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通り道

最近よく頂く質問に、こういった類のものがある。

「CBDC(中央銀行デジタル通貨)に移行すると言うが、不安だ。総監視社会になりそうで怖くないですか?」

「終末が来るとしたら、マサヤンさんはどうしますか?」

「2031年に世界が終わるという話もあって、怖いです。マサヤンさんは、どう思いますか?」

…皆それぞれが、それぞれの不安の中で生きている様だ。

確かにこれだけの噂が広まれば、何が本当で何がウソなのか…それを見分けるのは至難の業である。というか、不可能と言って良い。

私はこの類の質問を受けるたび、いつもこの様に思う。

「皆、この世の未来に期待してるんだなぁ」…と。

誰もが「何か」に縋りながら生きている。

もちろん、それ自体は悪いことでも何でもない。それもまた人間さ。

しかし…私の考察を追いかけてきた人なら、もう気付いているでしょう。

この世に価値など、無い。意味も無い。本質的にはきっと、ここは「通り道」に過ぎない。

「期待」なんてものは、何かしらの価値基準に引っ張られる、人間ならではの感情だ。

意味も価値も無い…だからこそ我々人間は、この人生という名の「通り道」を、無感情(無関心)で通り抜ける必要があるのかもしれない。

実際、いつも歩いている道に「期待」なんてしないでしょう?

我々にとっての最大の試練…それは「感情があること」である。

「期待するな」と言うと、なぜかネガティヴな意味で捉えられがちだ。これはきっとアニメやゲーム、映画などのエンタメ、一般的な道徳観から来るもの。

「そんな事でどうする!?諦めるな!夢を掴め!」

…じょーーーーだんじゃないよ。ただでさえ、こんなカッタルイ地獄で参ってるのにさ。少しは肩の力を抜かせてくれ。

別に期待なんてしない。

喧嘩も売らない。

自殺もしない。

迷惑もかけない。

だから…

せめて最期まで好きに生き、好きに死なせてくれ。

「期待」という感情を、自分の中から除外する。すると…驚くほど、人生が楽になる。これは私が実際に感じている事だ。

特に恋愛が上手くいかない男性諸君に言いたい。「余裕のある男」ってやつに近づくのだよ。女性はそんな男を追いかけたいと思うのさ。…あくまでも、私の体験によるものだがね。

私がいつも言う「この世に絶望しろ」という教訓は、言い換えると「期待するな」とも言えるだろう。

そこで初めて、目の前で起きるあらゆる理不尽を、静かに受け入れる事が出来る。

そして…そんな波風を立てない人種を、彼らは最も嫌うだろう。

だって彼らの役割は、人類を適度に争わせる事なのだから。結局、これが一番効果的な「反抗」なのだ。

尤も…厳密に言えば、その「反抗」すら必要ない。出来る範囲の僅かな「防衛」だけでいい。

殴られそうなら、殴らせる。

殺しに来たら、殺されてあげる。

ともかく好きに生きて、好きに死ぬ。

そこには意味も価値もない。

これが出来るのはきっと…日本人だけなんだよ。

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