仕事を引き受けてから、誰かに任せるまでのステップ。
1、言われたことを出来る限りそのままメモる。
下手な意味づけや解釈を入れないこと。
あくまで作業の手順を覚えることに集中する。
2、メモを見ながら、1人でできるか頭の中でシミュレーションしてみる。
いわゆるイメージトレーニング。
3、シミュレーションの中で詰まる点があれば、質問する。
ボタンってどのボタン?
レバーってどれ?
〇〇って何?
指導者側は専門用語やキーワードを使ってしまいがちである。
このボタンのことだろう。
このレバーのことだろう。
〇〇は△△のことだろう。
と自分勝手な予測をしないこと。
知らないと思われるのが恥ずかしいと感じる人も一定数いるが、わかったフリはおすすめしない。
知らないことよりも、勘違いや早とちりをする方が評価は下がるからだ。
知らない、わかりません、教えてください、
と言えない人はこう伝えください。
確認させてもらっていいですか?
4、マニュアル(仮)を作る。
メモを清書して、仮のマニュアルを完成させる。
作業そのものは1人でできるようになる。
5、起こりうるトラブルの対応を質問する。
あらかじめ、予想できるトラブルを聞いておくのも良い。
もし〇〇が起きた場合どう対応したら良いですか?
操作ミスや伝達ミスからの復帰を教えてもらう。
ミス・エラーの対応をマニュアルに追加する。
6、ミスの許容範囲を抑えておく。
人間である限り、ミスは起こるもの。
ミスの許容範囲を抑えることも大切。
どこまでが自分で対応できて、
どこまでが自分では対応不可なのかを知っておく。
作業している中で、致命的なミスが起きやすいポイントに注意を割く必要がある。
ここまでくればトラブルにも対応できる人材になっている。
一人前といえる。
7、覚えた仕事の前後の流れを確認する。
ここから、作業ではなく仕事として捉えていくことになる。
自分の仕事は、
会社全体のどこを任されているのか。
何を任されているのか。
を知る。
自分が行っている前の人の仕事。
自分が行っている後の人の仕事を知る。
ここから任された仕事に自分なりの付加価値をつけていく。
8、後の人の負担を軽くするアイデアを考える。
最も簡単な付加価値は、
後の仕事の負担を軽くすること。
他の人ではなく、
あなたがやるからこそ、
後の仕事がラクになるというのは、
立派な付加価値である。
なので、
どうしたら後の仕事が簡単になるか、
負担が減るのかを考えてみる。
何も難しく考える必要はない。
提出する資料の向きを揃えたり、
番号を振ったり、
10枚ずつ束ねたり、
といった、ささいな思いやりである。
もし、
思いつかない場合は、
後の人に直接聞きにいくのが手っ取り早い。
もっとこうしてくらたら助かるのになぁ。
ってことありますか?
自分のマニュアルが完成する。
9、自分の仕事と前の人の負担のバランスを改めて再考する。
誰かの負担を軽くしようとすると、
自分の負担が増えることが多い。
ある程度は許容できても限界はくる。
自分の仕事に遅れが出てきたら元も子もない。
なので、今度は前の仕事の人と連携する必要がある。
自分がやった方が効率がよかったり、
前の人に任せた方が早かったりしないか?など。
ここで提案する内容は、
お互いにメリットがなければない。
そのため、
前の人の仕事を知る必要があるし、
その人の気持ちも理解しなければならない。
たぶんここが、
どんな仕事でも1番難しいポイントだと思う。
もし了承が得られたら、
マニュアルをバージョンアップさせる。
仲間と連携ができる人材になる。
10、会社のマニュアルへ進化させる。
新人などやったことない人にマニュアルを見ながらやってもらう。
目指すのは誰がみても理解できるマニュアルだ。
自分が理解できても、
他人が理解できないものは、
会社のマニュアルとしては使えない。
とくに前提知識がほとんどない新人の視点は非常に役に立つ。
今までのマニュアルの抜けや
わかりにくい点を抑えていく。
会社のマニュアルが完成する。
そして、他の誰かに任せることができる。
11、他の仕事へ移り、1に戻る。
※その他
言い方を変えれば、
はじめは自分が仕事を回し、その後は自分がいなくても回るようにしていくことである。
存在価値を提供した後は、
存在価値を他人に渡して、
自分の存在をなくしていく行動なのだ。
自分がいなければ回らない。
といった自尊心を満たしたい人には酷である。
だからそんな人は、自分にしか分からないマニュアル(ステップ6)で止めれば、あなたにだけ任せる仕事となるだろう。
いわゆる属人的な仕事にするのである。
そうすることで仕事にやりがいを持てるなら、
それも一つの選択肢だと私は思う。
今回紹介したのはあくまで誰かに渡すまでのステップである。
私個人の仕事論を押し付けるつもりはない。
もし今の仕事を誰かに任せて、他の仕事をしたいと考えている人は検討してみてほしい。
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