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第24回おうちでレガシー カバレージ Round 3 夜光(ジャンドサーガ)VSクララ(ANT)

筆者がリモートレガシー対戦会「おうちでレガシー」を主催して、これで24回目である。基本的には筆者が属するレガシーコミュニティ向けに始めたイベントであるが、最近は常連の方々の呼びかけによって、新たな参加者の方々が集まるようになった。

3回戦、フィーチャー卓に進んだ夜光とクララ。奇しくもどちらもおうちでレガシー初参戦の参加者である。夜光は別のDiscordコミュニティでレガシーを楽しむプレイヤー、そしてクララは東海地区を地盤とするレガシープレイヤーである。

このイベントを知ったきっかけも、バックグラウンドも全く異なる二人のプレイヤー。このイベントが無かったら交わることのなかった二つの線が、今まさに交差しようとしている。

■Game 1

マリガンチェック、クララはノーマリガンでゲーム開始だが、夜光はダブルマリガン。苦しいスタートを強いられる。

先手はクララ。まず《沸騰する小湖》をセット。即座に起動し《Underground Sea》を持ってきて《思案》をキャスト。シャッフルせずにデッキトップ3枚を並び替えてドロー。

対する夜光は《Taiga》から《真髄の針》をキャスト。指定したカードは実況席からは分からなかったが、夜光側はこの時、相手のデッキは分かっていないはず。おそらく《霧深い雨林》や《溢れかえる岸辺》と言ったフェッチランドを指定したのだろうか。

2ターン目、クララは再度《沸騰する小湖》をセット。その後《Underground Sea》から《思考囲い》。盤面に広げられる夜光の手札は《山》《新緑の地下墓所》《突然の衰微》《闇の腹心》。クララはアドバンテージ源となる《闇の腹心》をディスカード。

その後、《沸騰する小湖》を起動し《Underground Sea》をサーチ。《定業》をキャストしてターン終了。着々と手札が整えられつつある。夜光は、《新緑の地下墓所》をセットしてターンをクララに返す。

3ターン目、クララは《Volcanic Island》をセット。先のターン、相手の手札に呪文に対する干渉手段がないということ、また、《Taiga》や《闇の腹心》を採用しているということから青系のデッキではなく、おそらくジャンドサーガであるということは想定済み。一気にクララが動き始める。

まず手札から《睡蓮の花びら》《ライオンの瞳のダイヤモンド》をキャスト。《Volcanic Island》と《Underground Sea》から2マナを捻出し《冥府の教示者》。そこにスタックし《睡蓮の花びら》をクラックしつつ残った《Underground Sea》から《陰謀団の儀式》をキャスト。更にその《陰謀団の儀式》にスタックして《ライオンの瞳のダイヤモンド》を起動。手札をすべて捨てながらマナプールに黒マナを3マナ供給する。

これら一連の行動、一見すると訳が分からない行動に見えるが、これは《陰謀団の儀式》解決時に墓地を7枚以上にし、スレッショルドを解決するための行動である。クララは《冥府の教示者》で任意のカードを持ってきながら、かつ《陰謀団の儀式》《ライオンの瞳のダイヤモンド》でマナを最大限生み出すというテクニックを披露していたのだ。

そして《冥府の教示者》でサーチしてくるのは《むかつき》。ライフを犠牲にする代わりに空になった手札を補充し、一気に勝利まで繋げ得るカードである。

クララが《むかつき》でめくれたカードは《定業》《思案》《苦悶の触手》《暗黒の儀式》《燃え立つ願い》《思案》《冥府の教示者》《Badlands》《夏の帳》。自身のライフが3になった時点でドクターストップ。余っていた黒マナを使い《冥府の教示者》。手札にあった《暗黒の儀式》をサーチし、《暗黒の儀式》を2回唱え、夜光を対象に《苦悶の触手》!

…今一度、このターンに唱えられた呪文の数を数えてみよう。《睡蓮の花びら》《ライオンの瞳のダイヤモンド》《冥府の教示者》《陰謀団の儀式》《むかつき》《冥府の教示者》《暗黒の儀式》《暗黒の儀式》《苦悶の触手》。ストーム8。《苦悶の触手》のドレイン量は18点ドレイン。夜光のライフは20点。そう、決着までに2点足りないという事態が発生してしまったのである。

通常、ANT側のメインボードには、デッキを圧迫しないように《苦悶の触手》は1枚のみ採用されており、他はほぼすべてストームを稼ぐ呪文。従って、この時点でクララのメインボードに、直接ゲームを決めうるカードは残されていない。クララ、万事休すか。

夜光のターン。とりあえず生きてターンは帰ってきたものの、残りライフは2。あまり不用意に動けないというのもあり、ここは《山》をセットしてパス。

4ターン目、クララは《Underground Sea》から《定業》、その後《Underground Sea》から《渦まく知識》。何かを探しているように見えるが果たして。その後《沸騰する小湖》をセットしてターンを渡す。夜光は《血染めのぬかるみ》をセットしてターン終了。

5ターン目、クララは《沸騰する小湖》から島をサーチ。《思案》を唱えて《汚染された三角州》をセット。ターンを夜光へ。夜光はドローゴー。

6ターン目、クララは《汚染された三角州》から《沼》をサーチ。そして手札にある《Badlands》をセット。これで6マナ。

…先ほど、ANTはメインボードに勝ち手段は1枚しかないと書いた。それは事実である。が、それはあくまで「メインボードに勝ち手段がない」だけである。

クララが2マナで唱えたのは、《むかつき》で引き込んでいた《燃え立つ願い》。サイドボードからソーサリーを引っ張ってこられるカードである。そしてサイドボードから持ってきたのは…2枚目の《苦悶の触手》。そのまま余った4マナで夜光を対象に《苦悶の触手》をキャスト。2度目の触手が、1度目で仕留めきれなかった夜光のライフを吸い取った。

夜光0ークララ1

■Game 2

サイドボード後、再びマリガンチェック。夜光はダブルマリガンと厳しい立ち上がりだが、これは基本的に相手の非パーマネント呪文に対する干渉手段が乏しいジャンドサーガ側は、《思考囲い》などの事前に脅威を摘み取るハンデス、および《精神壊しの罠》《外科的摘出》などの貴重な妨害手段がほぼ必須となるためだ。シビアなマリガンが必要となるのも致し方ない。

夜光側先手でスタート。1ターン目、夜光は《新緑の地下墓所》をセットしてターン終了。対するクララは《汚染された三角州》をセット、起動して《Underground Sea》を探し、そこから《思案》。1ゲーム目と同じ滑り出しである。並べ替えてドローしターンを夜光へ返す。夜光はエンドステップに《新緑の地下墓所》から《Bayou》をセット。

2ターン目、《Taiga》をセットし、唱えるのは《闇の腹心》。アドバンテージを稼ぎ出し、マリガンで失ってしまった手札、およびANTに対してマウントを取れる干渉手段を手に入れたい。そのような願いを《闇の腹心》へと託し、ターンをクララへ渡す。

だが、そのような願いが簡単に粉砕されてしまうのが、MTGの恐ろしい所でもある。

クララのターン。《Underground Sea》から《定業》をキャスト。占術2でデッキトップを上下に1枚ずつ送りドロー。そして《沸騰する小湖》をセットし起動。《Underground Sea》を持ってくる。

そして1マナ払い、唱えるのは《暗黒の儀式》。2回戦と違い、既に土地が置かれた状態での《暗黒の儀式》、これが意味することはたった一つ、「このターンにお前を殺す」である。

その後、《冥府の教示者》から手札に合った《陰謀団の儀式》をサーチ。《睡蓮の花びら》をキャストし起動。マナプールに2マナ貯めた状態から《陰謀団の儀式》を2回キャスト。そして手札から《願い爪のタリスマン》をキャスト、即時起動しライブラリーからカードをサーチ。

サーチ後、クララは《思考囲い》を夜光へ撃ち込む。夜光の手札は《ウルザの物語》《タルモゴイフ》《ヴェールのリリアナ》。《精神壊しの罠》がないことを確認したクララは手札にあった最後のカード…《冥府の教示者》をキャストし《苦悶の触手》をサーチ。この時点でストーム数は9。コピー含めドレイン量は20点。致死量のドレインが夜光に襲いかかった。

夜光0ークララ2

■実況動画

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