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いいなぁ

私と彼女は、真っ白なショッピングモール兼、図書館の様な建物の中にいた。

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周りは本が沢山あった...様な気もするし、無かった様な気もする。中には綺麗なカフェがあり、そこもやはり白を色調としていた。

彼女はそのカフェで、絵を描いていた。

私は彼女が絵を描いている間、その辺をうろつき、終わるのを待っていた。しかし、痺れを切らしたのか、カフェに戻って彼女の様子を見に行った。

「終わった?」

私がそう尋ねると、目の前に何枚もの絵が飛び出して来た。

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その絵のほとんどは、カフェ内で描いたとは思えない、どこかの風景画だった。例によって、その絵を持っているはずの私の手は視界に入らなかった。

私は絵を見て、(おかしいな?彼女は自己顕示欲が強い方だし、絵の中に必ず自分を描くと思ったんだが...)と思った。

すると、その私の思考と辻褄を合わせるかの様に、絵の真ん中にすぅーっと...笑顔の彼女が浮かび上がった。まるでその背景をバックに、写真を撮ったかの様なレイアウトだ。

顔は...女優で言えば石原さとみ風だった。そして、中国で私と関係を持った水商売の女にも似ていた。つまり、私のタイプだった。漫画で言えば「ツルモク独身寮」のみゆき...って、誰も知らねぇか(笑)

彼女は絵を描くのを止め、確かジュースを頼んだ。

それを見て私は、「意外に乙女なモノを頼むねぇ」と茶化す。

すると彼女は私を「じぃーっ」と横目で見、ムッとして見せた。

(¬_¬ )じぃーっ...

「はは、ごめんごめん」とすぐフォローを入れた後、さらに私が続ける。

「俺ってさ、『いやぁ〜ん』とか、『出来なぁ〜い』とか...猫撫で声出してくる女って苦手だから...」

私の女性の声マネを聞いて、彼女は吹き出した。

「ほら...君は何と言うか、知的じゃないか。目に力がある。芯があって、自分を持ってる。そうでしょう?」

...彼女は黙って聞いている。

「そう...自分を持っていて、しっかりしてるんだ。俺はやっぱり...その、そういう女性が...」

...私は声を詰まらせた。

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驚いた...。夢の中で私は照れた。そこには「感情」が存在した。

いや、正確には違うな...。そんなシチュエーション、そして自分を客観的に見ていた。あたかも「そこで照れて声を詰まらせる事」が決まっていたかの様だった。その「演劇」を私?が近くで、しかし遠くから見ていた。

言葉選びに悩んだ私は、頭の中で辞書を開いた。

そこで、最適と思われる言葉を選んだ。

その言葉は...

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...バカ!俺のバカ!

愚かにもその単語を導き出した私は、「いいなぁって...思うね」と続けた。

...その言葉を聞いて、彼女がどう思ったのかは分からない。

それから程なくして、この「現実世界」へと戻った。

やれやれ...。夢の中でくらい、上手くやれよな。

しかし...「私」とは、何なんだ?

主観とは?客観とは?

意識とは?精神とは?魂とは?

...私は......どこなんだ。



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