見出し画像

9月1日(金)「有害鳥獣(番外編③)・モンゴル式羊の解体」

今日の豊田は快晴。
最低気温は24℃、最高気温は34℃。
早朝散歩での水田は、稲穂が随分と頭(こうべ)を垂れているトコロもあれば、刈り取り済みのトコロもあったり、まだ実も付いてないのかな?みたいなモノもあったりして、各種各様となってます。ただ、刈り取り済みのトコロも割と多く、矢張り今年は季節の進み方も例年より少々早いのかも知れません(ニュースでも8月に稲刈りやるのは初めてじゃ!みたいな農家のオジさんインタビューも見ました)。
そうだ。今日は関東大震災のあった防災の日でもありますが、雑節上の「二百十日」でもありましたね。最近では台風が一度に2つも3つも来たりもしており、来週もやや荒れ模様が予想されるので、注意して過ごすようにしましょう。さて、

昨日は地元の「醗酵食品・三河の白醤油、白たまり、白だし」についてお伝えしましたが、本日はモンゴルシリーズ第3弾?「有害鳥獣(番外編③)・モンゴル式羊の解体」について書いて行きたいと思います(番外編①はコチラ)。

既に別のトコロでも申し述べました通り、大のモンゴル好きで、過去1回の出張を含めてモンゴルには15回行ってます。アソビの14回のウチ、1回は前々回にお伝えしたオオカミハンティング(見物)の為、残り13回はイトウ(タイメン…Hucho Taimen)釣りの為に行ってます。
行く度に、現地の遊牧民には何かとお世話になっていて、大抵羊を1頭ご馳走して貰ったり、買い取って食べたり等により、いつも羊を解体して貰ったり、させて貰ったりしてました。
ソコで驚くのが、ウランバートルの西へ行っても、東に行っても、その捌き方は全く同じであると言うコト。コレは現地では「オルルフ」と呼ばれる伝統的な解体方法です。

まずは、生きた羊を仰向けにひっくり返し、暴れぬよう手足(前脚・後脚?)を押さえ付け、鳩尾(みぞおち)のトコロにナイフを入れ、ソコから手を突っ込んで羊サンが「あれれっ?」と思っているウチに大動脈を引き千切ります。コレで羊はワケも分からぬまま、そして苦しむコトなく、昇天(鳴くことも暴れるコトもなく、そして苦しむコトもなく静かにお亡くなりになります)。アトは握り拳を器用に使って服を脱がせるように皮を剥ぎ、そのままソレを敷物にして解体開始。
ポキリポキリと手足を折り、ちんちんも取り去ってから腹を割って内臓を出し、体内(腹腔)に溜めておいた血を掬い、尿管と肛門周りのクサい部分を取り除き、アトは決まった場所からナイフを入れてホネと肉をバラし、首を外してほぼ完了(この間、15分程度?早業です)。
その後は、主として女性が行う内臓処理となってます。
グロ写真多数ではありますが、ご興味のある方は、以前詳細にレポートしたコトのあるこのブログ記事()をご参照下さりませ。

この「オルルフ」のスゴいトコロは、①モンゴル全土で統一した方法であるコト(カザフ族等別民族の居住地域では別かも)、②羊をほぼ苦しめずに屠殺していること、③大地に一滴も血を流さず命を無駄にしていないコト、でしょうか。
この方法となった背景には、家畜が大切な財産でありその家畜に敬意と感謝を込めたモノになっていると思われるコト、多くのモンゴル人が信じるチベット仏教の教えとも関係ある可能性あるコト(チベット仏教では割と動物愛護が謳われているコトが多い)、チンギスハーンの時代からの古い言い伝え(「血を流さないで死ぬと、魂は失くならず、生まれ変わることができる」、「血液には霊力が宿るので、霊力の強い貴人の血が地面に流れると、そこに霊が留まって悪い影響が出る(祟りをおこす)」など)が影響している可能性があるコト等があるのかな?とも思われます。

何れにせよ、その命を戴き、食べる側の人間に命を繋いでくれる羊に敬意を表したスバらしい屠畜方法であることには間違いありません。
従い、自分も羊を解体する際には極力遊牧民の方々に就いて、その解体方法をお勉強し、習得出来るよう努力しており、恐らく今ならば7割方は一人でも出来るんじゃないかな的なレベルにはなってると思います。
が、まだ100%出来る状態に迄なれてはいないので、もう少しモンゴルに通って、一人前にこの「オルルフ」が出来るように精進せねばならんな、と思う今日この頃であります(コロナ明けにもなった昨今でもありますし(笑))。

今週もコレにて。
来週はこの週末に地元近辺で開催予定の「有害鳥獣・第2回 命の授業サミット」についてお届けする予定としております。
皆さん、良い週末をお過ごし下さい!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?