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【2023年最新版】メキシコ旅行レポート

メキシコ旅行に行ってきた。そこで感じたのは「ネット情報と違うことが多すぎる!」だった。事前にネットで入念に調べたものの、実際に行ってみると全然違うのだ。国内旅行でも怪しい観光情報があるわけで、ましてや海外で人気が微妙なメキシコとなれば、なおのことである。

というわけで、事前に調べたネット情報と現地の違いについてまとめてみる。なお、本情報は2023年2023年9月14〜18日において、メキシコシティと周辺都市(テオティワカン・プエブラ)における内容となる。金額は1ペソ8円、1ドル145円で計算している。

誤:入国カードを記入 → 正:不要

記入不要だった。機内で入国カードが配られず空港でもカードが無くて焦ったが、2022年12月から不要になっていた。実際には入国審査官に「入国目的(観光)」「滞在日数」「帰りの航空機チケット」「ホテルの予約」を説明すれば入国できた。もちろん出国時に入国カードの半券を渡す必要もない。ハワイで強制送還された"自称"インフルエンサーのように職業を詐称しなければ問題ないだろう。

誤:スマホのネットは現地のSIMが便利 → 正:eSIMも良い

eSIMも便利だった。こちらはSIMカードの入れ替えが不要で、日本で契約して現地で設定変更するだけで済む。Airaloでは通信料1GBで7ドル(1015円)なので、YouTubeやInstagramを使いすぎなければ問題ない。他の方法としては海外ローミングのオプション契約やWi-Fiルータのレンタルもあるが、高いし面倒なのでSIMフリーかつeSIM対応なら、こちらがオススメ。ちなみに現地のSIMは通信料2GBで210ペソ(1,680円)でした。

誤:両替は空港のATMでキャッシング → 正:レートは微妙

空港は両替所ばかりでATMはほとんどなく、なぜかVASAカードではキャッシングができなかった。別のATMを探してなんとかキャッシングできたものの、妙にレートが悪いので迷いながら計算して写真を撮っていたら、カードを取り忘れた。現地到着から2時間でクレジットカードを無くす大失態である。帰国してから確認したらレートが微妙だったので、日本でドルを買って現地でペソに変える方が楽な気がする。どっち正解なのか?

2023年9月14日時点のATMキャッシングは1ペソ=10円+手数料(為替レートは8.6円)

誤:空港タクシーは安全 → 正:ボラれた

1人なのにロケバスのようなデカい車を手配されて、600ペソ(4,800円)取られた。運転手はBreakingDownに出てくるようなゴツい&タトゥー&脊髄反射なヤツで、首から上は明らかに飾りでなので信号待ちでTiktok見てる始末。さらに車内は英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・中国語・日本語で「チップありがとうございます」の張り紙が2枚あり、威圧感に屈して20ペソ(160円)を払ったのは屈辱でしかない。その後メキシコ滞在中では一切タクシーを利用せず、すべてUberを貫き通したのは言うまでもない。

出口の目の前にあるCASASEYタクシーはやめろ

誤:市場や屋台グルメがオススメ → 正:夜になるとやってない

飲食店が閉まるのは意外と早く、20時を過ぎるバーや居酒屋しかない(場所にもよるがホテル周辺のローマ地区はそうだった)。ウェイ系の人なら問題ないが、筆者のような陰キャ・一人・コミュ障は日本でもこの手の店には入れないし、ましてや言葉の通じない外国である。ホテルでUberEatsを頼もうとしたが、たまたま空いてた小さいタコス屋に救われた。別の場所(アレナ・メヒコ周辺)なら夜でも屋台はあるのだが、治安が悪いので難しいところ。

誤:治安が悪い → 正:交通事情はもっと悪い

治安よりも交通マナーが悪い。車社会なので歩行者には人権がなく、信号は無視するわ、クラクション鳴らしまくり、タクシーは車線変更しまくりで事故りそうになるので、気が休まる暇がない。さらに車尊人卑なので、歩行者用の信号が少なく、「轢かれたら歩行者が悪い」という始末である。なので道路を横断するには、十分な注意しよう。道路もデコボコで穴が多いので、捻挫にも注意して欲しい。下手すると夜の治安よりも、昼の交通事情の方が危険なほどである。また、メキシコには自転車レンタルの「ecobici(エコビシ)」が便利そうに見えるが、交通事情を考慮すると厳しすぎるのが残念。

道路は凸凹で前日の雨が残るので注意

誤:地下鉄は治安が悪い → 正:治安以外が悪い

メキシコシティは地下鉄が発達しており、感覚的には大阪の地下鉄ぐらいである。料金が安く(どこまで乗り降りしても1回40円)本数も多いので便利だが、治安というか雰囲気が全体的によろしくない(安全上は問題ないが)。

朝夕のラッシュ時はスリがいるらしくこの時間帯は乗ってません

さらに列車が止まる前にドアが開き、急停車で倒れそうになり、終点前で強制的に降ろされた(独立記念日の前後なので規制だったかもしれない)。とはいえ便利なので、朝夕の混雑時間帯でスリに注意しながら活用したい。

誤:ゲリラ豪雨が降る → 正:さらに天気予報がアテにならない

メキシコには雨季と乾季があり、5月~10月は雨季となる。雨季では日中に晴れていても、夕方に雨が降ることが多い。しかも天気予報が全然当たらないので、朝方に豪雨だったり、予報が外れて曇るだけだったりするので、予定を立てるのが難しい。雨は数時間で止むものの、雨の強さ、衣類や靴の洗濯、道路事情などを考えると屋内にいる方が良いので注意したい。

誤:オタクビルがある → 正:想像以上に秋葉原だった

中心部にある宮殿から徒歩10分ぐらいのある「フリキプラザ(通称:アキバ ビル)」は、地上5階地下1階がまるごと秋葉原だった。アニメ、漫画、ゲーム、コスプレ、スマホ、デジタルガジェット、カードゲーム、フィギュア、カードゲームの対戦スペース、VRゲーム、メイド喫茶、ゲームセンター(音ゲーが人気)と、オタクが詰まっていた。フードコートにはラーメンやおにぎりもあり、日本と微妙に違う感じが面白い。そしてSPY×FAMILYのドヤ顔アーニャはメキシコにも届いていた。

ドヤ顔アーニャは世界の共通語

誤:メキシコはフルーツ天国 → 正:ただし甘くはない

高級レストラン、庶民派の食堂、屋台などを問わず、どこでもフルーツが食べられる。とはいえ「食べられる」であって「甘い」ではない。意外とあっさりした味なので、日本の甘い果物をイメージすると期待外れになる。フルーツジュースの屋台でも砂糖を入れて丁度よい甘さだったので、むしろ日本の果物が品種改良を繰り返して甘さを増した例外なのだろう。

誤:食事が安い → 正:店による

海外旅行で言われる「外食が安い」だが、今や日本の円安で外国のインフレが重なって、そこまで安くない。感覚的には「屋台=少し安い」「チェーン店=日本と同じ」「レストラン=それなりの値段」といったところ。むしろ注意すべきは値段よりも注文である。屋台や食堂はメニューが壁に貼ってあるだけなので、写真が無いのでわからないし、Googleレンズで翻訳もできない。注文してもトッピングについて聞かれるが、やはりスペイン語なので身振り手振りでとカタコトで何とかするしかない。「おまかせ」とか「オススメ」は通用しないので、ハッキリと注文しなければいけない。

誤:カメラはスマホがあれば良い → 正:デジカメも持参

写真撮影はスマホだけでも問題ないが、デジカメがあると便利。というより、建物や風景はズームが無いと厳しい。スマホ高級機種でも光学ズームが5倍、発売直後のiPhone15でも4倍 / 最大10倍なので、少し前のスマホではどうしても物足りない写真になってしまう。また、スマホは地図や翻訳でバッテリーが減りやすいのでデジカメと併用すると安心。SNSにアップしたい写真だけスマホで撮影すれば良いし、デジカメで撮影した写真もスマアプリで共有できる(はずだがアプリの評価が悪すぎて試す気が起きない)。

ズーム(光学12倍)があると何かと便利

実際に体験したトラブルと解決

事前にネットで下調べを重ねたものの、実際に行ってみると違っていることも多い。とかく海外旅行は予期せぬトラブルも多いので、知識を増やしておくに越した事はない。実際に体験したトラブルは

・遺跡行きのバスで降りる場所を間違える
・クレジットカードを無くす
・スマホでネットが使えない(eSIMの通信料が上限に達するがクレジットカードを無くしたので追加購入できない)

だったが、解決策としては

・Googleマップを使って遺跡まで徒歩で移動(迷って1時間かかった)
・クレジットカードのスマホアプリから利用停止(たまたま入れてた)
・eSIMを現地のSIM(メキシコでは「チップ」と呼ばれる)に差し替え

で対処した。事前に準備しなければ対応できなかったし、SIMにおいては現地の店や通信キャリアを把握しておき、スマホでの設定がわかるので対応できたものだ。仮にスマホを無くしても予備があるので対処できるが、ホテルに戻るまでは大変だったろう。とにかくトラブルにおける予測と予防を怠ってはいけないと痛感した。

ネット情報と完全に一致したもの

なお、ネット情報と完全に一致したのは「航空券はエクスペディアで予約するな」だった。たまたま格闘家の平本蓮選手にトラブルがあって調べてみたら、なぜか予約した航空券が姓名が逆に登録されていた。修正依頼を出すと「こちらにミスはない」と開き直り、「罰金の150ドル払え」と脅され、「直すと言ったが直ってない」のまま2週間が過ぎて、3回目の連絡でやっと修正された。皆様も海外旅行に行くときはエクスペディア以外の予約サイトか、航空会社に直接予約しましょう。

そして実際に現地に行った感想は以下となる。

・高額紙幣(500ペソ以上)は使えない場面が多い(屋台や小さな飲食店や博物館の入場料では断られる)
・テオティワカン遺跡のピラミッドは登れない
・スマホの熱暴走が起こりやすい(気温が高く日差しが強いため)
・日曜日は施設の入場料が無料になるがメキシコ人のみ
・屋台やパン屋は美味しいが衛生面が問題(ハエがたかっている)
・ホテルのコンセントは変換不要だが緩いので抜けやすい
・警官と軍人がやたら多い(独立記念日の前後のため?)
・コンビニは多いが品揃えは偏っている(炭酸飲料とスナック菓子が中心)
・高山病には一応注意(事前に薬を服用して問題なかったが、副作用で飛行機では4回トイレに行った)
・一見治安は良さそうで実は悪い

行方不明者を探す張り紙
ATMの前には武装した警備員

・野良犬が多くてデカい(特にテオティワカン周辺)
・チップ(プロピーナ)は少額紙幣で渡す(20ペソ札など・硬貨は不可)
・日差しが強いので日焼け対策は必須
・空気が乾燥しすぎなのでリップクリームも必須
・カフェの飲み物に香辛料が入っている
・スマホが充電できる場所は限られる(スタバぐらい?)
・Uberが安いので移動はとにかくUber(タクシーはボラれるから使うな)
・長距離の移動はバスが安いが発車時間を守らないので注意
・バスの乗り場は案内が無いので係員や地元民に確認する(遺跡からメキシコシティ行のバス乗り場は「ただの道」だった)
・道路がデコボコなのでバスとタクシーは花やしきのジェットコースター並みに揺れる
・落書きが多すぎる
・中国人街がある
・トイレは有料かつ少ない(地下鉄にトイレがないので注意)
・日常会話レベルのスペイン語を勉強しておく(相手がGoogle翻訳を使わない相手もいる)
・英語が通じる場面は少ない(ホテルと空港と高級レストランぐらい)

結局のところ「困ったら地元の人に聞け」である。旅行中に戸惑う場面は多々あったが、必ず周囲の人がさりげなく助けてくれた。メキシコ人は親切&エレガントなのだ。警察官ですら無料と勘違いして宮殿に入ろうとした私に対して「プレジデンテ(大統領)は、どの国から来ましたか?」と声をかけるほどである。

まとめ:メキシコ旅行ってオススメ?

誰かが「外国への旅行は、違いを楽しむことである」と言っていたが、まさにその通りである。そもそも日本より快適で安全に安く楽しめる場所は、地球上のどこにもない。ディズニーランドかユニバーサル・スタジオ・ジャパンかイオンモールに行けば済むのである。しかし現地にしか無い、現地に行かないと体験できないものはたくさんある。旅行中に上野の国立博物館で「メキシコ展」が開催されており、メキシコにある人類学博物館の収蔵物が移動していたが、実際にはこんな感じだった。

実際に見ると思った以上にデカい

2階建ての一軒家ぐらいの大きさなので、こんなものは運べない。見たければ現地に行くしかないし、現地でしか体験できない。

眼前に出現した時点で声が出るほどデカい

遺跡も同じで、現地でピラミッドが視界に入った瞬間に「デケェ!スゲェ!マジパネェ!」と偏差値は30に下がり、語彙力がマイナスになるほどの衝撃がある。視覚だけでなく、世界遺産とユネスコによる権威によって意識まで圧倒される。もちろんYoutubeやVRでも世界遺産を楽しめるが、現地に行くともっと楽しい。

メキシコは国土が日本の約5倍と広く、観光地も多い。メキシコシティと周辺都市には、遺跡、建築物(宮殿や教会)、音楽や舞踊などの文化的な見どころが山ほどある。Twitterが好きな文化系の人なら、とても楽しめるだろう。対してInstagramが好きなウェイウェイしてるパリピな方々は、ビーチリゾートのカンクンに行けば、映える(頭の悪そうな)写真がたくさん撮れるだろう。そしてプロレスファンなら「アレナ・メヒコ」でルチャ・リブレを観戦後、ファミレスで食事をしながら話し込むという制御不能な過ごし方が楽しめる。ちなみに筆者はファミレスはもちろん、クネクネする人が「世界一美味しい」と評した屋台のハンバーガーとサブウェイも利用した。他人から見ると疑問に感じるが、プロレスファン的にはこれが正しい作法であり、心の底から満足している。

「円安だから」「休みが取れないから」「一緒に行く人が居ないから」「海外は不安だから」と、言い訳するのも良い。でも自分はまたメキシコに行きたいし、メキシコ以外にも行きたくなった。人間やろうと思えば一人でメキシコに行けるという自信も付くので、何事もやって見るものだなと思いました。

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