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ボローニャ旅行記1日目~五感で楽しむ街探検

1 はじめに


2023年4月27日から30日にかけて、真しろは、自分への25歳の誕生日プレゼントという名目で、イタリアのボローニャへ旅行した。だがこの旅行、ただの旅行ではない! 英国の、視覚障害者に特化した旅行代理店の企画してくれたツアー旅行なのである。いったいどんなところへ行って、どんなことを感じ、どんなサポートを受けられたのか?


今回の記事から4回にわたり、この旅行について振り返っていきたい。第1回目の今回は、このツアーに参加しようと思ったきっかけと1日目のことについて記しておきたい。バリアフリーな旅行や、そもそもイタリアに関心がある方を中心に、楽しんで読んでいただければ幸いである。


2 きっかけと参加手順


今回真しろが参加したのは、Seable Holidaysという、英国の視覚障害者に特化した旅行代理店の企画した旅行である。ウェブサイトはこちらから。


http://seable.co.uk


友人を作る目的で、RNIB(the Royal National Institute of Blind)のフェイスブックグループに参加していたところ、2月頃にこのツアー旅行の募集が投稿されていたため、「行ってみたい」ぐらいの軽い気持ちで申し込んだ。


まずは投稿に記載されていたフォームのリンクにアクセスし、カタログ(無料)を注文した。すると、メールでワードファイルのカタログが届いたのでそちらを読み、改めて自分が参加したいツアーの詳細や値段を確認して、参加したいと思ったら、電話で参加したいと連絡する。すると、担当の方にいくつか質問されるのでそれに答える。電話が終わったら、メールなどを使って支払い手続きなどが行われ、ツアーの1ヶ月前ぐらいには、旅程と持ち物が記載されたワードファイルが送られてくる。飛行機やホテルは全て代理店が予約してくれているので、こちらが自分で行ったのは、旅行保険の加入だけである。ちなみに、留学生が加入できる旅行保険は少ないので、その点は少し下調べしておいたほうがよさそうだった。真しろが利用した旅行保険はこちら。


https://www.holidayextras.com/


代理店の方は、どんなに些細な質問でも丁寧に回答してくださり、手続きに関しては全くノンストレスで行うことができた。


3 出発


さて、旅行前の話はこれぐらいにして、そろそろ旅行本編について書いていきたい。とはいえまずは、空港に向かわなければならない。


真しろが今回利用したのは、ロンドンにあるStansted Airportである。ロンドンには大きな空港が3つあるが、この空港は一番小さい。ただ、ヨーロッパにイングランドから旅行するなら大変便利な空港らしい。ちなみに日本人はあんまり見かけないとグランドスタッフの方はおっしゃっていた。


4月27日の3時45分に空港に集合するように伝えられていたので、近くのホテルを取るか迷ったが、あまりにも中途半端な時間だったので、夜に修行場(大学)を出て、真夜中に空港へ到着した。空港では3時間近く待つことになったが、真夜中の空港を観察するのも悪くなかった。


空港では、誘導案内を利用した。この誘導案内のサービスは予約が必要なのだが、それも代理店が行ってくれていたので、メールで送られてきた予約の証明書を見せて、誘導してもらった。


英国時間6時半ごろに飛行機はロンドンを出発し、イタリア時間9時半頃に、イタリアの北部、ボローニャ空港へ到着した。イタリアはロンドンから見てマイナス1時間の時差なので、フライト時間は2時間程度。東京から沖縄よりも早く外国に行けてしまうのはやはり驚きである。ちなみに、前の晩は一睡もしていないので、飛行機で爆睡した。


4 ボローニャ到着


ボローニャ空港にもすでに誘導案内の職員さんが待機してくれていて、到着ロビーまで案内してくれた。なお、他の参加者とおぼしき人たちも一緒に誘導されていたようだったが、そのときは非常に眠かったのと、誰が誰だか分らなかったので気づかなかった。


到着ロビーには、このツアーで、大変お世話になった2名のガイドさんが待っていてくれた。外に出てみると、イングランドとは比べものにならないまぶしい日差しに驚く。気温の高さはもちろん、気候そのものの違いを早速感じた。

ガイドさんに連れられて、まずは車でホテルへ向かった。ホテルはツインルームで、そこで1時間ほど休憩してからまずはランチに向かった。今回のランチは最初ということで、パンとコーヒーを小さなカフェでいただいた。とはいえ、イタリアはパンもコーヒーも最高においしいので、軽いランチと言ってもあなどれない。


ここで、今回のツアーの状況とボローニャの街について書ける範囲で記す。今回のツアーには4人の方が参加していて、視力の程度はさまざまだが、全員視覚障害がある。また、真しろ以外は全員イギリスに長い間住んでいて、この旅行代理店のツアーに何度もも参加している人もいた。ガイドの方は先ほども書いたように2名なので、1人のガイドが2人を誘導する形が基本だった。お2方ともイタリア語と英語が話せるので安心だ。


ボローニャはイタリアの比較的北側にあり、ボローニャ大学とかボローニャソーセージ(ハムのようなソーセージ)、そしてなんといってもスパゲッティーボロネーズなどが有名である。ローマやシチリア島、フィレンツェ、ベネチアに比べれば日本での認知度は低いかもしれないが、立派な観光都市である。


5 街探検


さて、今日のメインは街探検である。まず最初から驚かされたのだが、ランチの途中に、ガイドさんから、なんと触地図をいただいてしまった。おそらく立体コピーで作られていて、ボローニャの街の有名な場所が描かれていた。教会の階段は階段っぽい手触りになっていたり、有名な銅像は丸で表示されていたり、でこぼこの道はでこぼこの点で表示されていたり、非常にわかりやすい地図だった。さわれる地図をいただけるだけでもうれしいのに、こんなに分りやすい地図をいただけるとは感動であった。


この地図を手にして、早速街探検へ出かけた。街探検中、ガイドさんは懇切丁寧に説明してくれただけでなく、「歩いていて気づいたことはない?」とか、「なんで昔この街は栄えたと思う?」というように質問もしてくれたので、考えながら歩くことができた。


発見したことは山ほどあったが、特に重要なこととして、ボローニャの街には、いたるところにトンネル(ポーチ)があり、それが街を象徴する物にもなっている。トンネルの中は歩いて通り抜けができるだけでなく、場所によっては商店街にもなっている。このトンネルは中世時代から存在していた物もあると言う。そして、このトンネルも含めて、多くの道が、ゆっくり歩かないと分らないほど緩やかなスロープ状になっている。この理由として、ボローニャは水の流れが大変重要な役割を果たしていて、スロープにすることで水の流れをよくしていたと言う。


ボローニャが中世に栄えていた理由はいくつかあるようだが、2つのことが特に重要だった。1つは、絹織物の生産と貿易が盛んで、特に中世時代はそれの中心都市になっていた。そしてもう1つは、世界史の教科書にも登場するが、11世紀にボローニャ大学が作られ、学問の中心になっただけでなく、大学の力が街の財力にも影響を与え、裕福な人が住むようになったからである。今でこそそんなに大きな街とは言えないが、むしろ、中世の活気を色濃く残した、歴史を感じられる街になっている。


街探検の中でゆっくり滞在したのは、ボローニャのタワーである。タワーは、98mと、そんなに高いわけではないが、中世時代からあるタワーなので、これも歴史を感じられる。てっぺんに立つと風を感じることができて、街の息づかいと言っても良いような印象を受けた。サムネールの画像はこのタワーからの物だ。


ボローニャのタワーからの眺め。

そしてもう1つ滞在したのは、San Petronio大聖堂だ。この大聖堂は、ヨーロッパの中でもかなり歴史的で昔からある大聖堂とされていて、入り口が大変広い。ここでオルガンを聞いたら美しい音色が聞こえるんだろうなと思いをはせながら大聖堂の入り口を歩いた。


街探検中は、いろいろな場所で街の建造物に触ったり、匂いを感じたり、ゆっくり歩いてみたり、五感で楽しめるための時間がふんだんに用意されていた。


6 夕食


夕食も、昔ながらのパブでいただいた。何が昔ながらかと言うと、このパブにはキッチンがなく、食べ物は自分たちで持ち寄らなければいけないのだ。お客さんたちは、自分で作った物や市場で買ってきた物を食べたり騒いだりゲームをしたりしていた。真しろたちも、ガイドさんが地元のパン屋さんで買ってきたというおつまみ(パン、ハム、チーズ)とワインをいただいた。また、ガイドさんの1人が誕生日だったので、ケーキも少しいただいた。その後はホテルへ帰り、泥のように眠ってしまった。


7 おわりに


1日目から盛りだくさんで、いろいろな意味でお腹いっぱいの始まりとなった今回のツアー。すでにかなり満足だが、これがあと3日続くことになる。さて、2日目はどんな旅が待っているのだろうか。


それでは今日はこの辺で。 Have a nice day!

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