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言語オタ2人が行くジャーマンましロード、蛇足

1 はじめに


「言語オタ2人が行くジャーマンましロード、蛇足」へようこそ。今回は、通称オタくんと2人で出かけたドイツ旅行のときに感じた、ドイツの鉄道の面白かったことを中心に、前回までの2章で書き切れなかったことを記す。旅行を終えてからかなり時が経っているが、思い出はしっかり消えずに残っている。


2 ドイツランドチケット


まず紹介したいのは、今回のドイツ旅行で大活躍した、ドイツで安価に鉄道旅ができるチケットだ。名前はドイツランドチケット(Deutschland-Ticket)。「ランド」とはドイツ語で国という意味で、けっしてディズニーランドなどと同じ意味ではない(笑)。ウェブサイトはこちら。


https://www.bahn.com/en/offers/regional/deutschlandticket


こちらのチケットは、ドイツ国内の鉄道を49ユーロ(日本円で約7000円)で乗り放題というものだ。ただし、日本でいう特急列車でこのチケットを使うことはできない。ドイツには、ICEという、アイスのような名前の特急列車があちらこちらに走っており、この列車を使えば長距離を早く移動できるのだが、今回はいわゆる鈍行だけを使用して、約7000円でドイツの南東部を中心に旅した。また、もう一つ注意点として、購入手続きが少しややこしいらしく、特に外国人がそのチケットを購入するにはいろいろとコツがいるらしいので、下調べをしたり、ドイツの方に手伝ってもらったりすると良いかも知れない。いずれにせよ、ドイツの鉄道を安く楽しみたい方にはおすすめだ。


3 ドイツの鉄道とバリアフリー


ドイツの鉄道を、バリアフリーという観点から考えると、2つ気づいたことがある。


1つは、電車とホームの間がかなり空いていることだ。日本でよく、「電車とホームの間が広く空いているところがあります」なんて放送が流れていることがあれば、あれの比にならないぐらい空いているので、知らないで乗り込もうとするとおそらく大変なことになる。加えて、日本の電車と違い、いったんステップを降りてからまた上がって席に座る必要がある。おそらく肢体不自由の方のアシスタントなどは行ってくれるはずだが、いずれにしてもかなり乗降時は気をつけなくてはならない。


もう一つは駅に関して、特に大きな駅には、なんと日本で言うところの点字ブロックが敷設されているのだ。日本とかなり似ていて、ライン上にブロックが敷設されているので、その上を歩けば安全だ。ただ、ホームには付いていないことが多く、また改札の仕組みも日本とは違うので、改札まで続いていることはない。大きな町中にはしっかり敷設されていることが多かったので、イングランドに比べて安心して歩くことができた。


その他、ドイツの電車は、割と車内放送がしっかり付いているので、その点も安心して利用できることの1つだろう。


4 ドイツの鉄道は遅刻が当たり前


よく、日本の電車は世界でまれに見るほど時刻表に正確だと言われているが、ドイツはその逆で、遅れることが普通だ。英国の場合、真しろが住んでいる街を走る電車はほとんど遅れたことがないので、あまり感じたことはなかったが、ドイツに来て、日本がどれだけ恵まれていて、弾丸鉄旅に向いているのか実感させられた。


ドイツの場合、1分や2分の遅刻はおろか、30分や1時間の遅刻もよくある。加えて、別の記事でもふれたが、運転手が来なくてそのダイヤがキャンセルになったり、ホームが変わってしまったりすることもある。実際真しろたちはそれに遭遇し、かなり目的地への到着が遅れてしまうことになった。


日本では、よく真しろのように、弾丸鉄旅を企画して、タイトなスケジュールで電車を乗りまくる鉄道好きがいるが、ドイツでそれをやろうとすると本当につむので、ドイツで鉄道旅をする際は余裕を持って旅の行程を組むことをおすすめする。ちなみに、一緒に回った英国在住のオタくんの話では、英国北部の電車はよく遅れるらしいので、この辺りを旅する場合もドイツと同じぐらい注意する必要があるだろう。


5 ドイツの電車内はうるさい?


これもドイツに限った話ではないが、特にドイツの電車の中は本当にうるさい。人の話し声が大きいだけならまだ良いが、スマホを携帯スピーカーにつないで大音量で音楽を流す人や、挙げ句の果てにそれに合わせて集団で歌う人たちもいる。よくサッカーの試合などはそういう人たちがたくさんいるらしい。


電車をゆっくり楽しみたい鉄道好きはもちろんのこと、うるさいのが苦手な人は、耳栓を持参することをおすすめする。この点でも日本は恵まれているのかもしれない。


6 ドイツの面白くて素敵な循環社会


最後に、電車とは直接関係ないが、ドイツの面白くて素敵な循環社会について書いておく。


ドイツでは、ペットボトルなど、リサイクルできそうな容器をお店に持っていくと、いくらかお金をバックしてくれる制度がある。それを利用して、最近ホームレスの人や生活に困窮している人が、駅や車内、路上に落ちているペットボトルを集めてそれをスーパーに持って行き、お金をもらっているらしい。こうすることで、生活困窮者の財布は少し潤い、街はきれいになる。大変面白くて素敵な制度だ。まさに、SDGsを実感できる循環社会だろう。ここに詳しいことが書いてありそうなので併せて読んでいただくと良い。


https://organic-press.com/column/kohgi_column_vol34/



7 おわりに


これで、完全にジャーマンましロードの企画も終了となった。また次の記事をお楽しみに。


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!

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