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最も広大な世界を想う

真理探求は、明らかに私を変えた。

宗教など、どうでもよかった。スピリチュアルの世界も、ほぼ興味などなかった。真理も含め、全てはカネだと思っていた。

そんな薄っぺらな人間性を、多少なりとも分厚くしてくれたのだ。

カネを稼げるかどうか…この世における「人」としてのステータスは、まさにそれしかないと思っていたし、幾度もの経験の中でそれを痛感したのも事実なんだよ。

そうしていくうち、地元にも興味を持てなくなった。

何の取り柄も無い。住む人々は最初から諦めモードだ。何をするにしても向上心が無い。

そして私は地元を飛び出しては戻り、また飛び出しては戻る…そんなことを繰り返してきた。

しまいには国内に飽き足らず、とうとう海外にまで出ていく様になった。

海外の言葉を覚え、街中を歩くだけで、ある種の優越感が私を包んだ。

「ざまあみろ。俺はあいつらとは違う。あのクソ田舎者どもとは住んでる世界が違うんだ。」

心からそう思った私は…地元を飛び出すだけで、成長出来ると勘違いしていたのだ。

確かに、その後も様々な経験をした。文字通り、血と汗と涙を流して流して流しまくった。

そして結果、どうなったかというと…別にカネは手元に残らなかった。

さらに…

とうとう、地元へと帰って来た。

多分、このプロセスだけ見れば、他の人は「意味の無いことをしている」と思うだろう。

だが…この後、私は本格的に真理探求に走り始める。

恐らく、これらの経験こそが、「外側に己は無い」と悟らせた。

答えは内にしか無い。どこへ逃げようと無駄だ。私は「広い世界をもっと見たい」と思い込んでいるだけだった。

この世において、「最も広い世界」とはどこだ?南北アメリカ?アフリカ?ユーラシア全土?いや、違う…

それは宇宙だ。そしてそれは、己の中にしか存在しない。

私はそれを探すため…探求するために戻って来た。

生殖が究極だと言うなら、私はやはり最後に「生まれる」…もしくは「産む」のかもしれない。

そのために、戻って来たとも言える。

私の人生は、北海道のサケの生態そのものだ。

そして今こそが…「3」段階目なのかもしれない。

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