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花を咲かせるには体力がいる

以前、自分の勤めていた花屋で多肉植物を買って育てていたことがある。お客さまからよく植物の育て方を聞かれるので、少しでも自分で育ててみようと思ったのだ。

多肉植物の管理は難しい。元気な状態だったら、ほぼ置物みたいに放置していても大丈夫だ。だけど様子を気にしておかなければいけない。葉が少しシワシワとしてきたら水やりが必要だ。頻度の調整も難しい。

分からないなりに調べながら育てていた多肉植物に、ある日つぼみができた。今まで置物のように規則正しく葉を並べていたその姿に少しずつ変化が起き始め、花芽はぐんぐん伸びて、自分の体を支えられないほどに成長した。

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そして咲ききると、株ごとぜんぶ枯れてしまった。

上司にその話をすると「花が咲くと体力を使うからね。弱っちゃったんだろうね」と言っていた。

そうかあ、花を咲かせるのは「体力がいる」のか、と初めて知った。

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仕事でも自分自身についてでも、成長したい・成功したいと思うときに「花を咲かせたい」というようなたとえを使うことがあると思う。あたりに生える雑草や、おうちに植えられた植物はいつも変わらず花を咲かせたり緑の葉っぱをキラキラさせたりしているように見える。だけど、実はすごく体力を使っていて、それが表に見えづらいだけなのかもしれない。

だから、もしもうまくいかないときは「今は花が咲かない方がいい時期かもしれない」と考えてもいいのではないかと思う。なんとか花を咲かすことができたとしても、わたしの多肉植物のように株ごとやられてしまうこともあるかもしれない。そうなったら大変だ。

誰もがきっと花咲くことを夢見るだろう。だけど、花を咲かせてなお元気でいられる体力があるのかどうか、見極めていけたらいいと思う。多肉植物を育てるときのように、重要なのは「常に観察しておく」というところなんだろう。

今、自分の心と体を少しでも観察してみる。足りないもの・多すぎるものはないか確かめる。

むやみに花を咲かせない。それも、生き方のひとつだと思う。

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