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妻の不時着・妻と一緒だと飛行機にまつわる災難に巻き込まれる話【後編】

この記事は【前編】の続きです。読んでいらっしゃらない方は【前編】からどうぞ。


【ケース4】飛行機で腹痛

飛行機自体の不調ではありませんが、国内便でレバップ州のトルクメナバットというところに友人の結婚式に行ったところ、妻が途中から腹痛を起こし、急遽帰宅するというアクシデントに見舞われました。実はアシガバットで花嫁さらいに参加し、花嫁を連れて一緒に旦那さんの実家であるトルクメナバットに帰るという大きなイベントの最中でした。トルクメナバットに着くと、花嫁を連れて彼の実家に行きました。そこで慣例に従い、男女別の場所で食事を出されました。その時は英語ができる世話焼きの女性が何人か妻に付いてくれていたので任せていましたが、今思えばそこで変なものを食べたのかもしれません。妻は調子が悪いというので、夕方の式までしばらくホテルで休むことにしましたが、良くなる様子はありません。それでも結婚式に行こうとしますが(なんならドレスを着て式場まで行きました)、どんどん具合が悪くなってしまいには座っていられない状態になりました。妻は早くアシガバットの自宅に帰りたいというので、急遽友人の親戚にお願いして飛行機を変更してもらいました。これがなかなか大変で、そんなにたくさん便もないので、あれやこれや都合をつけてくれて頑張ってくれたに違いありません。なんとかその晩の飛行機のチケットを手にいれ、飛行機に乗りました。もともと飛行機が苦手な妻は、体調が悪いのもプラスされて気分は最悪。本当の地獄とはまさにこのことかという気持ちでした(私も)。フライトアテンダントのお兄さんにお願いして、隣の席の男性にはどこかへ行ってもらい、私も移動し、椅子に寝れる状態を作りました。妻はロシア語もトルクメン語もできないと言っているのにしきりに何の薬を飲むか直接妻に聞こうとするのですが、妻は分からない薬は飲まないと言って断ります。しかも何度もしつこく聞いてくるので、本当にカオスでした。そしてなんと家に帰ると私も同じような発熱を伴った腹痛に見舞われ、二人して40℃近い熱でうなりながら夜を明かしました。おそらく細菌性の腸炎だったのでしょう。住めば都と言いますが、やはりうちが一番だと感じた一幕でした。

【ケース5】まさかのプロペラ機

こちらはクロアチアの国内を移動したときのお話。チケットを発券して、ん?と思いました。よく見るとシート(seat)のところにフリー(free)と書いてあります。チェックインカウンターのお姉さんのところに戻り、フリーってどういう意味?って聞くと、「フリーはフリーよ」と要領を得ない回答をします。

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飛行機乗り場に通されると唖然としました。プロペラ機だ!私は初めての体験だったので喜んでいました。妻によるとジブリの舞台のクロアチアでプロペラ機なんてまるで紅の豚のようだとのこと。

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機内に乗ってみるとフリーの意味が分かりました。全部で10席程しかなく乗客も5,6人でした。つまりは、勝手にしてくれということです。座った席からコックピットが見え、フライトアテンダントは肉声でアナウンスをする、そんな機内。

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でも離陸すると地獄は始まりました。まずは揺れがずっと激しいこと。妻はこれにやられていました。その横でプロペラ機を楽しむ私がきっと憎かったに違いありません。高度が安定するまでエアコンが付かず、これも妻を苦しめていた要因の一つでした。そして彼女をずっと扇ぐ私の右腕も悲鳴をあげていました。

今回の扉絵の写真はプロペラ機から見たドゥブロヴニクの写真です。景色だけが私を癒してくれました。

【ケース6】緊急着陸

今回最後となりますエピソードは、「妻の不時着」のタイトルにもなった緊急着陸のエピソードです。トルコ航空でイスタンブールからクロアチアのドゥブロヴニクに行く際に、天候不良で見舞われました。途中で機内アナウンスが流れます。「当機は天候不良のため、スコピエ(マケドニア)に緊急着陸をします。」えー。英語のアナウンスだったのでまだ妻は理解していません。なんて言ったの?と私に聞いてくるので、私の脳内のスーパー・ミニ・コンピューターは即座に計算を始めます。心配性な妻に本当のことを言ってしまってもいいのか。結局嘘をついても良いことにはならないのは教訓的にわかっていますので、しぶしぶ内容を伝えます。それから数時間、なかなかスコピエに着いたというアナウンスはありません。だんだん心配になる妻。なるようにしからならないと思う私。またしばらくするとなんとスコピエではなくイタリアのバーリというところに緊急着陸したというアナウンス。とりあえず陸地についてよかったと私が思っていると、妻は外に出たいと言い出します。燃油のチャージが目的の着陸では乗客を外には出さないだろうと予想していた私に対し、妻は着陸すれば外に出られると思っていたようで、ウォーキングデッドのように外をめがけて歩き出します。さすがにそれは無理だと判断した私は飲み物を与えてなだめました。結局目的地には5時間か6時間遅れて到着しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これらの災難は妻が私と一緒に外国に出ていたほんの1年半程の間に起こった出来事です。飛行機に乗るたびに何か起こっていた気がします。私の対応が上手くいったこともあり、妻はまだ金輪際飛行機に乗らないとは言っていません。今後は飛行機の災難に合わないことを切に願うばかりです。