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人文社会系学部で学んでいた私が、現代美術に夢中になった理由。

note記事「本当に「人と交流する」ということ」を書くにあたって、本当はその記事の中に「瀬戸内国際芸術祭2016での作品巡りや芸術祭のコンセプトについて知ることで、現代美術に魅了されていったのだけど、その理由について真剣に考えてみたらこうだった。」っていう紹介(文章)を入れたかったんですけど、そうするととあまりにも内容がボリューミーで論点があっちこっち行ってしまうと思ったので(ただでさえ色々詰め込みすぎなのに。。。)、別記事にしてここに書き表したいと思います。

もしかしたら、現代美術だけではなくて普通に美術全体のことが当てはまるかもしれないですが。

*注:筆者は現代アートに夢中になったものの、体系的に美術について学んだことがないので、美術界隈の方が読むと色々用いている語彙や表現に不自然さ&気持ち悪さを感じるかもしれません。


理由①:そもそも、「美術と社会の強い繋がり」という点を認知していなかった。

芸術祭にどっぷり浸かるようになる前(芸術祭に関心を持つようになる前)は、そもそも美術と社会の関係について意識を向けたことすらなくて。芸術祭のコンセプトを知ったり芸術祭の作品を観るようになったりしたのをきっかけに、色々な作品の制作された背景について徐々に知るようになっていき、そこで「いかに現代美術の作品が社会的背景の影響を受けているか(もしくは、どんな社会的背景/事象をモチーフにしているのか)」という点を少しづつ認知するようになっていったんですね。

特に瀬戸内国際芸術祭の作品に関しては、展示する地域の風土、暮らし、歴史、民話、文化等々をモチーフにしているものや、作品が作られた時の社会的背景に強く影響されているものも多く、人文社会系の学問に関心があった私にとって、これらはとても興味深いことでした。(そして、少しずつ現代美術(の作品を見ること)に夢中になっていった、と。)


理由②:作品を通して、新しい世界が見える瞬間、新しいものの見かたや考え方を知った時が堪らなく好き。

この点は、個人的に「多様性」とか「異文化」と名のつく話題に興味があることや、好奇心旺盛で旅好きであることが影響しているのかな、とも思います。

ある作品を見て、それについて知っていくと、作品に影響を与えたものやモチーフとなったものに対するアーティストの方(その作品を作った方)の考え・捉え方を知ることができる。そういった物事の見方というのは私にとっては結構新鮮だったり、私自身がそれまで考えたこともなかったようなものだったりして、時には「ああ、こんな考え方の世界があったんだ。。。」とかなり驚くこともあります。こういう、「現代美術の作品を見ることを通して、色々な物事について自分の知らなかった新しい角度から見てみる&考えてみることを体験できる。」っていうのもまた、とても好きな点です。


理由③:マイノリティや一般的に見落とされているようなものへの意識が見られる

これは理由①、②をかけ合わせたようなものであり、また私が現代美術に興味を抱きはじめた前後で表象文化論の授業*を受講して、表象や表象研究に関心の矛先が少し向くようになったのも関係しているのかな?と若干思っています。

現代美術の作品(とか、瀬戸内国際芸術祭のようなアートプロジェクトの作品)に関しては、社会で起きていることや、様々な地域の地域特有のこと(民俗、歴史、文化、etc.)をヒントに、鑑賞者に問題意識を投げかける作品というのがしばしば見かけられると感じています。

特に、社会的にマイノリティな立場にあるものや、一般的に見落とされている(目を向けられていない)もの/問題への意識が作品に反映されている場合もあり、当然そういった作品を見ることで初めて気づくこと(問題、事象)も沢山ありますし、また理由②のように、既に自分が知っていることに関しても違った角度からの見方ができるようになったりして、こういう点も現代美術に関して興味深く感じる部分だと思っています。

*(イメージした)事象や経験が、何らかの手法(映画、美術作品、絵画、写真、文章、etc.)で表現や再現されたものを「表象」と言い、それらに関して体系的に学ぶもの。



さて、今回はさらっと、人文社会系学部にいた私がなぜ現代美術に興味を持つようになったのか、その理由について紹介しました。

ちなみに現在は、現代美術だけではなく、美術と社会の関係について広く関心を持っている状態です。最近は、美術展などの機会があってもなかなか観に行けていなくて、もっぱらスマホで記事(美術批評とか、アーティストへのインタビュー記事など)を読むことが多いですね。

(ヘッダー写真は、瀬戸内国際芸術祭の開催地域の一つである男木島を、船の中から撮ったもの。今年2019年は3年に1度の芸術祭の年ですね。また島が、瀬戸内が賑やかになるのかな。)


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おわり。

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