僕とルークとミアと、マーケットに行った話し④

「ごめんなさい!外に繋いできます!」

「あー、いいよ、名前は?」

今にも自分で名前を言うんじゃないか、位に前のめりなルークは、頭を撫でてもらうとちぎれんばかりにしっぽをぐるんぐるん振った。

「ルークか。よろしくルーク。うちにはハナって日本の犬がいるよ。」

カーテンをくぐって裏の部屋に行くと、沢山のドライフラワー、キャンドル、何かの実験みたいなガラス容器、小さな秘密基地みたいに色んな道具に溢れていた。

「こっちだよ」

その秘密基地みたいな部屋を通り抜けて裏口を出ると、テラスになっていて、木の小さい椅子が四脚あった。

「あー!キラキラしてるね!」

ミアが指差す方を見ると、テムズ川がビルの間からキラキラ光って見えた。

「何年か前はね、ビルも少なくて川がよく見えたんだけどね。それでもここは特等席だよ。」

ヒューゴさんがカップにホットチョコレートを入れて持ってきた。

まだまだ肌寒い5月、温かいホットチョコレートは、冷えた鼻の頭も湯気でホカホカする。

「それで、ママにはどんなキャンドルをプレゼントしたいのかな?」

「ママはグリーンとグレーピンクが好きなんだ。キッチンはグリーン、バスルームは黄色、ママたちの部屋はライラック色とグレーピンクです。僕の部屋は天井が宇宙になっているんだよ!」

「なるほど。お花の様な色が好きなのかな?他にママがお気に入りの物ってある?」

んー。なんだろう?

「ね!ヘンリー!ヘンリーのママ、金属アレルギーだからネックレスやピアスが出来ないって言ってなかった?」

「お!それなら革のネックレスがあるよ。チャームには木を使ったものや、雫ガラスの中にドライフラワーを入れたものも作れるよ」

わわわ!話がどんどん膨らむ! 
持ってきたおこづかいで足りるのかな?

「今日君はどのくらいの予算にしているのかな?ヘンリー」

「£30です。。。足りないかな。。。」

「それだけあれば足りるよ。ネックレスは自分で作れば£8だ。キャンドルは出来上がっているものだと安くても£45だけど、キャンドルも自分で作れば£18だ。どうしようか?」

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