見出し画像

人の話を聞けない原因。すぐに判断してしまう人の処方箋。

どちらが正しいか、どちらが間違ってるか、といった裁判のようなコミュニケーション。
相手を説得したり、相手にアドバイスしたり、マウント取りのコミュニケーション。

自分で思っているより、案外コミュニケーションで地雷を踏む人が多いです。

私もその一人でした。

コミュニケーション能力というのは、この地雷をいかに避けるかといった話を耳にすることが多いですが、私はそうは思いません。

本当にコミュニケーション能力が高い人は、そもそも戦場に立たたないのです。
(理由は後で述べています)

一般的によく話す人、よく喋る人をコミュニケーション能力が高いと思いがちですが、そんなことはありません。

よく話す人は、自分勝手な判断をする人が多いような気がします。

よく起こる例はこんな感じです。

『私、カレーが一番好きなの』

「私は、オムライスが一番好き」

『ええ?カレーの方が美味しいでしょ。オムライスが一番はないよ』

「そんなことない、カレーよりオムライスのほうが絶対美味しい!」

これは良好なコミュニケーションとは言えません。

『私、カレーが一番好きなの』

「私は、オムライスが一番好き」
→(相手から話を奪う行為)

『ええ?カレーの方が美味しいでしょ』
→(話をカレーに奪い返す)
→(相手はカレーが美味しくないとは言ってない)

「そんなことない、カレーよりオムライスのほうが絶対美味しい!」
→(話をオムライスに奪い返す)
→(相手はオムライスが美味しくないとは言ってない)

このようにコミュニケーションを阻害する行いをしています。
中でも問題を起こしやすいポイントは2つです。

①話の主導権を奪うこと。
②相手の意見を認めたら、自分の間違いを認めることになると思っていること。

とくに②の洗脳を受けている人が大半です。
私もこれに気づくまでコミュニケーションにとても苦労しました。

コミュニケーションの最も重要なポイントに、『判断しない』があります。

これは相手の言ったことに対して、肯定も否定もしないということです。

多くの人は相手の話に対して、良し悪しや善悪を判断する癖があります。

そのため、自分の意見を言うときも、当然のように相手は良し悪しを決めてくると考えてしまっています。
それにより、攻撃的な態度や防衛的な態度で臨むことが多くなります。

これは、自己肯定感や自尊心などに大きな影響を与えていて、この洗脳を解くことはとても大きなメリットがあります。


しかし、ここで勘違いしやすいのは、

肯定も否定もしない=無関心になること

と考える人がいますが、無関心はコミュニケーションそのものを避ける行為なので当てはまりません。

また、

話を聞くこと=肯定すること

と考える人もいますが、

相手の意見を認める=自分の間違いを認める

この洗脳を外さない限り、自分の意見と一致していることしか聞くことができません。

では、どうすればいいのでしょうか?


肯定も否定もせず関心をよせる方法

とても簡単な方法があります。

『そうなんですね』

のクッション言葉を入れます。

『私、カレーが一番好きなの』

そうなんですね

『そうなの、オムライスよりカレーの方が好きなの』

そうなんですね
→(ここでそんなことはない。オムライスの方が美味しい。と言いたくなってしまうが我慢)

『あなたどう?』

「私はオムライスが一番好きなの」
→(聞かれて初めて自分の話をする)

そうなんですね
→(なんで?カレーの方が美味しいでしょ!と言いたくなってしまうが我慢)

相手の意見に対して、そうなんですね。と言います。

肯定も否定もしないニュートラルな立ち位置をキープできるはずです。

あなたの意見はそうなのですね。
あなたはそう思っているのですね。

こんなスタンスで応答します。
自分の判断した意見は言わなくていいのです。

コミュニケーション力が高い人は話を多くする人ではありません。話を奪わずに、相手の話を続けられる人です。

自分の意見に対して相手は良し悪しの判断をしてくると、つい「言いたいことはそうじゃない」と自分の意見を付け加えたり、相手の誤解を解こうとしてしまいます。

しかし、これは相手の判断を判断する行為になってしまいます。
(ここが一番ムズかしい)

話を取られても、相手の意見に『そうですね』と返して相手にバトンを渡す許容ができるかどうか。

慣れるまではこの主導権を取られることがなかなか受け入れられません。

話す側も聞く側も、自分のことを分かってもらいたいし、理解してほしいと思い、自分が話たくなる誘惑に負けてしまいます。

しかし、これが出来るようになると、ありのままを受け入れる心が出来上がります。

判断しない人同士のコミュニケーションというのはお互いの意見に敬意を表している関係なのでとても素直になれます。

どんな意見を言っても否定されない安心感があります。安心感があれば肯定も必要としませんよね。

これが冒頭でいったそもそも戦場に立たない理由です。

そして、今回私が一番伝えたいメッセージは、

たった一人、
たった一人でも、
健全なコミュニケーションを行える相手が出来たら、他の人に対しても同じように行うことができるということです。

なぜかというと、素直な自分のままでいられる場所が見つかるからです。
もう飾る必要もなくなりますし、理解者がすでにいるので、他者に正当性を伝える必要もなくなるのです。

幸運にも私はそんな相手と出会えました。
私も誰かの理解者になるよう、対人コミュニケーションを心がけています。

ぜひ、相手の話を聞いたら『そうなんですね』を口癖にしてみてはいかがでしょうか?

判断癖を直すと、良好な人間関係をたくさん結ぶことができるようになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?