失敗と感謝の達人たれ

最近まで、大阪で羽を伸ばしていた。

なぜ、私がこの地に導かれるのか…それはよくわからない。

まぁ一緒に仕事が出来る仲間がいたりするので、その顔見せで行ったりする。

にしても…よりによってやはり大阪だ。あれだけタイで追い詰められ、中国に渡り、行き先がわからなくなっても…その後辿り着いたのは大阪だった。

もはや第２のホームになってしまったな…バンコクが第３のホーム、といったところだろうか。

あと、大阪の女の子はかわいい。…まぁ地元よりも圧倒的に人が多いので、それだけの話なのかもしれないけど。

久しぶりに大阪に来て、久しぶりに電車ってやつに乗る。

私は星空を見て、色々想う。月を見、天体を見、金星やシリウスを見ては想うのだ。

そして…電車に乗るたびに、やはり想うところがある。

もし物質的に豊かになりたいのであれば、いつまでもここにいてはいけない。

尤も、お金を持っていても電車で移動する人はたくさんいる。

でも、どうだろうな…そういうことではなくて、だ。

例えば、ハイブランドのアパレルに身を包んだ人など、電車ではほとんど見かけない。

私は今まで色々な「カネ持ち」に出会ってきた。

そしてその人たちは共通して、人の靴を見た。

「あいつ、靴が高いから金持ち。」

「時計も高そうでしたよね！」

「時計はロレックスだよ（笑）。大したことない。」

バンコクにいた頃の、Sさんと私の会話である。

…電車に乗ったところで、エルメスやグッチの靴を履いてる人なんて、どこにもいない（たまにいるけど）。

ヒトは、外的要因から成る。簡単に言うと、やっぱり全ては「影響」だ。

実際のところ、ヒトだけじゃない。この世において「流動」が真実なら、森羅万象全てが、何かしらの影響を受けながら存在している事になる。

黒に白を混ぜるとグレーになる。そして、白の割合が圧倒的に多いと、黒はどこかに行ってしまい、ついには真っ白になってしまう。

…この世はきっと、その連続なのだ。

ならば、「お金持ちになりたい」という願望を持っているにも関わらず、みすぼらしい格好をしているとしたら…その事自体が矛盾しているのではないか？

もしそれを「成功者」と呼ぶなら、その「成功者」とやらに今すぐにでもなるべきだ。

農薬や化学物質に汚染されていない、栄養価の高いものを摂取する。高価なものを身に付ける。胸を張って自信をもち、感謝の心を忘れない。

何と言うか…貪欲なナルシストというか。自己投資に全力投球する人。

負け犬の決め台詞、「お金があったら、出来るのに」。

…決して、そんなことはない。今、カネを持っている成功者は大体、見切り発進をしている。借金をこさえてマイナスから始まり、何度も死にそうになって、そして立ち上がってきた。「準備が出来てから動く」など、愚の骨頂。そもそもそれ、順番が違う。

そもそも「成功者」など存在しない。全ての成功者は失敗の達人…すなわち「失敗者」である。真の失敗は「挑戦しないこと」だ。

…そう考えていくとね、改めて思うのだよ。

アパレルに…特に靴あたりからカネを使うのって、実は正解なのではないか？と。

私はね…ミンクのコートなんぞに300万円も使って家を崩壊させたおふくろの生き方を心底、憎んでいた。

彼女の場合、アパレルに死ぬほど突っ込んだにも関わらず、彼女自身のコンフォートゾーンは上がらなかった。

だが、今ならその理由がわかる。

彼女は全くと言って良いほど、周りに感謝していなかった。あるいは、それが圧倒的に足りなかった。

いつもスナックの送り迎えをしてくれる父に。家族想いの兄に。そして、生まれてきてくれた私に…。

その感謝の気持ちも示さずヤ◯ザと浮気をくり返し、私利私欲に走った。結果、家庭と彼女自身の人生も見事に崩壊した。

…そう、成功者とは「失敗」と「感謝」の達人なのだと思う。

「成功」など結果論にすぎない。

「お金があったら、あのバッグが買えるのに…もう少し余裕があれば…。だから今は我慢！」

たら、れば、か…。うーん、どうなんだろうね。ローン組んでまで買えとは言わんけど…そこを我慢するのが大きなストレスで不幸なら、私から言わせると「そもそも何故カネを稼いでるの？」ってなっちゃう（笑）。

アパレルは「第２の皮膚」である。

そう考えると、「身に付けたから、カネが引き寄せられる」…というのが正解なんじゃないかなぁ？ここも一般の常識とは逆、ってこと。

…なーーーんて事を電車の中で考えつつ、阪急と大丸で衝動買いをしてしまった己を、必死に正当化していました（笑）。

まぁそもそも、そんな金持ちは電車なんぞに乗らないわなぁ…。

皆さんも是非、「失敗者」を目指しましょう。

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