僕とルークとミアと、マーケットに行った話し①

コベントガーデン駅の斜め前に、今人気のハンナおばさんのスウィーツショップがある。
ピンクの窓枠のガラス一面、びっしり並べられた色とりどりのグミやキャンディ、マシュマロやチョコレート達が、まだ開店前だと言うのに甘い香りでそわそわさせてくる。
駅前の通りにはホットドッグのキッチンカートがやって来た。
ボイルし始めたソーセージの匂いに、僕の相棒もそわそわ。
朝8時の待ち合わせ。

「ヘンリー!おはよ!待った?」

「おはようミア!さっき来たばかりだよ。
ルークは美味しい匂いにそわそわしちゃってる!」

ヘンリーは僕。
相棒は犬のルーク。
ミアは僕の友達で、小さな鼻と黒い髪がキュートな女の子なんだ。
ママの誕生日にキャンドルをプレゼントしようかなって、学校で話していたら、ミアがコベントガーデンにとってもきれいな植物のガラス瓶や、お花のキャンドルなんかが売っているお店を知ってるって言うから、今からそこへ行く予定。
 
「ねえ、ミアはコベントには時々来るの?」

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