
クリーチャー ― - ウーズ
2 / 2
オラン=リーフの軟泥が戦場に出たとき、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターを1個置く。
オラン=リーフの軟泥が攻撃するたび、+1/+1カウンターが置かれている各攻撃クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンターを1個置く。

殴りつけるたびに+1/+1カウンターが乗っている攻撃クリーチャーのカウンターを増やすことが出来るウーズである。運用方法は至って単純。ハラナとアレイナでカウンターをクリーチャーに乗せ、それをこのウーズで増やすという動きである。

唯一の懸念事項はコイツ自身の体格。3マナ2/2というサイズはお世辞にもいいものとは言えず、簡単に討ち取られてしまう体躯なのである。が、ハラナとアレイナがいれば別。こいつを出してカウンターを乗せるだけであら不思議。3マナ4/4速攻は流石に脅威である。

更に、こいつは場に出たときにクリーチャー1体の上にカウンターを乗せられる。これを含めると3マナ5/5速攻。バケモンかな?

お次はこういうものはどうだろうか?

《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》
4GG
伝説のクリーチャー ― - ファイレクシアン・法務官
6 / 6
トランプル、速攻
あなたがパーマネントやプレイヤーの上にカウンター1個以上を置くなら、代わりに、そのパーマネントやプレイヤーの上にそれぞれその2倍の個数のその各種類のカウンターを置く。
対戦相手がパーマネントやプレイヤーの上にカウンター1個以上を置くなら、代わりに、その対戦相手はそのパーマネントかプレイヤーの上にそれぞれその端数を切り捨てた半分の個数のその各種類のカウンターを置く。

コチラはさらに単純。乗せるカウンター量を倍にするという能力を持ったクリーチャーである。これがいるだけでハラナとアレイナで乗せられるカウンターも倍になる。言ってしまえば毎ターン+4/+4速攻クリーチャーを量産してくるわけである。

これだけでも十二分にすごいのだが、さらにヴォリンクレックスは相手のカウンターを乗せる能力を阻害できる。相手が似たような戦略を取ってきた場合、コチラだけ一方的に優位を取れるのだ。ガンガン叩いてやろう。

②ハラナとアレイナを鍛える

さて、+1/+1カウンターを増やす手段をここまで考えてきたが、実は効率よく+1/+1カウンターを増やす手段がある。ハラナとアレイナの能力に注目してみよう。パワー分カウンターを乗せると書いてないだろうか?

つまりどういうことかというと、ハラナとアレイナのパワーを何らかの方法で向上してしまえば、ハラナとアレイナから乗せられるカウンター量は増えてくれるのだ。

というわけで、ハラナとアレイナのパワーを上げる方法を考えてみよう。例えばこういうのはどうだろう?

《アーニ、トロールを制す》
RG
エンチャント ― - 英雄譚
(この英雄譚が出た際とあなたのドロー・ステップの後に、伝承カウンターを1個加える。IIIの後に、生け贄に捧げる。)
I ― あなたがコントロールしているクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー最大1体を対象とする。その前者はその後者と格闘を行う。
II ― あなたがコントロールしている最大1体のクリーチャーを対象とする。Rを加える。そのクリーチャーの上に+1/+1カウンター2個を置く。
III ― あなたは、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーの中で最大のパワーに等しい点数のライフを得る。

《レンジャー・クラス》
1G
エンチャント ― - クラス
(次のレベルになることはソーサリーとして行う。そのレベルの能力を得る。)
レンジャー・クラスが戦場に出たとき、緑の2/2の狼・クリーチャー・トークン1体を生成する。
1G:レベル2
あなたが攻撃するたび、攻撃クリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。

3G:レベル3
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見てよい。
あなたはあなたのライブラリーの一番上にあるクリーチャー・呪文を唱えてもよい。

まずはいたって単純。ハラナとアレイナ自体に+1/+1カウンターを乗せて強化するという方法である。ハラナとアレイナの欠点として、自身にカウンターを乗せられないというものがあるが、だったらこうやって別途用意してやればいいだけである。何なら先ほどの《オラン=リーフの軟泥》で強化してやるのもいいだろう。

中でも《アーニ、トロールを制す》はかなり使い勝手がよく、第三章で自身のクリーチャーの最大パワー分のライフを回復できる。自軍クリーチャーがバカバカでかくなっていくこの統率者とは相性がいいだろう。

お次は、一時的にパワーを上げる手段である。

《無謀な嵐探し》
2R
クリーチャー ― - 人間・狼男
2 / 3
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修整を受け速攻を得る。
日暮(プレイヤーが自分のターンに呪文を唱えなかったなら、次のターンに夜になる。)

色々考えられるとは思うが、例えばこの《無謀な嵐探し》だと、戦闘開始時にクリーチャーのパワーを向上させられる。こういう場合は、先にこちらでハラナとアレイナの打点を上げて置き、その後ハラナとアレイナの能力を解決してやればOKだ。似たような能力を持っているクリーチャーは色々いるはずなので使ってやろう。

で、こういう用途だと最高のクリーチャーがいたりする。これだ。

《アヴァブルックの世話人》
4GG
クリーチャー ― - 人間・狼男
4 / 4
呪禁
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしていてこれでないクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター2個を置く。
日暮(プレイヤーが自分のターンに呪文を唱えなかったなら、次のターンに夜になる。)

6マナ4/4。そしてなんと、ほぼハラナとアレイナの能力と同じ能力を持っている緑の狼男である。これでハラナとアレイナを強化。しかる後にハラナとアレイナでこれを強化しぶん殴るということをやってやれれば、盤面はペンペン草も残らないだろう。

そして更に、彼女は変身後の能力も優秀である。

《ホロウヘンジの猟匠》
クリーチャー ― - 狼男
6 / 6
呪禁
あなたがコントロールしていてこれでないすべてのパーマネントは呪禁を持つ。
あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンター2個を置く。
夜明(プレイヤーが自分のターンに2つ以上の呪文を唱えたなら、次のターンに昼になる。)

ひっくり返ると、さらに自分のクリーチャーが全て呪禁を持つようになる。遠慮なくカウンターをばらまけられるようになるので活用したいところである。

5.サンプルデッキ

というわけで皆様、コチラが今年のサンタさんからのプレゼントである。今年一年良い子にしていただろう読者の皆様には、以下のリンクからこのデッキをダウンロードして遊んで見てほしい。リンクが見えない子はおそらく何かしら今年悪いことをした子なので行動を悔い改めてほしい。

一部反映されていないカードがあります ご了承ください

昨今のMTGでは、元々赤緑のカラーリングがかなり強力であり、何を突っ込んでもデッキの形にはなるのだが、今回はさらに踏み込んで、「打点を強化することでさらに輝くことが出来るクリーチャー」や、「+1/+1カウンターを乗せることでさらに活躍できるクリーチャー」を積極的に採用した。

例えば上の《髑髏砕きの突撃者》。3マナ4/3トランプル速攻と破格の性能なのだが、コイツの上に+1/+1カウンターが乗っていないとターン終了時に手札に帰ってしまう。そこでハラナとアレイナの出番だ。カウンターを乗せてやって3マナ6/5トランプル速攻として運用してやろう。強い。

また今回は、マナクリーチャーを多めに採用し、ミッドレンジ寄りの構成にしてある。単にハラナとアレイナをパッパと着地させたいというのもあるし、後半ハラナとアレイナによって、場に出しておいたマナクリーチャーが極太クリーチャーと成長することもあり得るためである。

後は巨大化した生き物の有効活用として、バキバキに成長したクリーチャーを相手にプレゼントとしてお届けするべく《カズールの憤怒》も採用。チャンプブロッカーに阻まれた場合や、除去が満載の相手に対してこれを使ってやろう。相手も涙を流して喜んでくれるはずだ。

6.終わりに

というわけでいかがだっただろうか。本当はクリスマスカラーは赤・緑・白、そして金なので、ナヤカラーの統率者でも使えばよかったのだろうが、残念ながらこの環境に一体しかいない上、過去に取り扱った統率者なので断腸の思いでカットした。まあ、これはこれでクリスマス的なブロールデッキになったのではないだろうか。

さて、クリスマスと言えば友人や家族と楽しく過ごす日でもある。そんなとき、MTGは皆をつなぐコミュニケーションツールとなるはずである。久しぶりに遊ぶ1VS1のMTGも面白いが、多人数入り乱れてのEDHやブロールと言った遊び方も面白いだろう。

これから年末にかけて、そういった機会も増えていくはずである。この記事がその際の一助になれば幸いである。皆様、よいクリスマスを。

よかったらサポートして頂けると幸いです。MTGアリーナの活動などに充てたいと思います。