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「あいつって何してるんだっけ?」と思ったら見てほしい自己紹介note

こんにちは。櫻井 昌佳(さくらい まさよし)です。

インドを活動拠点とするNPO法人Gawain、日本の非営利テック団体ZIAI、株式会社CRY4の3法人で代表をしています。

友人や仕事仲間、クライアントから「一部の活動は知ってるけど、結局全体として何をやっているの?」と聞かれることが増えてきたので、この際に整理したいと思い、自己紹介noteを書いてみました。

主な活動内容をまとめたのですが、結構長くなってしまったので、目次から興味のある項目に飛んで見てみてください!

略歴


  • 1992年 / 大阪生まれ大阪育ち。

  • 小学校は競泳、中学校では陸上競技、高校ではバスケに没頭。

  • グローバルな働き方で人と違う点に魅力を感じて船乗りを志し、神戸大学に入学。

  • 船酔いが辛すぎて入学1ヶ月で人生プラン変更。新卒で大手商社に入社。

  • 海外営業を熱望するも人事部に配属。そこからIT企業への転職・独立など人事歴 約10年。

  • 人事業に加えて、日本とインドでNGOを2社立ち上げ/経営。

  • 2018年にオーストラリアのメルボルンに移住。コーヒーにハマる。

  • その後は全荷物をスーツケース2つ分に。賃貸をやめて滞在したい国で生活するスタイルに。

  • これまで行った国は約40カ国。

  • バンコクでゲイだと勘違いされる回数が二桁を超えたことをきっかけに、6年振りにアゴ髭を剃る(結局剃っても変わりませんでした)。

  • フィンランドとエストニアでサウナに、トルコでシーシャにハマる。

  • 2022年に帰国。主な拠点は日本ーインド。


NPO法人Gawain


2019年2月にインドのデリーを活動拠点として立ち上げた国際NGOです。

"スラム街に蔓延るレイプを撲滅する"をミッションに、途上国のスラム街で発生する女性をターゲットにしたレイプを未然に防ぐための手法を開発しています。

ご存知の方もいるかもしれませんが、インドは世界で最も女性にとって危険な国に選ばれたり(Thomson Reuters Foundation)、統計的に1日に80人以上の女性が性暴力被害にあっている国。しかも99.1%はレポートすらされていないという衝撃的な調査結果が出ています。

一番の問題は、特にスラム街のような住環境に暮らす女性や子供にとって、効果的な予防策が未だ世界にひとつもないこと。

任意団体の期間も含めると、かれこれ3年以上も活動を続けているので、

現地警察と組んでAI×ドローンパトロールシステムを作ったり、

学校と組んで教育プログラムを作ったり、

政党の女性リーダーにスラム街の女性を集めてもらって講演をしたり、

色んな手法を0→1で立ち上げては、法規制や効果検証の難しさ、時間軸の問題で失敗を繰り返してきました。

そんな中で辿り着いたのが、“音“とスラム街の住環境、特に脆い家屋と人口密度の相性を利用したCommunity Basedな新手法。

徐々に成果が出てきたので、今はこの手法を磨きつつ、効果検証のためにデリーの中でも治安の悪いスラム街にて、筑波大学の原田教授と共同研究をしています。

計500家庭(約2,000名)を対象にしているこのプログラム。5月から開始したのですが、すでに女性の身の安全を守った事例が2件報告されており、このまま無事にプロジェクトが終了し、効果性が証明されれば嬉しいなと期待しているところです。

現地のフルタイムやインターン生、日本のボランティアメンバーを合わせて約20名ほど。活動主体の8割は女性で、特に現地のインド人メンバーは今のところ全員が女性です。

未だ社会的影響力は小さいですが、世界初のソリューションとして確立できれば、将来的に多くの命を救うことに繋がります。

今後は現地NGO/警察と協力しながら、インド全域はもちろん、類似の住環境があるアジア各国やアフリカにも活動展開する予定です。

スラム街に住むような女性や子供が、不安や恐怖を感じることなく”普通”の暮らしができる世界、自分の意志で日常生活を送れるような社会こそが、我々Gawainの思い描いているビジョンです。

(もちろん、誰もスラム街に住まなくても良いような世界が最高なんですけどね。)

非営利テック団体ZIAI


2020年4月、コロナ禍の日本で自殺予防を目的に立ち上げた、非営利型の一般社団法人です。

自然言語処理のAI研究者やGoogleの言語学者、認知行動療法を行う臨床心理士やIT企業のCTOなど、本業を持つ各分野のスペシャリストが集い、一人でも多くの命を救うためにそれぞれの知見を総動員して取り組んでいます。

具体的に何をやっているかというと、カウンセリング特化型の対話AIアルゴリズムの研究開発/システム実装です

日本では、悩みを抱えていても相談できるカウンセラーの数が圧倒的に少なく、例えば命の電話では接続率が約5%、最近増えてきたSNS相談でも応答率20%前後というのが現状。

カウンセラーだけに依存した今のシステムでは厳しいと考え、AI×カウンセラーで対応できる量と質を同時に向上させる新たな仕組み作りを行っています。

例えば、相談者が連絡すると、チャットbotが会話しながらリスク度や課題を自動で分析する。その情報をもとに、ハイリスク者ならプロのカウンセラーにすぐにブリッジ。

他のローリスク者は、我々ZIAIが開発する対話アルゴリズムによるAIカウンセラーが話し相手になり、具体的に解決できる地方自治体やNPO、専門家がいるのであればそこに繋ぐ。

そんな仕組みを構築することで、2030年までにSNSチャット相談の応答率を100%にすることをまずは目指しています。

ありがたいことに、我々のミッションに共感してくださったトヨタ財団様より先端的な科学技術を対象にした助成プログラムに採択されて、活動費は捻出できるようになりました。

もとより、これだけで自殺がなくなるとは思っていません。我々が目指しているのは、自殺自体の予防ではなく、自殺念慮(自殺を考えること)の予防。

死にたいと思っている人に、「死ぬな!」と言う活動をしたい訳ではなく、そもそも誰も死にたいなんて思わない社会のあり方を模索したいんです。

自殺の危険性というのは、急に起こるのではなく段階的に進行していると思っています。健康状態→ストレス→過度なストレス→自殺予備軍→極めて危険な自殺予備軍→自殺のようなイメージです。

大切なのは、どうすれば上流でせき止められるか。これが勝負だと思っています。そしてここで必要なのは、広く多くの方にアプローチすること。これこそが、テクノロジーが活きる領域だと思っています。

たとえば2040年の世界を想像してみてください。

家や車の中で、スマートホームやスマートスピーカーに、カウンセリングアルゴリズムが標準装備された世界を。

キッチンで主婦の方が料理しているとします。

「はーぁ」

ため息をついた瞬間に、家の片隅にあるスマートホームが反応しました。

「大丈夫ですか?ため息なんてついて…私で良ければ話聞きますよ。」

この女性は、他人には言えない愚痴を吐露したっていいわけです。

会話内容からリスク度を分析し、場合によっては近くの病院やカウンセリング施設の予約をも提案します。

もしくは、自分の部屋の中でこもり、一日中ゲームをして過ごす小学生がいるとします。

いわゆるメタバース空間で、アバターに自己を投影し、他人のアバターとの会話を楽しんでいます。この頃には、学校の授業ももしかしたらこの中で行われているかもしれません。

このアバターにもAIカウンセラーがいても良いと思いませんか?

そしてその裏に人間がいる必要はありません。表上ではわかりませんから。

最近生まれた子供やこれから生まれてくる子供は、物心がついた時からAIやメタバースが日常に溢れていることが当たり前になるのではないでしょうか。

彼ら彼女らにとって、人間以外と会話のキャッチボールを楽しむのは、もはや“普通”になるかもしれません。

これら技術に必要なのは、どう自然発話するかを担う“音声合成技術“と、何を発話するかを担う“自然言語処理技術”です。我々は、この後者のアルゴリズムを開発しています。

つまり、ZIAIがやろうとしているのは、テクノロジーでカウンセリングを日常に溶かすことで、自殺念慮を上流で予防し、結果的に自殺をなくすこと。

これは単なる一例ですが、テクノロジーを活用して他にも色々とできることがあるはずだと信じています。

(カウンセリングというアプローチ以外にも、同じようにメンタルヘルス分野にはVRやARを活用して奮闘しているITスタートアップなど結構いるので、この分野に興味がある方はぜひ色々と見てみてください!)

株式会社CRY4


約10年間の人事経験と、国内外におけるNGO経営で得た学びや気付きに加え、小説家や脚本家、アニメーターによる物語制作の力を掛け合わせ、クライアント組織の力を最大化するSTORY DESIGN STUDIO / CRY4 Inc.を立ち上げました。


CRY4では、組織に属する一人ひとりを"ベクトル"と捉え、この"ベクトル"を同じ向きに揃えることで、組織が本来持つ力を解放して最大化する、Vector Management / ベクトルマネジメント”という概念を大切にしています。

この着想のきっかけは、テスラ社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)の発言でした。

Every person in your company is a vector. Your progress is determined by the sum of all vectors.
(全ての従業員はベクトルであり、会社組織の力はそのベクトルの総和で決まる。)


彼の専門分野/物理学でベクトルとは、大きさ&向き。

大きさとはつまり能力や経験のこと。これが良くても、会社が進みたい方向とは異なる方向にその人が向かっていると、実は会社にとってもマイナスになり得ることもあります。

反対に、能力や経験はそこまでなくても、会社と方向がバシッと揃っている場合、想定以上の推進力になってくれることが多いです。この向きを揃えることの重要性をNGOで痛感しました。

それもそのはずで、NGOでは金銭的な報酬でインセンティブを持たせることができず、

現在地と達成したいミッションやビジョンとの乖離が大き過ぎて、メンバーに納得感を持ち続けてもらうことは難しく、

そもそも本業ではないプロボノやボランティアが中心となり、彼らも限られた時間しか使えない中で、組織として成果を上げなければなりません。

今までの人事経験だけでは太刀打ちできない課題ばかりだったので、0からベクトルマネジメントの考え方や手法を自分なりに磨きながら、全員の向きを揃えて組織の力を最大化するために試行錯誤してきました。

※ちなみにこのベクトルマネジメント、"大きさ"と"向き"の他に、日本特有の重要な要素がもう一つあるので、興味ある方がいれば改めてnoteでまとめてみます。

CRY4では、IT企業を中心にベクトルマネジメント支援を行っています。いま一番力を入れているのが、経営者が頭の中で描く未来図を短編小説に落とし込む事業です。


組織におけるベクトルには大小合わせて様々な種類があり、その中でも最も大きなベクトルが理念。

ただ私の経験上、メンバーの向きを揃える上で、いわゆるパーパスやビジョン、ミッションをただ語ることはほとんど役に立ちませんでした。

経営者や人事の皆さんは、共感していただけるのではないでしょうか?

そういう大義名分は、興味のきっかけにはなりますが、人の心を動かす訳でも、道を指し示す訳でもないからです。


日本でITベンチャー企業の経営者や人事責任者と話をしていると、同じような課題を抱えている企業が結構多いと感じます。

  • ミッションやビジョンだけでは包括的な言葉になってしまい。どうしても他社との差別化ができず求心力が得られない。

  • 言語化した理念と現在地との乖離が大き過ぎて、従業員に方向性を指し示して組織力を向上させることには役立っていない。

  • 完成した綺麗な文言だけでは全員に意図が伝わっていない。毎回自分が語りかけない限りは理解が浸透しているとは思えず、組織拡大時の不安材料になっている。

例えば、前述したZIAIの話。

自殺予防という表面的な大義名分より、私が頭の中に描いた2040年の世界を聞いた方が、どこに向かってるかイメージできたのではないでしょうか。

(これは私が自前で作成したもので拙いものですが、)

CRY4ではこのように経営者の頭の中を紐解き、

関係者がワクワクするような10〜25年後の目標をもとに

その達成に至る未来図や目標が達成された世界を

プロのSF作家が主導で短編小説に落とし込みます。

いわゆる、会社の未来図をVisualization(見える化)する仕事です。

関わるメンバーが経営者と同じビジョンを見て、同じ向きに努力を集約できれば、明らかにその会社は強いですから。

他にも、コピーライターやデザイナーと共に、理念策定を0から行ったり、
すでにある理念を浸透から逆算してReデザインしたり、それをもとに人事企画や組織開発、採用活動に入ったり、議論して得たエッセンスをもとにウェブサイトなどを改修する場合など支援の形は様々。

どうすればベクトルを揃えて、組織の力を最大化できるかに注力しています。

今後は、企業だけでなく、部活動やプロスポーツなどのチーム競技にも応用できるかトライする予定です。将来的には、一つの街や国という大規模なベクトルマネジメントにも挑戦したいなと考えています。

※今はITスタートアップ〜上場前後のベンチャー企業の経営者様の支援に特化しています。興味ある方は遠慮なくお問い合わせくださいませ!

結局のところ何がしたいのか?


20歳の頃からLIFE NOTEなるものをつけています。

自分の頭に浮かんだ思考や心に引っかかった言葉を必ずその場で全てメモしています。その母艦ノートであるこのLIFE NOTEを、毎晩・毎週・毎月・毎年見ながら振り返るのが好きなんです。

2020年の年末年始に、就活時代にメモした内容を見返していて、こんな自問自答がありました。

「自分にしかできないことって何だろう?」

あえて、当時の自分にその答えを出してあげるなら

「そんなもんはないで。」

と答えたいなと考えてました。笑

あくまでCANの文脈では、人間の能力なんて大して変わらないし、私にできることはこれを読んでくれている方にもできると思うんです。

でも、自分だけが興味を持てること、やりたいこと、他のみんなはやりたくないけど自分はそこまで嫌じゃないことは絶対にある。

つまり、WANTの文脈です。これこそがGIFT(才能)だと私は思っています。

自分以外はチャレンジしようとも思わない課題やアプローチ方法にこそヒントがあるんじゃないかと。

私の場合、便利な世の中をより便利にすることよりも、基本的人権すら守られていない人、辛さや苦しみを抱えている人をいかにフラットに持っていけるかに対して強い興味があります。

ソーシャルインパクト×みんながやりたがらないけど自分が少しでも熱を感じること

その中で見つけたのがレイプや自殺という社会課題なのかなと思っています。

自分が当事者ではない問題に時間とマインドシェアを投入し、ググっても出てこない解決策を考え、今まで接点がなかった人たちを巻き込む必要があり、かつお金には全くなりません。

「NGOって儲かるん?」

これも友人によく聞かれる質問です。

「儲かるわけないやろ。笑」

といつも答えてます(もちろん、テーマやスキーム次第では可能)。

Gawainに至っては、活動開始から約4年経った今でも未だ誰からも寄付金や助成金をいただけたことはありません。自分の貯金を切り崩して運営しています。本当に0からやるってこういうことなんだなと勉強になると共に、

「そりゃあ誰もやらないよな。笑」

と笑けてくることが週1ペースであります。

※後述:2023年より、LUSH様より助成金をいただけることになりました。


ただ一つ、LIFE NOTEを振り返っていて嬉しかったことがありました。

当時、働いたこともない私が、将来自分がどうありたいか、どうなりたいかを想像し、最も多く書いた単語が、Changemaker(チェンジメーカー)だったことです。

就活の頃から私は一貫してチェンジメーカーでありたいと思っていたんだなと改めて認識しました。

人間社会を前進させるような存在になりたい。これがずっと自分の中にある想いで、その一歩としてGawainやZIAIを立ち上げたんだと思います。

そして、その経験や学びを社会に何かポジティブな変化を起こそうとしている他のチェンジメーカーにも還元したい。その想いで立ち上げたのがCRY4です。

本来は人間性を感じてもらうエピソードとか、各団体を立ち上げた背景とか書くべきなんだろうなと思いつつ、文字数の関係で全然入らなかったです。笑

今回書けなかった内容や、経験の過程で得た学びや気付きをnoteで定期的にシェアしたいと思います。

そして今年からは結構日本にいるので、ご無沙汰の方々、最近リモートで知り合った方、これから知り合う方、ぜひご飯やお茶でも行きましょう!

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