タイでのエピソード・その11
—その10の続き—
...iPhoneのタイマー音によって、私はそれはもう快適な心地で目を覚ました。
おっ、ちょうどいい画像があるねぇ。そうそう、こんな感じ(笑)。「牢屋かよ」と突っ込みたくなる部屋。まぁ、一晩3000円程度だったし、贅沢は言えない。
暑すぎるわ、窓が壊れているわ...
...こいつが私の血液を吸ってくれるわ...まー眠れん。
(かゆいな...)と思って、途中で起きて電気をつけたら、Tシャツの上から4、5匹ほどの蚊が、私のサラサラな血液を狙って針を伸ばしていた。
おい...!地獄かよ。さすが東南アジア。ちなみに油断していると、蚊を媒体としてデング熱などの病気をもらう可能性がある為、あまりよろしくない。東南アジアを旅行の際には、気を付けましょう。
さて...最高の寝心地を経験したところで、大使館に行きますか。
マレーシアの通貨はリンギット。
1リンギットは、大体27円くらい。まぁ30円で見ておけば間違いない。
勿論、私の財布には最低限のリンギットしか入っていなかった。
故に...
やたら勧誘してくるタクシー運転手の呼びかけをひたすら無視して、大使館までウォーキング!
...と思ったが、改めて地図を見るとかなり遠い。5kmくらいあるのか...
...しゃーない。意地を張らずにここは電車を使いましょう。
地図に付属していたMRTのマップをチェック。
...ふむ。まぁわかりやすい。タイのバンコクでBTSを大体理解出来た私にとって、マレーシアのMRTマップはそこまで複雑ではなかった。
私は最寄りの駅に到着し、早速乗って見る事にした。
相変わらず、インフラの整備はしっかりとされている。マレーシアは投資に関する税金が掛からないので、税を逃れる目的で投資家がよく移り住む。
確かに、カネさえあれば住み心地は良いのかもしれない。
...別に面白い所でも何でも無いけど。
ちょっと早めに到着してしまった私は、地下鉄の出口でコーヒーを飲み、ある程度時間を潰していた。
そして...
ようやく着きました。はるばる来たで、在マレーシア・タイ大使館様。
待っている間、必要書類を書かされる。勿論、全部英語。そして、やっぱり青いボールペン。
はいはい。書くよー、書きますとも。
私は、タイの会社から受け取った「記入例」を参考にしつつ、順調に空欄を埋めていき、問題なく書き終えた。
...そうこうしているうちに、一人が私に話しかけてきた。フードを被っている。イスラム系の、まだ若い女性だ。友達とビザ申請に来ている様だった。
「Do you have a pen?」
「Yes.」
...ペンを忘れた様だったので、貸してあげた。
そして、書き終えた後...
友達とくっちゃべりながら私を見ず、ただペンをぐいっと返してきた。「Thank you」も勿論、なし。
...おいおい。俺はお前の身内じゃねーんだぞ。
こう言う、細かい所一つ取っても、日本人の民度はダントツだなと思った。
ある程度待たされたが、必要書類を無事に譲渡し、手続きを終える事ができた。ビザを受け取る事が出来るのは明日。
と、言うわけで...
さぁ、今日一日フリーだ!晴れてようやく、クアラルンプールを満喫出来る。貧乏人には貧乏人の遊び方ってのがあるのさ。全力で羽を伸ばしてやるぞ。
大使館で待ち構えていたタクシーの「あるある」な勧誘を無視しつつ、私は再び電車に乗って、クアラルンプールのランドマークであるツインタワーに向かった。
...デカい。今となってはもっとデカいビルが沢山あるが、ちょっと前までは世界一を誇る超高層ビルだったとか。
中に入って見ると...
なーるへそ。こうなってるのね。円筒形になっていて、それぞれの階にエルメスやらヴィトンやらの高級ブランドショップが立ち並ぶ。
私は元々田舎に住んでいたので、こういった場所をウインドウ・ショッピングするだけでも楽しすぎた。
実は未だにこの「冷やかしウォーキング」が大好きで、休日は普通にこう言う事をする。買えるわけじゃ無いのに、「おぉ、これいいね!」とか独り言を言って勝手に妄想を満喫している変な人。足が疲れたらカフェで休んでぼーっとする。最高。
どんだけ満喫しても、無料です。うーん、楽しすぎる。将来カネ持ちになったら、俺もこう言う所で...
...といった妄想にふけっていると、急にiPhoneが震えた。
「...え?シム入ってないはずなのに、なんで...?」
ふと画面を見ると、S氏からのLINE通話だった。そうか、ツインタワー内のフリーWi-Fiの電波を拾っていたのか。
「もしもし?」
「おぉー無事だったか、良かった良かった。繋がらないから心配してたんだよ」
「すいません、シム買ってなくて。何とか手続きも無事完了し、後は明日ビザ受け取って帰るだけです」
「そうなんだ。気を付けて帰っておいでよ」
...有難い。S氏はしっかり、私を気遣ってくれている様だった。通話を終えた私は、一旦ツインタワーの下まで降りて、カフェで一休みしようとした。吹き抜けの庭がある、素敵なカフェだったはず。
なのだが...
出ました、東南アジア名物、スコール。突然やってくるのですよ。
既にタイで経験済みだった私は、その現実もすんなりと受け入れられた。まぁ、しゃーない。丁度ハラも減ってたし、屋根のあるカフェで何か頼もう。
そう思って、スコールを避けつつビル周辺を見回していると...イスラム系のマレー人女性が話しかけてきた。
「Mr.?Are you Japanese?アナタハ、ニホンジンデスカ?」
私が「Yes.」と言うと、気さくな笑顔で握手をして来た。
...ここから、私は忘れられない経験をする事になる。
—その12へ続く—
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