タイでのエピソード・その41

—その40の続き—

私がこれから特定の仕事を選んで生きていくとしたら、それはもう、「ノマド」以外で考えられない。

場所なんぞに縛られるのはたくさんだ。特に人間関係。散々、喧嘩して辞めてきた。私の性格や過去を知ってる人はご存知のはず。もはや死ぬまで、社会に復帰する事はあるまい。途中で潰れたら、それまで。人生は自己責任。

さて、そんなノマドワーカーな私を支えてくれたタイのデパートの一つが、サイアムディスカバリーである。

ここもまた、ハイソな人たち御用達。パラゴン、サイアムセンターと隣接している。これらのデパートを巡り歩くだけで、一日を潰すことが可能。

以前、入口にSupremeが特設の販売所を開いていた。Tシャツ一つ15000バーツくらい（約五万円）。他にも韓国のハイエンドなブランドなどなど…ここもパラゴン程ではないが、一般人お断り的なアパレルが立ち並ぶ。

１、２階はアパレルがメインだが、他にもLoFtが入っていたりする。

うーん、親日万歳。まぁ、私の地元のクソ田舎にLoFtは無かったけど（笑）。

その隣には、BOSEやオーディオテクニカなどの家電を販売するお店がある。ここにも結構、お世話になった。最新のイヤホンなどを購入したいなら、ここがおすすめ。まぁ、パラゴンでもよい。

カフェも勿論、大量にある。会員になってスマートタブレットのみで注文するお店などなど…数えていくとキリが無い。

懐かしい…胸に迫る。一人、ぼーっと歩きながら、買いもしない物を見て満足していた。今思えば、ただの怪しい奴だったのかもしれない。

ここのスターバックスもかなり人気で、場合によっては何分も待たされる事があった。

このデパートにやってくるのはタイ人というより、カネを持つ外人といったイメージ。実際にファラン（欧州白人）が多く見かけられる。

お金があれば、もっともっと楽しいんだろうなぁ…なんて思いつつ、コーヒーを飲み、未来に向けてそれなりの勉強もした。

記事を書き、仮想通貨やFXトレード、その他の投資関連の動画などを二倍速で聞いたり…できる限りのことをした。とにかく、カネだ。そう思った。

実は、タイには他にも特殊な観光ビザが存在する。

それが、エリートビザだ。

あの与沢翼氏も取得している。このエリートビザ、まぁ性質は観光ビザと一緒なのだが、投資に関しては許されているので、実質、投資家のためのビザと言っても良い。

60万バーツ（約200万円）で5年間、100万バーツ（約350万円）で20年間のコースがある。取得するとステイ先探しや銀行口座開設も含め、コンシェルジュが様々なサポートをしてくれる。誕生日のサプライズなんかも用意してくれるらしい。

目標は勿論、100万バーツのコース。帰る予定など、無いからね。

「必ず、タイで成功してみせる。」

そう強く思っていた私は、静かな情熱を宿し、高級デパートを巡ってモチベーションを高めていた。

これらのデパートを巡っていたのは…そういった意味もあったと思う。

欲しいけど、買えない。そんな状況を反骨精神に変え、原動力とした。

絶対に這い上がってみせる。

…そう思っていたのさ、その時は。

—その42へ続く—

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