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犬を連れて海外に来た 【準備編】


まず、犬の輸出について、だいたい、こんな感じで何回か分けてレポートしたいと思いまーす。今回は①の「準備について」です。

①準備について 3ヶ月〜前日
②当日(羽田)
③フライトでの様子
④着いてから
⑤異国での様子〜慣れるまで
◉続報(日本との違いなど)


犬の輸出の下準備。

まず、準備にあたりウェブ上でいろいろなソースを調べました。
もともと、移住先として候補に挙げていた国として
・アメリカ
・フィリピン
・オーストラリア
・ポルトガル(EU諸国)
・台湾

あたりの犬の輸出についてのブログは見ていたのでだいたい共通する事項として

・準備には3ヶ月くらいを要する
・ほとんどのことをワンストップでやってくれる代理店がある

ことはわかっていました。
さらにFacebookのコミュニティなどを見ると

・欧米人は自分でやっている

という事実も把握していたので、できないことはないのだな、と。
どうやら代理店に頼むとウン十万かかるらしかったので。
自分としては手間はかかってもなるべく出費を抑えたくて、綿密に準備をして自分でやる方向で進めました。
代理店はお金に困ってない、駐在員のマダムが利用するサービスなのだろう、と。

実は渡航・留学すること自体は4月にきめたんですけど2月くらいからスケジュール表は作って粛々と準備は始めました。
どこの国になったとしても対応できるように。

大きく分けて
A:日本から持ち出すための条件
B:渡航先(相手国)に持ち込むための条件

をクリアしなければならず、それぞれ必要な条件が違います。
Bにおいては、相手国によって条件や必要書類も様々です。

ちなみに…
アメリカやヨーロッパ諸国は犬と共に引っ越している方も多く比較的新しい情報も手に入ります。
自分はオーストラリアが最近好きになってしまってかなり行きたかったんですが、
ただでさえ動物検疫は無条件で2週間の隔離が必要なのとコロナで入国が不可能になってしまったので、今回は諦めました。
ただ、今回渡航先に選んだマルタ共和国に犬と共に“引っ越した”人の情報を見つけることができず、全て手探りで始めることとなりました。

ざっくりとした準備は

A:マイクロチップ装着
B:狂犬病注射
C:抗体検査
D:事前書類確認
E:条虫薬投与
F:搭乗便にペット枠確保

となります。それにあわせ

① 3ヶ月前 渡航先の条件確認 (ABCDE)
② 2ヶ月前 日本出国に必要なものを検疫所に確認(ABCDE)
③ マイクロチップ装着 (A)
④ 3〜1ヶ月前 搭乗便のペット持ち込み枠確保(F)
⑤ 1ヶ月前 狂犬病注射(B)
⑥ 1ヶ月前 狂犬病抗体検査(C)
⑦ 1ヶ月前 混合ワクチン
⑧ 1ヶ月前 検疫所に書類事前確認(D)
⑨ 2〜5日前 条虫薬投与(E)
⑩ 1日前 書類最終確認(D)

を実行しました。順番に説明していきます。


①3ヶ月前 渡航先の条件確認

マルタはEU加盟国なので、他のヨーロッパ諸国の例に漏れずEUで定められた書式に則って、英語で書類を作成します。
EUの条件はそこまで厳しくなく、
・1回目の期限が切れる前に2回目の狂犬病注射を21日前までに打ってあること
・日本の検疫所が発行したEUの指定書類の提出
・マイクロチップが埋め込まれてること
くらいでした。

マルタはそれに追加で
・事前にオンラインで入国日と搭乗機情報などを登録
・エキノコックス(条虫)駆除剤を投薬した証明
が必要でした。

以上のことをマルタ大使館に電話で問い合わせたところ
「再度Eメールで問い合わせてほしい」
とのことだったので、メールしたところ数日後、マルタ大使のアンドレ氏から
「あなたの理解で何の問題もありません」
という簡潔な返答が。
え〜〜〜なんか不安。しかも大使が直々にこういう業務やってんの?みたいな笑


② 2ヶ月前 日本出国に必要なものを検疫所に確認

2月か3月くらいに成田の検疫所に電話で問い合わせ、犬の輸出に必要なものを確認しました。ウェブサイトにのっていることと変わらず、
・1回目の期限が切れる前に2回目の狂犬病注射を打ってあること
・混合ワクチンなど打っていればそれの証明書
・(マルタが)エキノコックス駆除剤の証明が必要なのであれば、その証明
・1年以内に帰国するのであれば、狂犬病の抗体検査証明書(再入国に必要)
とのことでした。

日本の検疫所は、基本的には日本の出国と入国に必要なものの案内だけする立場で、相手国の条件を調べたりしてくれるわけではないので、相手国の条件は自分で調べて、揃えなければなりません。
ただEUに関しては慣れているようでした。

そして、メールの問い合わせの方がいろいろと確実に案内できるのと、結果的に羽田発便を予約したので、これ以降は羽田の検疫所とのメールでのやりとりになりました。


③マイクロチップ装着

渡航を決めたら、まずできることがこれです。
このあとの④からの過程で、特に⑤についてはマイクロチップ番号と紐付けて2回行われている必要があるので、今回初めて装着する方は注意が必要です。
(マイクロチップ装着→1回目狂犬病注射→1ヶ月経過→2回目狂犬病注射→21日経過後入国 ※EUの場合)
うちのは数年前に装着済みだったので、2020年の注射と2021年の注射で2回のカウントになります。チップ未装着で2020年の狂犬病注射を打っている分はカウントできないようです。(詳しくは検疫所に確認してみてください)
装着すると下記のような通知書が葉書で送られてきますので大切に保管します。今回の検疫でも必要になりました。
ちなみにマイクロチップのメーカーの指定がありますが、日本で装着されている主なメーカーで問題ないと思います。

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④ 3〜1ヶ月前 搭乗便のペット持ち込み枠確保

だいたいの航空会社が同じ便に犬と猫をバッティングさせないルールがあるようで(大騒ぎになっちゃうから?)事前予約が必要です。
自分は絶対的にインキャビンで連れて行くつもりだったので
・スイスエアー
・ルフトハンザ
・フィンエアー
・エールフランス
・KLMオランダ航空
・ターキッシュエア
で調べていて、1番安く、しかもトランジットするイスタンブール空港にはなんと犬用の休憩所や散歩道があるという情報をこのNote.の中で発見し、迷わずターキッシュエアで即予約しました。(後日レポアップします)
オンラインでは犬の予約も同時にはできず、決済が終わってから再度連絡ちょうだいねとのことで電話で犬の予約をしました。
チェックイン時に20000円くらいかかります、と言われ、あとは、事前に何かするわけでもなく、犬連れてチェックインカウンターきてください、とのこと。

ケージの大きさのルールが航空会社によってまちまちで情報も錯綜してましたが、ターキッシュエアの規定サイズは要は座席下のスペースのサイズでした。
自分が長年使っているキャリーバッグが若干サイズオーバーしていて
「折り畳み式なのでオーバーしないサイズに小さくすればいいですか?」と聞いたら
「問題ありません」
とのことだったので、新しいバッグも買わず、ボロボロだけど長年親しんでいるバッグのまま移動することができました。ここ、ナニゲに重要で、ただでさえ引越しで慣れ親しんだ家具が売り飛ばされていて不安だったところに、真新しいバッグで移動なんかさせられたら、それこそドナドナ状態で発狂していたのではないかと思われます。

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↑体重5キロのパピヨンにはちょっと小さめなんですけど、ずっとこれで来てるので本人も安心できるんですよね。中に骨組みがあってそれを斜めにアジャストすると高さが低くなり、規定サイズにフィットする、とコールセンターには説得しましたが、チェックインの際は全くサイズ測ったりはしませんでした。


⑤ 1ヶ月前 狂犬病注射

この時点では渡航はまだ決まってなかったのですが、いずれにしても春の狂犬病注射の季節だったので、いきつけの病院で打っておきました。
自治体でやってる安くできるやつは、検疫の際に通用する証明書は発行できないとのことで、3月の下旬に早めに打っておきました。 EUは入国の21日前までに打っておかなければいけません。ただ、それイコールその次の注射は2022年の3月下旬までに打たなければいけません。
次はどこかヨーロッパの病院で打つのかな〜?

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↑このような日本語の証明書で問題ありません


⑥ 1ヶ月前 狂犬病抗体検査

これは相手国によっては必要な国があったりします。EUは必要ないのですが、日本に再入国の際に必要になります。島国は概して検疫には厳しいので、日本も入国するのは厳しいんですよね。
狂犬病の注射を打ってから1〜2週間たったら病院で採血してもらい、血清をとってもらいます。それをクール宅急便で相模原にある、生物化学安全研究所に送ると1週間くらいで、証明書が送られてきます。
これ2回やったことあるんですけど、1回目は病院側がやってくれましたが、今回の病院は自分で送ってねと言われて、一瞬呆然としましたが、まあ普通にクロネコでクール宅急便で送っただけで、まったく問題ありませんでした。
念のために日本語と英語の申請書、両方とも送付して両方とも印をもらい返送されてきました。追加料金はありません。
でもこれ、マルタに到着してから原本の提出を求められたんですよね。コピー取りたいからと。必要書類にかいてなかったのになー。。。

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⑦ 1ヶ月前 混合ワクチン

ヨーロッパの国を移動することもあるかと思って、これも念のために打っておきました。ヨーロッパには「ペットパスポート」というものがあって、今までのあらゆる処方や病歴などがこの一冊に記録され、EU諸国のペットの移動が自由にできるようになります。日本の検疫が発行した検疫証明書の中に、この混合ワクチンの情報があれば、EUパスポートにも反映されるはずなので、何か処方している薬などがあれば、漏らさず申告したほうがいいと思います。
EUペットパスポート、早く欲しいな〜!


⑧ 1ヶ月前 検疫所に書類事前確認

⑨の投薬は入国の5日以内と定められているので、それ以外の⑥までが済んだところで羽田の検疫所に書類一式をメールで送って確認してもらいました。
(メール1通につき1MB以下にしてくれというなかなか難しい注文があり、何度かにわけなければなりません笑)
羽田の方、本当に信じられないくらい親切でした。なんとEU向けの書類も作成してもらえるし、至れり尽くせりでした〜!わからないこともだいたい48時間以内には返答はきたし、日本てやっぱすげえ。と思いましたよ。
最終的にあとは条虫薬投薬したらここに記入してもらってください、というところまでやってもらいました。


⑨ 2〜5日前 条虫薬投与

渡航日の2日前の朝、条虫薬(エキノコックス駆除剤)を投薬しました。バイエルの「ドロンタールプラス」というのを無理矢理飲ませるだけだったんですが、病院曰く、注射とかじゃないので証明書が出せない。ということで、⑦の書類に記入&サインしてもらいました。
このエキノコックス駆除剤はマルタ・ノルウェー・フィンランド・イギリスなどに入国の際は必要になるみたいです。
それ以外のEU諸国は必要ないです。


⑩ 2日前 書類最終確認

⑨が済み次第それをスキャンして、羽田の検疫に送ったところ、電話で「書類のフォーマットやページがズレていて抜けている箇所もある。このままだと問題があるので、もう一度きちんとした書類にサインしてもらってください」とのことなのでPDFを送り直してもらい(最初のデータはワードファイルだった)夕方にそれに再度それにサインをし直してもらいました。
それを再度メールで送ったところ、これで大丈夫、とのことで後は当日を待つのみ!となりました。
実は、この時を最後に家のプリンターをジモティで売却しまっていて、この再度サインしてもらったページだけ欠如していたことが、のちに大問題になりました。


さて、明日はいよいよ渡航日!

つづく

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