タイでのエピソード・その63
—その62の続き—
何度か日タイ交流会に参加していくうち、私はとある男性タイ人二人と仲良くなった。
一人はトゥーンという、細身で高身長のイケメン大学生。もう一人は小太りでおちゃらけた性格のブライアン。
イメージとしてはこんな感じだが、トゥーンもブライアンもとてもいい奴だ。二人とも日本語が上手で、普通に私と会話が成り立つ。英語も出来る為、頼りになった。
金銭的に余裕が出来た私は、何か新しいことを始めようと思い、トゥーンとブライアンをYouTubeに誘った。
その頃バンコクではちょうど、「でいぜろバンコク」が大人気の真っ只中にあった。
今は彼らも離散し、それぞれがそれぞれの道を歩んでいる。だいじろー君はもう、有名なYouTuberなんじゃないかな?英会話の講師をしている北海道人なのだ。
でいぜろバンコクのチャンネル自体はほぼ、動いていない。
でもとにかく、当時はすごい人気だったんだよ。今は「TJチャンネル」のTJさんがタイを代表する日本人YouTuberになっちゃったけどね。
まぁそんなこんなで、私もこのブームに乗っかろうと思った次第である。
私はカメラに映らない。でも、トークには参加する形。主にトゥーンとブライアンのドタバタ劇を撮る。
あの頃は本当に楽しかったな…。鉄道マーケットをはじめとして、様々な人気スポットを回って撮影した。
かなりの写真があったんだが…もう処分してしまった。つまり、上手くいかなかった。
彼らタイ人の気質を理解していなかった私が悪い。でもやっぱり遅刻するし、約束は守れないし、最終的にトゥーンとブライアンは仲違いするしで話にならなかった。
私は、背中を見せるのは割と得意だったりする。でも、具体的にチームを纏めるのはどうやら苦手なようだ。
動画は10本ほどアップし、その間に3~400人くらいの登録者を集めた。なのでぶっちゃけ、悪く無かった。絶対に。
その程度で終わってしまったが…それでも無駄では無かったと思う。私という人間がどういう人間なのかを、さらに客観視する良いきっかけになった。
また、何より…その時のYouTubeのスキルが、今に活きているからね。
最近、ブライアンと連絡を取った。「ごめんね」と謝られたが、こちらこそ、と言った感じ。
それに、私はYouTubeなんぞしてる暇も無くなっていた。動画編集をするにも一日かかるし、撮影となればなおのこと。すぐにキャッシュに繋がるわけでも無い。その間、収益も時間も無駄になる。さらに、刻々と迫るビザの期限。
…結局、不安の積もる中で新しい事は出来なかった。二人には今思い返しても、申し訳ないことをしたなぁと思う。
そして…とうとう、観光ビザでの滞在に限界がやってくる事になる。
—その64へ続く—
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