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今日からできる格闘技

このタイトルで女性向けにオーダーをいただきましたので、少し考えてみたいと思います。

格闘技を始めると言う事は、何かしらそれによって得られるメリットがないと始められないと思います。世の中にはいろいろなエクササイズがありますが、特に格闘技が優れているところは、呼吸と動作のコーディネーション、身体のアライメントが整う、対人の場合相手との関係性を考えることができる、こういったところにメリットがあると思います。

呼吸と動作のコーディネーションができてくると、それが日常のあらゆる活動に反映してきます。ですから、エクササイズしているその瞬間だけではなく、意識しようともしていなくても、日常がすべてエクササイズになってしまいます。

次に身体のアライメントが整うことについて。アライメントが整うということは、例えば、1つの動作について身体の部位がバラバラに行われるのではなく、すべての身体の部位が連動して動作になる、ということです。言い換えるなら、貨物列車が先頭車両に引っ張られて動く感じです。これができてくると、リラックスした中の力が発揮できるようになります。

アライメントが整うということは、思考も整理されます。その結果、身体的には様々な動作がスムーズになりますし、何か表現することが容易にできるようになります。私の場合は、このことによって英語がしゃべれるようになったのはもちろんのこと、ポルトガル語やスペイン語もしゃべれるようになりました。他にはフランス語やイタリア語もある程度理解できます。

アライメントが整っているので、反射神経や反応も非常に速く、何か料理をしていて野菜が転げ落ちそうになった時も、簡単にパッと掴むことができます。これは明らかに無意識の動作です。

最後に、対人との関係性について。格闘の場合、型などによって1人で練習を行うこともできますが、やはり相手ありきなので、対人練習が最も効果が高いです。

対人練習は、スパーリングが最終形になると思いますが、別にそれをしなくても、打撃系格闘技のミット打ちや、組み技系格闘技の打ち込みをパートナーとするだけで、相手との関係性を意識することができます。相手との関係性とは、相手との呼吸の同調です。これができてくるようになると、相手を自由に操作する合気道系の技がかけられるようになったり、打撃系格闘技であればカウンターが取れたり、相手が動く前に攻撃がわかったりします。

これらがわかった上で格闘技の練習をすると、たとえ打撃系格闘技であっても、組み技系格闘技であっても、何をやってもメリットになります。それぞれ修練には時間がかかりますが、何も熟達しなくても、このメリットを享受できるだけで十分に格闘技を始める恩恵を受けられると思います。

さて今日からできる格闘技として、何もどこへ行かなくてもできるものが1つあります。それは戦場サバイブするための技術であるシステマです。

システマの基本は4大運動で構成されます。プッシュアップ、スクワット、シットアップ、レッグレイズです。そしてそれを4大要素である、呼吸、姿勢、リラックス、常に動き続ける、で連動させます。

これらを呼吸と正しい動作によって導くと、日常の動作が変わり、アライメントが整い、頭脳の回転速度が上がり、直感が冴えてくるようになります。

直感が冴えると言う事は、危険予知能力が上がると言うこと。私は実際、超犯罪大国のブラジルに1年ほど住んでいましたが、犯罪に出くわさないためには、セルフディフェンスを学ぶよりも、この危険予知能力が非常に重要でした。

例えば、夜道を歩いていて、後からついてくる人がいないか、物陰に隠れている人がいないか、怪しい人物がいないか、今歩いている道が危険な場所ではないか、これらを全て察知しながら歩いていました。こういったレーダーのようなものを発信していると、相手にもそれが伝わり、警戒している人には近寄り難いと言う効果が生み出されました。

ここで注意して欲しいのは、警戒はしていても、その恐怖には縛られていないということです。恐怖はその最悪の瞬間を引き寄せてしまいます。あくまでイメージしているのは、安全に何事もなく過ごせることです。

そして最大のメリットは、日常における思考停止の源である、恐怖を克服することができる、ということです。恐怖の源とはテンションです。呼吸によってそのテンションを取り除くことができます。テンションの取り除かれた体は、背骨と言うアンテナを通じて宇宙とつながります。無意識の動きとは、背骨のアンテナが正しい姿勢で動作し、宇宙からの指令をそのまま表現したものです。リラックスして動き続けられることは、それらが表現された結果に過ぎません。

いろいろ書いてきましたが、どれか1つでもピンとくるものがあったら、それは格闘技を始めてみるチャンスかもしれません。何か1つでもきっかけになりましたら幸いです。

インスタライブで喋りました。
もしよろしかったら、ご覧ください。

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