見出し画像

Jesus christ superstar 2019Barbican公演 【演出編 前編】

※ネタバレしかありません 
※当時のメモなどを見ながら思い出して書いていますが、記憶違いも多々あるかと思います。ご容赦ください。
※文中の「♪」以降は歌詞です。もちろん英語歌唱でしたが、書き手の英語力が低いため、劇団四季の歌詞で代用しています。ご了承ください。

Overture

幕が上がった時点では舞台上に演者はいません。バンドは舞台上に組んである鉄骨の2階部分奥にいます。舞台上の十字架にアコースティックギターが立てかけてあります。

舞台上にはスモークが炊かれていて、奥からスモークを払うような、両腕を左右に激しく動かすダンスをする女性群衆が1人出てきます。
音楽とともに同時に左右から群衆らが走って舞台上へ。フードを被ったジーザスがアコギをかつぐと輪になって手を繋ぎ彼を囲み跪きます。
Robert triporino演じるジーザスはひょろっとしていて年若いので、現代のどこにでも居そうな音楽好きの若者という感じがします。ユダはただ一人、十字架の奥から出てきて群衆とジーザスを離れてみています。

Heaven on their minds 

群衆の輪から外れたところにいるユダ。マイクを持って歌いだします。この演出はコンサートのようにマイクを持って歌ったり、スタンドマイクがあったりするシーンが多いです。ジーザスはいませんが、ほぼ一曲丸ごと2019年WestEndLIVEでパフォーマンスされた映像が公開されているのでご確認ください。群衆ダンスや衣装も公演本番と同じものです。

群衆のダンスですが、全編通して片目を隠すような振り付けをよくしています。盲目的にジーザスを信じていることを表しているように見えました。また、上記LIVEではジーザスがいませんが、本公演では間奏部分でジーザスが群衆に持ち上げられ、ふたりがお互いに向かって手を伸ばしても届かない、というエモい演出がありました。

♪生まれた街であなたは父と同じ大工をしてたら~で途中群衆が何かポーズを決めるんですが…(下記写真)何をモチーフにしているかよくわからず。

公演公式Twitterより

ダヴィンチの天地創造に似ているような気もするのですが。(2幕で明らかにダヴィンチの絵画をモチーフにした部分があるのでそのつながりがあるのでは?と。)
そのあとの群衆全員で肩をつかんで一列になるところも何かモチーフがありそうですね。

What's the buzz/Strange thing, mystifying

ダンスしながらジーザスに詰め寄る民衆たち。ジーザスの第一声、♪何故知りたい では圧で一人の群衆が吹き飛ばされるような演出も。この曲中Triporinoジーザスはとても生き生き、ニコニコとしていて、「まあそういうなよユダ~みんなを見てみなよ!こんなに熱狂してる!」というかのようにユダの肩を組んで、ダンスしている群衆のほうを指さすシーンまであります。(一方のAfonsoユダが苦虫をかみつぶしたような渋面をしていて笑いました)

Everything's alright

公演公式Twitterより

群衆のひとりが香油を壺から注ぎますが、液体ではなく金色の粉(金箔?)のようなものが注がれます。上記写真の右側にいる女性。この金紛を使った演出はこの後も何度か出てきます。

This Jesus Must Die

十字架上でカヤパ達司祭が杖をスタンドマイクのようにして歌い踊ります。これが照明効果もあって物凄くかっこいい!奇跡的に公開されている2018年シカゴ公演の動画をどうぞ。


カヤパ役のCavinの低音がまためちゃくちゃかっこいいです。本当にこの曲でも何回も見たいと思いました。ちなみに下手から見たほうがダンスがきれいに見えました。

Hosana

幸せそうな群衆たち。ジーザスもニコニコ。 
この時ジーザスは真っ白なロングカーデガンを着ています。ペテロがアコギを弾いて群衆の音頭をとっています。

群衆たちはシダの葉のような形の鉄琴?グロッケンシュピール?を手に持って、時々鳴らしたり、ジーザスを王様のように仰いでみたり。みんなで手を繋いでジーザスを囲んだりと楽しそう。

♪この様子じゃ暴動が起きるぞーと上手から見ているカヤパ達。下手では群衆が例の目隠しダンスを踊っていて、群衆の熱狂具合や無知を憂いているようにも見えました。

♪私が止めようとーでカヤパ達と対峙しますが、カヤパ達の衣装は真っ黒、ジーザスは真っ白で視覚的にも対照的です。

ホサナの最後のほうでユダとジーザスが和解するかのようなハグ。でもユダはしぶしぶといった表情。

ホサナ後(ほかの演出であまり見た事がないのですが、)ピラトがでてきます。
缶ビールを飲んで群衆とジーザスをせせら笑ったあと、空き缶を舞台上に放り投げて去っていきます。この時点ではピラトもカヤパ寄りの考えでジーザスを見てたということ?

SimonZealotes

ジーザスというヒーローに陶酔するように歌い上げるシモン。舞台上を縦横無尽に駆け巡りながら歌います。

Pilate’sDream

イントロ部分をジーザスがアコギで弾き語り、続いてペテロもアコギをもって伴奏します。2人から離れた場所でピラトはベースを弾き、スタンドマイクで歌いだします。

The Temple

アンサンブルのSimon HardwickのInstagramより

群衆の数名が黒やオレンジを基調とした衣装に変えて出てきます。手に持った光る十字架から金粉を振りまきながら歌い踊ります。舞台上からも金粉が降ってた?かもしれません。

I Don’t  know How to Love him

ライブのようにスタンドマイクで歌うマリア。この時舞台上にジーザスはいないので、自らの世界にこもって心のうちを歌い上げるようにも見えます。衣装も群衆とあまり変わり映えがなかったり、この演出はあまりマリアが目立たないような。

Damned For All Time/BloodMoney

ぎりぎりまでお金の入った宝箱に手を触れるのをためらうユダ。それでもカヤパに強引に手を入れさせられて、引き抜くと両手にべったりと銀の絵具のようなものがついています。物理的に「手が汚れる」演出。無音の中、ユダは信じられないようなものをみるように銀に染まった両手を凝視し、ふらふらと後ずさったところで一幕が終わります。

この公演のポスターやパンフレットは黒いタンクトップでマイクを持っている人の手が使われていますが、ユダの手ということですね。(多分2016年公演でユダをしている役者さんの手)JCSのポスターでユダが写っているのは珍しいように思います。