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敷かれたレール


私はここで一体何をしているのでしょうか。


私は一体何の為に生きて来たのでしょうか。


本当にやりたかった事は誰にも言わずに、私は学校で受験に受かる為に勉強した。そしていい会社に行くために面接の練習をした。会社で文句を言われないように仕事を頑張った。


私は親の喜ぶように、先生の言うとおりに、上司に気に入られるように人生を送って来たのです。


今まではそれをすることにより、みんなから褒められて嬉しく思っていましたが、相手の要求はどんどん高くなる一方で、やってもやっても、そう簡単には褒めてもらえなくなって来ました。


そして今になって心から満足出来ない自分がいることに気がつきました。アイドルになるという夢も語りましたが、その夢が有ろうと無かろうと、私は周りの人が敷いたレールの上からもう逃げ出したい気持ちで一杯になってしまったのです。


もちろんこんな事を言うと人に馬鹿にされることは分かっています。今まで頑張ったのにもったいないとか、どうせ失敗するだとか、社会はそんなに甘くは無いだとか。


でも世間の言うことを聞いて、何か私に良いことがあったのでしょうか?


私はゴールの見えない無限ループの線路を走っていくのはもうこりごりなのです。


何をしたらゴールなのでしょうか、私に見えるのはこのまま行ってしまえば、人の言いなりのままでどんどん歳を取り、病気になって死んでしまうのではないかという不安しかないのでした。


それが私のゴールなのでしょうか?、苦しみながらもよく頑張ったと称賛されてもなにも嬉しくはないのです。


人が敷いたレールとはいっても自分の意志でそれを選択し、塗り固めて来たレールを壊す事はとても勇気がいる事だと、今私は実感しています。


だからもっと幼い頃に本当にしたい事が有るのだとしっかり言っていればなと、何度思ったことでしょうか。


私はもう限界を迎え、今人生の選択に迫られている最中なのです、この機会を逃したら多分このままの状態で頑丈に固められたレールの上を最後まで歩み続けることになるでしょう。



そして現在、汽車ポッポの先頭で周りの注目を一点に集めながら、汽笛を鳴らしまくる男はまさしく、私を敷かれた八の字レールの上に招待した張本人なのでした。


続く



補足説明


密かにアイドルを目指している優等生でとてもかわいい女の子の内代さんは、内臓君というおバカな男に「いい乗り物に乗せてあげるよ」とそそのかされて行った先が、ゲームセンターで汽車ポッポと言う小学生が乗る様な乗り物だったのだ。


内臓君は汽笛ボタンを押して「ポッポー」と鳴らしあまりにも目立ってしまうので、誰かに写真を撮られて流出してしまうのではないか?とアイドルを目指す内代さんはとても心配しているのです。

あとがき

日本は比較的自由な国だと思いますが、誰しもなにかしら親であったり先生であったり、社会の敷かれたレールを歩んでいる人も多いのではないかと思います。


私も親からなにかしらの事を強要させられたのではないのですが、周りを見て生き方を選んでいたような気がします。


そして私は実際に、社会の敷かれたレールから脱線しました。

この記事は投げ銭制です。
この後、あとがきが少し続きます。

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