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グラフィックデザイン検定の基本情報、難易度や必須知識をオペレーターが解説

オペレーターのまさゆきです。
皆さんは合格率が1桁の検定をご存知でしょうか。国家試験である司法試験の合格率は41.5%、一級建築士は16.2%です。
そんな中で「グラフィックデザイン検定」は1級の合格率が5%前後です。非常に難易度が高いです。
マイナーな検定で情報も少なく対策するのが難しいですが、実際に受験して1級に合格したのでより正確な情報を発信できると思います。



グラフィックデザイン検定 とは

本検定は 公益社団法人 全国工業高等学校長協会 が行っている検定です。
科目は3級、2級、1級に分かれており、3級、2級は筆記試験。1級は筆記試験+実技試験が行われます。
内容として写真や印刷、編集関連の問題が多く、グラフィックデザインというよりDTP要素の強い検定です。
マイナーな検定ですがそれもそのはず。受験資格が日本の工業高等学校に在籍している or 卒業生に限られています。あまりオープンな検定ではなく、そもそも受験資格を持つ方が少ないのが現状です。工業高校の卒業生で受験したい人は出身校に問い合わせてみてください。
(正確には受検資格として「在校生、及び会場校責任者が認めた者」と記述がありますが、卒業生でないと受験は認められないと思います


受験科目・合格率

科目としては「企画・デザイン関係」「写真関係」「編集レイアウト関連」「写真製版関係」「印刷関係」「製本関連」があり全15題が出題されます。15題のうち10題に回答します。1つの題で5問出題され計50問に回答します。
つまり全75問あり、その中から50個の問題に回答します。他の15問は回答しません。1題ごとに回答しなければなりませんが、「企画・デザイン関係」が解らないからスキップするという事ができます。

公式の資料によると令和3年に実施された試験では、
3級 69.7%2級 79.5%1級 6.4%準1級 2.6%
となっています。1級の合格率が極端に少なく、準1級は(おそらく)1級の合格基準に届かないがそれなりの点数だった場合に認定されます。英検や漢検のように準1級を受験できる訳ではないです。

また、3級より2級の方が合格率が高いのは受験生の考えによる要素が大きいです。3級と2級の難易度はそれほど変わらず、工業高校で授業を受けていれば解ける事が多いです。
そのため「どうせ受けるなら2級にしよう」という考えが大半です。3級を受験する人は学校に受けさせられたといった事が多いです。受験者数も3級 837人、2級 2400人と難易度が高い2級の方が多いです。


筆記試験

どんな問題が出題されているか気になるところです。1級の「写真関係」問題では以下のように出題されています。

レンズの明るさ(F値)を算出する公式で正しいものを選びなさい。ただし、f:レンズの焦点距離、L:レンズの有効口径 とする。
a  F値=f/L  b  F値=L/f  c  F値=f/2L  d  F値=L/2f

レンズのF値は 焦点距離÷有効口径 で求められるので答えは a F値=f/Lです。
公式だけではなく、同じ焦点距離でも有効口径が大きいとF値は下がる=明るくなると深掘りして覚えておくと、変則的な出題がされても慌てず回答できます


実技試験・必要なスキル

1級では筆記試験の他に実技試験が行われます。
サイズはA4片面で、チラシの特集記事のようなDTPを行います。どう作るかが書かれた指示書や指示図が配られ、テキスト・画像・イラストといった素材が支給されます。
実技はプロの目線から見てもやや難しいです。指示通りに作るのは比較的簡単ですが、90分の時間制限があります。その中で正確に作るのは難易度が高いと言えます。
正直、オペレーターになって90分以内に作らないといけない場面に遭遇した事ないです。せいぜい午前中とかです。

【必要なスキル】InDesign
InDesignを使わないとまず合格できません
。おそらくInDesignで作られる事を前提にしていると思われます。しかしInDesignの使い方を教えてくれる工業高校は少ないので自主的に勉強するしかないです。まずはAdobe公式で基本操作を覚えていきましょう。

Adobe InDesign入門ガイド:基本のソフト機能の紹介
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/how-to/introduction-guide-basic.html

【必要なスキル】Illustrator Photoshop
イラストや画像の素材があり、それらを編集する際に使用します。メインでは使用しませんが、基本的な操作は覚えておく必要があります。

【必要なスキル】早く作る事に慣れる
修正に強いデータを作ったり、背面にあるオブジェクトから配置する事でレイヤー整理を省いたりと作業工程の削減ができます。
修正に強いデータとは、数値入力すれば変更が容易な状態です。例えば文字をアウトライン化すると打ち替える事ができません。その後にテキストに誤字があって修正したくてもできない、なんて事は避けたいです。元に戻せない非可逆的な機能は最小限にしましょう。
もちろんInDesignの機能やショートカットキーを覚える事で作業スピードは早くなります。貴重な1秒を積み重ねていきましょう。


勉強の仕方

公式の問題集があります。工業高等学校で申し込みをしないと手に入りません。2022年から新しい問題集に切り替わったそうです。
どの試験でもそうですが過去問をしっかり解いて、よく問われる理論や技術を覚える事が近道です。
1級の実技試験はInDesignを使いこなす事がポイントです。実際に8ページぐらいの雑誌や小冊子などを作って操作に慣れましょう。慣れたら過去問をやってみて、90分以内に作れるか挑戦してみましょう。


まとめ

合格率が低いグラフィックデザイン検定ですが攻略法があります。しっかりと対策する事で合格できる確率はグッと上がります。
私は高校生の貴重な青春1年分を犠牲にして1級に合格しました。今から思うと実技試験も攻略法に元に勉強すれば、半年で合格できるほどのスキルは身についたなと思います。


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