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【エッセイ詩】六月の思い出

梅雨六月の思い出のひとつに
夜下駄の音がある。
雨が上がった夜更けの街を
二つばかりの音影が
カラコロカラコロ過ぎて行く。
何をしゃべっているのだろう、
夜下駄の響く合間から、
忍び笑いが漏れてくる。
ぼくはたばこを吹かしながら、
窓から聞こえる夜下駄の音を
煙とともに追っていた。

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