Moon Sujin(문수진)「Lucky Charms!」


Moon Sujin(문수진)「Lucky Charms!」のジャケット


 韓国のポップ・ミュージックを追っている者は、ムン・スジンの名を耳にすることが多いだろう。EXO-SCやテイル(NCT)などさまざまなアーティストとコラボレーションを果たしてきたことからもわかるように、彼女の歌声は各方面から高く評価されている。自ら作詞作曲をこなす力もあり、愛聴してきたというアメリカのR&Bやヒップホップの要素が色濃い曲群は上質なトラックばかりだ。

 そんなムン・スジンにとってファーストEPとなるのが「Lucky Charms!」である。本作ではR&Bやヒップホップはもちろん、ファンクとディスコのスパイスも強調することで、自身の多彩な引きだしを上手くアピールしている。
 このスパイスがもっとも濃厚なのはオープニングを飾る“Sometimes (Feat. Miso)”だ。シンコペーションが効いた肉感的ベース・ラインとリズミカルなギター・カッティングを特徴とするこの曲は、心地よい横ノリでリスナーを踊らせるディスコ・ナンバー。トッド・テリエやプリンス・トーマスといったスペーシーなディスコを作るアーティストが脳裏に浮かぶサウンドである。
 “OUT”も秀逸な曲だ。本作の中でも特にハウス・ミュージックの要素が鮮明で、『Discovery』(2001)期のダフト・パンクを彷彿させるメタリックなシンセと軽快なグルーヴが際立つ。

 シンガーとしてのムン・スジンを楽しむなら、“The Sweetest”も見逃せない。台湾を拠点に活動するカレンチーチー(Karencici)と共に、艶かしくもパワフルな歌唱を披露してくれるからだ。韓国と台湾の音楽シーンで輝く才能が交わるという意味でも、筆者の耳を強く惹きつける。

 「Lucky Charms!」は、以前から知られていたムン・スジンの高い実力をあらためて感じる作品だ。全曲に作詞作曲で参加するだけでなく、韓国外のアーティストをゲストに迎えられる彼女の人脈の広さも光る。



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