小説を久しぶりに読む、まだ半分
ここ数十年、小説は、ほとんど読まなかった。所詮、作り話、云うところのフイクション、事実は小説より奇なりと。読書や映画など、非現実なバーチャルな世界から、現実逃避のひきこもり数年、いつまでもやっとれないと、社会復帰、その後、社会の荒波に揉まれ倒され、妻や子もでき、必死で社会生活を愉しむうち、定年・再任用、アルバイト、地域デビューなど、なかば面白半分、死ぬまでの暇つぶしで過ごした。
そうしたなか、ちょっと感心して小説を久しぶりに読んだ。とっかりは、平野啓一郎の本、「分人」という発想、私にとって嫌な敵も、別の人には、こんないい、面白い人は他にはいない。それぞれの分人だとの由。なるほどと。年齢的には、私よりはるかに若い。年齢は、関係ないが、感心した。
いま、その平野啓一郎の「マチネのあとで」、一時、マスコミで騒がれていた。名前だけはきいたことがある程度、そうしたことが現役時代、多かった。テレビも、あまり見ない、見る時間がない、仕事にかまけて、テレビなど見る気にもならない、NHKのニュース、大河ドラマ、朝の連ドラ(録画)くらい。公務員退官後、勤めた大学で学園祭も担当し、daigoを知らず、学生にあきられた。普通の社会人は、そんなもの。子供相手のタレントなど興味はない。経済、政治は、多少、知ってはいた、それも驚異的な変化を見せた。長い公務員生活の反省として、世の中には、もっと面白い、ドキドキすることがいっぱいあることだ。一度しかない人生、それを反省する。反省してもしょうがないから、ほどほどにするけれど。
高校生時代、読んだ小説、島崎藤村の「破戒」からはじまって。スタンダールの「赤と黒」、映画はアラン・ドロンの出演作多数。いまは戦争映画大好き、特に韓国映画。
仕事に夢中で全力投球だった30・40代。少しだいぶ引いて50・60代。仕事をしてなければ、いまの安定した年金生活はない。
初心に帰って、小説を読もう。「マチネの後で」は、やっと半分。この作者はすごい、の一言。
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