奏心声音②

子鳥のさえずりで目が覚める休日
こんなに穏やかな朝は何ヶ月ぶりだろう

耳を澄ませば
歌うような子鳥の鳴き声
窓かから朝の光が差し込み
心地よい朝の訪れを教えてくれる

ふと横に目を向けると
いつもと変わらぬ少女の寝顔と
心地よいリズムを刻む寝息
なんて幸せなんだろう

いつものように少女の好きな目玉焼きと
シュガートーストを用意しながら
1人幸せを噛み締める

半熟の黄身を純白でふんわりとした白身が
「今日の卵焼きも最高な出来！」
トーストにはたっぷりのバターとシュガーをふりかけ
「できた！」

僕はそっと寝室に向かい
まだ夢の中で笑っている少女を起こす
頬を両の手で包み込み
朝の訪れを伝えると
ニッコリ微笑みながら
「おはよう」と目を覚ます

「今日はいい天気だ！散歩にでも行くかい？」
少女は黙っておきあがり
黙々と朝食をたいらげて微笑みながら
「空を見れば聞こえてくる
         ことり達が歌っているんだね。」

目に見えるものから少女は音を感じとり
心の中でそれを再生させる

「君にもちゃんと聞こえているんだね」

この素敵な朝を君に伝えることが出来て良かった
そして
僕の一日が始まる