奈良昌哉

北海道の大学院に通いながら病院で働く理学療法士でした ピッチャー経験あり 研究テーマは…

奈良昌哉

北海道の大学院に通いながら病院で働く理学療法士でした ピッチャー経験あり 研究テーマは「野球肘の予防」

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内側側副靭帯の救世主「FPM」

◆ FPMこの3文字が表すものを知っている野球選手はおそらく今はまだあまりいないのではないでしょうか。 今回は、僕自身の研究テーマにも関係するこのFPMについてできるだけわかりやすく解説したいと思います。 このFPMを理解することは、トミージョン手術の原因となる内側側副靭帯の損傷をする危険性を確実に下げることに繋がると思っています。 なので 「トミージョン手術をしたくない」 「トミージョン手術をしたが復帰したい」 そんな人には是非読んでいただきたいと思います。 ◆

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    • ストレッチをサボりがちな人は要注意! 〇〇が硬い人はMCL損傷のリスクが高いかも。

      ◆ MCL損傷とは MCLとは、内側側副靭帯(Medial Collateral Ligament: MCL)や尺側側副靭帯(UCL)などと呼ばれる肘の靭帯のことです。 最近でいえば、大谷翔平選手やダルビッシュ有選手がこの損傷が原因でトミージョン手術を受けていましたね。 このトミージョン手術を受けてしまうと完全復帰までに1年以上かかってしまうことも少なくないのでなんとしても避けたいところです。 (MCL損傷の予防トレーニングについての記事はこちら) ◆ MCL損傷をしや

      • クレイトン・カーショーから学ぶ メジャーリーグで活躍するメンタルの持ち方

        ◆ クレイトン・カーショークレイトン・カーショーといえば、メジャーリーグに興味がある人であれば知らない人はいないほどのメジャー屈指のピッチャーです。 カーショー投手はロサンゼルス・ドジャースのエースとして活躍しており、近年は負傷に悩まされることは多いものの、2019年シーズンは16勝を挙げています。また過去には3度のサイヤング賞を受賞しており、メジャーNo.1投手といっても過言ではありません。 特徴と言えば、独特な投球フォームから繰り出される縦に大きく割れるカーブです。この

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        • コントロールを脳科学から考察してみた。 Part2

          Part1では体を思い通りに動かせるようになるまでに、脳の中でどんなことが起きているのか。 また、その脳の働きを生かして、コントロールをよくするために意識することについても触れました。 今回は、前回の内容を踏まえたうえで、実際に行われている練習について脳科学的に見たときに、 効果があるのか、はたまた逆効果なのか、考えていきたいと思います。 思いつきで例を挙げていくので、投稿後も思いつき次第、追記していきたいと思っています。 ◆ キャッチボール前回の内容にもあったように、

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        内側側副靭帯の救世主「FPM」

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        • コントロールを脳科学から考察してみた。 Part2

          軽く投げてるつもりでも、肩や肘には意外と負担はかかっているかも

          野球のフォームやケガの研究で有名な人たちが勢ぞろいしてこんな研究が行われました。 内容はシンプルで、 力加減をして投げたときの ・腕の角度 ・腕を振る速さ ・肩の最大外旋角度 ・肘の外反トルク(内側側副靭帯に負担をかける力) ・球速 これらを測定しました。 結果は、、、 黒い線が選手の力加減を表していて、 左から、100% ⇒ 75% ⇒ 50% と小さくなっています。 しかし、上に書いたものの数値はあまり下がっていませんね。 球速は 50% の力で投げて

          軽く投げてるつもりでも、肩や肘には意外と負担はかかっているかも

          試合の最後までパフォーマンスをキープしたい人は見たほうがいいかも

          ◆ ピッチャーは途中交代が当たり前の時代野球においてピッチャーは、他のポジションとは違うスポーツと言っていいほど特別なポジションです。DH制があるリーグで野球をしていたらなおさらでしょう。 なかでもピッチャーにしかない特徴といえば、唯一交代が前提のポジションであるというです。 ひと昔前までは、ピッチャーは完投が美徳とされていましたが、今ではクオリティスタート(6回以上3自責点以内に抑えること)という言葉も浸透して、ピッチャーの分業が当たり前になっています。 最近の球数制限の話

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          ピッチャー必見、コントロールのカギは○○だった。コントロールを脳科学から考察してみた。 Part1

          ピッチャーというポジションにおいて、コントロールとはそのピッチャーの価値を表す能力のひとつです。 例えば、某人気野球ゲームでもピッチャーの能力にはおおまかに分けて、球速、スタミナ、変化球、そしてコントロールがあります。 今回はそのコントロールを脳科学の研究の結果から考察してみました。 もしかすると、これを読んでいるあなたがコントロールをつけようとして行っている練習は無意味か、あるいは逆効果だったりするかもしれません。 ◆ コントロールとはまずはこの“コントロール”という言葉

          ピッチャー必見、コントロールのカギは○○だった。コントロールを脳科学から考察してみた。 Part1

          「Pitch Smart」

          ◆ Pitch Smart最近、球数制限の議論がいろいろなところで繰り広げられていますが、 そんな中、「Pitch Smart」という単語が出てきました。 これは簡単に言うと、成長期の野球選手に向けたガイドラインで、中には投球数制限に関係することも書かれています。 この設定には、アメリカの野球の分野で有名な医師などそうそうたるメンバーが関わっています。 そんなPitch Smart。メジャーリーグの公式ホームページ「MLB.com」でもデカデカと紹介されているのですが、日本の

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          ドライブラインが流行ってるけど、あんなに重いボール投げて肩・肘は大丈夫なの?

          《結果だけ知りたい方は「まとめ」へ》 ◆ ドライブラインって何?ドライブラインとは、アメリカのシアトルにある施設「Driveline Baseball」で行われている、重いボールを使ったトレーニングのことです。100gから2㎏までの異なる重さのボールを使用していろいろなドリルを行うことで、球速のアップを狙うものです。 このドリルの中には、もちろんこのボールを投げるものも含まれます。 この施設の出身者で一番有名なのは、トレバー・バウアー投手でしょう。 この間は、マウンドから

          ドライブラインが流行ってるけど、あんなに重いボール投げて肩・肘は大丈夫なの?