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【報告10】《温泉・旅館関連その1》温泉の泉質にこだわる?〜香港人訪日アンケート〜

まえがき

今回から《温泉・旅館編》16問です。
アンケート全50問の中でこのジャンルに1番多くの設問をおきました。
と言うのも、旅行やSNSの利用状況、食に関するアンケートは多くあるのに対し、旅館関連のデータは少ないように感じていました。

日本のインバウンドは地方旅行の充実度に寄るものと考えます。
なぜならそこに「本当の日本」「海外の人に感じてもらいたい日本の姿」があるからです。

日本人は日本国内を観光旅行しますが、海外のゲストからすると観光と言うより「日本」を体験しに来ていると思います。そこに訪日の本質があるのではないでしょうか。

そうであれば、今回から4回に分けて報告する《温泉・旅館編》は今までとは違う側面から訪日ゲストを知るヒントになるのではと期待しています。

アンケート集計〜温泉・旅館関連〜

アンケート概要は以前の投稿をご覧ください↓

温泉旅館関連の回答者構成 /(回答者数:268名)
温泉旅館関連のアンケートに回答してくれた人の構成は以下の通りです。

スクリーンショット 2020-03-12 午後4.59.40

今回の設問
【問9】温泉に対するイメージは?
【問10】温泉の泉質にこだわる?効果を気にする?
【問11】温泉には誰と一緒に入りたい?
【問12】この中で1番入ってみたいお風呂の写真は?

今回はこの4つを見てみます!

【問9】温泉に対するイメージは?

スクリーンショット 2020-03-12 午後5.30.53

「遠い・田舎・不便な場所」はマイナスな答えではなく「良い意味」で答えてくれている人が多くいました。
遠い程、不便な程訪問し甲斐があると考えるリピーターは多くいます。

【問10】温泉の泉質にこだわる?効果を気にする?

スクリーンショット 2020-03-12 午後5.31.03

香港人は普段の生活で湯船に浸かる習慣はありません。
日本人の様な「お風呂が恋しい」とか「お風呂であったまる」と言う感覚はなく、あくまで日本風情を楽しむイベントだと思います。

温泉は健康に良い事は知っているが、それ以上詳しくは知らない。

多くの海外ゲスト(ここでは香港人)がこの程度だと思った方が良いと思います。
ですので「うちの温泉の泉質はこうでああで…」と説明されてもあまり響かないと思います。(一応聞いてはくれると思いますが)

【問11】温泉には誰と一緒に入りたい?

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意外と多い「1人でゆっくり派」。温泉好きな人に多いみたいです。
「恋人(夫婦で)と一緒に入りたい」がダントツ多いですが、過去報告の「旅行は誰と行く?」でも42%が恋人・夫婦と旅行へ行くと回答しており、温泉でも同様の結果となっています。

【問12】この中で1番入ってみたいお風呂の写真は?

スクリーンショット 2020-03-12 午後5.31.30

クロス集計

スクリーンショット 2020-03-12 午後5.36.02

客室付き露天風呂と絶景大浴場の2強です。違いと言えば「費用」がまずあげられると思います。

費用で見ると:
客室付き露天風呂>絶景大浴場

実際に利用するかどうかは別として、憧れが強いのは客室付き露天風呂だと思います。

また、友人の温泉好き香港女子からすると絶景大浴場は商材写真と現実との差が大きい場合が多々あると言っております。インスタで一目惚れした川沿いに露天風呂がある温泉宿に行ったが、写真とは全く違って残念だった話をしてくれました。

客室付き露天風呂は気兼ねなく写真撮影できる点も大きな動機のようです。さすがに大浴場にスマホ持っていけないですよね。(それでもよく見かけますが)客室付き露天風呂での映える写真のSNS投稿は多いです。

#private_bath   

旅館滞在の本質をどう伝えるか

温泉や旅館滞在は地方旅行のハイライトですが、インバウンド客にとって最もハードルの高いトピックであることも事実です。
本質的な部分がまだまだ理解されておらず、日本風のイメージを体験するだけにとどまっています。
それは海外に届いている情報が、どこも同じ絵(写真・イメージ)である事、それぞれの地方文化、温泉文化、旅館滞在の醍醐味・意味が発信されていないからだと思います。

《外国人の旅館のイメージ1》
懐石料理(どれも同じような写真)
和室(どれも同じような写真)
温泉(どれも同じような写真)
ウェブサイト(どれも同じようなサイト)
《外国人の旅館のイメージ2》
時間的制限が多い(風呂時間・食事時間・布団敷き)
ルールが分からない(お風呂の入り方・和室の使い方等)
何が特別か分からない(地域の特徴・旅館の歴史・こだわり

この状態で何が頼れる情報かというと「口コミ」しかありません。
駅前のビジネスホテルはコスパで選ばれますが、旅館は「口コミ」で選ばれる要素が多いです。「ただ休むだけ」ではないのが旅館滞在ですので、他との差別化、海外からのゲストがそこまで赴く意味にも繋がる「ストーリー」が必要だと考えます。

香港をターゲットとしたインバウンド誘客のヒントになれば幸いです。
温泉・旅館編の報告は4回に分けて投稿します(報告10〜報告13)

今日はここまで。
ありがとうございました!

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