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育ててくれた故郷の為に考えた商品の開発秘話 その②

僕は高校までの学生時代を清水で過ごしたお話は先日書かせて頂きました。その後は大学、就職と東京で7年を過ごしました。大学時代は専らアルバイトを安旅行で全国に行き、飲んで、食べて、遊んで、ちょっと大学に行って(笑)、という生活を繰り返しておりました。

大学卒業後は★のビールを都内で3年間ほど売り歩いておりました。お酒屋さん、問屋さん、飲食店を回って他社よりも1ケースでも、1本でも、1滴でも多くビールを売ろうと必死で営業して回ったのを今でも覚えております。

その後静岡に戻って家業である飲食店に入社するのですが、やはり静岡と言ったらお茶割をみんな飲むわけです。お茶割は当時東京ではウーロン茶で割るのが普通で、緑茶で割るお店なんてほとんどありませんでした。しかし、静岡では緑茶で割ります。でも当店も含めて「粉茶」で焼酎を割っていました。そこに私は「本物感」「郷土愛」「地元意識」を感じず、ずっと何かが引っかかっていました。

そんなある日、営業をしながら静岡市の茶町というところを歩いていると、お茶を蒸したいい香りが漂ってくるわけです。それが5月頃だったと思います。

あ、これだ!

その時思いついたのです。静岡茶どころなのになぜ本物の茶葉を使ってお茶割を作らないんだろう?なぜ、5月の新茶の時期に新茶でお茶割を作らないんのだろう?なぜ、お茶割の焼酎を選べるのに、お茶を選べないんだろう?と気づくわけです。

そこで私はお茶の研究を始め(研究と言ってもたくさん飲んで調べるだけですが・・・)、静岡にはお茶の種類が沢山あることを知ります。また地域によって名前も全部違い、それぞれ価格も大きく違う。色も香りも全部違うんだと。これはもっと世の中に人に味わってもらうべきだろう!と強く思い、商品開発を始めました。

そこでお茶を選べるようにしました。更に当時は2003年。平成の大合併と言われ、静岡市と清水市が合併する年でしたので、選ぶ基準を清水のお茶と静岡のお茶、にしました。また裏目的で清水と静岡が昔は別々の市で合ったことを忘れないためにもこの2つの市のお茶を選んでもらおうと考え、お茶を選ぶので商品名は

「選茶割り」(登録商標)


茶割り

と名付けたのです。毎年初取引で最も高い値段をつける清水の「両河内(りょうごうち)茶」と家康公も嗜んだ最も歴史があるされる静岡の「本山(ほんやま)茶」を選んでもらう事にしたのです。

* この茶漉しは最後の口に入りそうな茶葉を濾してから飲むようにつけています。これもオサレです。

スタート段階ではグラスのみの販売でしたが、いつからかご宴席でもお客様がこの「選茶割り」をお求めになるようになり、ボトルでの提供を開始する事にしました。しかもボトルはフィルターインボトルで、茶葉が見えるようにして、本物をしっかり伝える商品に仕上げたのです。

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私の夢は古巣のビールメーカーには申し訳ないのですが、コロナ明け、いつか乾杯はこのボトルで注ぎつ注がれつをして、

「選茶割りで乾杯!」

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これが静岡の文化になれば、と強く願っております。

この商品は2つの大きな課題を解決できます。一つ目は、リーフ茶普及です。今はペットボトルのお茶が主流ですが、そのおかげで実際に急須でお茶を飲む人が減り、茶葉の需要が激減しております。この茶葉(リーフ茶)の文化を急須ではないですが、この選茶割りを提供することで、少しでもこの文化に触れて頂き、文化継承になると確信しております。

二つ目は利用している焼酎にこだわりがあります。この選茶割に使っている焼酎は静岡県産米を100%使用した米焼酎と決めております。お茶と米ったやっぱり合うんです。この焼酎を選ぶことで、県内のお米農家にも寄与することができるのです。

ここまでこだわると、ストーリーも含めて本当に美味しい商品になるのです。はっきり言って

「自信作」

です。コロナ明け、なすびグループ各店にて是非この美味しさを皆様にお楽しみ頂きたいと思います。

もちろん5月は「選茶割り」は中止して「新茶割り」でお楽しみください。

商品開発ストリーを残したくて・・・冬

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