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タイでのエピソード・その53

その52の続き—

それでも、時間ってやつは無常に過ぎていく。

高層から見渡すいつのも夕焼けが、今までと全く違う様に見えた。

海外の一室でたった独り、佇む。頼れる仲間もいない。帰る所も無い。ビザももうすぐ切れる。ほぼ無一文。

…これほどまでに追い詰められた事が、人生であっただろうか。

S氏に電話を…いや…やめておこう。して、何になる。

というか…もう、よい。私はこの世のカネの稼ぎ合い、落とし合い、騙し合いに疲れた。

ビットパンダ氏にラインを送った。

「してやられたよ。全く分からなかった。誰を信じるのか…それも自己責任。数ヶ月もかけて信頼を勝ち取ったYouTube動画投稿が、まさか演技だったとは。俺は、あんたがたとえ詐欺師だとしても後悔しないと、最初に決めていた。だから…それ、好きに使ってくれ。カネに困ってるんだろう?少なくて、申し訳ない。あんたの成功を祈っている。」

…一字一句、覚えちゃいないが…近い様な事を送ったはずだ。

このリバースプロジェクトという詐欺案件については、やはり私と同様の被害者が大勢いた。ビットパンダ氏自体、5000人近くもの登録者がいるYouTuberだったのだ。信頼を集めるだけ集めて、最後にはアカウントごと捨てる。まさか、ここまで計算づくだったとは…。

やはり早々に「被害者の会」みたいなのが出来、訴訟するだの何だのと言う話になってきた。

私も一瞬、そのグループラインに参加したが…そこで思ったのは次のこと。

「…こいつら、騙されて当然の奴らだ…」

どいつもこいつも、誰一人自分を責めない。「100%向こうが悪い」の一点張り。

国内で追い詰められたとかほざいている奴らよりは、多分私の方がピンチだろう。話を聞く限り、「そんなん、まだ大丈夫やん」ってな奴らばっかりだ。「勉強料」として捉えようとする奴が誰一人、いない。

奴らは詐欺師だ。それは変わらん。この社会の常識という目安で測るなら、悪いのは奴らだろう。

でも…賢いのは向こうの方だ。

かと言って当然、私はそっちに回るでも無い。

そして…この「傷の舐め合いグループ」にいつまでもいるつもりも無い。

頑張って、訴訟起こして下さい。そう思った私は、早々にそのライングループを抜けた。

騙されて尚言うが、騙される方も悪いのさ。つまり、私も悪い。

異論があるなら、私に言ってくれるな。現実を言ってるだけだ。こんなクソみたいな世を構築した、神に言ってくれ。

…私はこの「負の螺旋」から降りる。

せめて心は美しいまま、死なせてくれ。

絶望が、私を包んだ。


その54へ続く—

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