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勇気を分かち合う関係

特に人間関係で悩みがある、というわけではないのですが、とても居心地が良い、良い時間が過ごせたと思うとき、それはどんな状態なのだろうと考えたとき、僕の中でとてもしっくりくる言葉がみつかりました。

アウトプットに集中するということ

僕は2008年に堀田カーペットに入社し、それは堀田カーペットの3代目になることが前提で入社したのですが、その当時、様々な経営者の会に誘われ、誘われるままに参加していました。後継者として入社すると、まず何をしていいかわからない。経営の勉強の必要性を感じる、そんなときに様々な方からお誘いがあって、なんとなく参加することになる。こんな経験がある方は多いのではないでしょうか?

ですが、少しずつ時間がたつと、確かに勉強になるところもあるのかもしれないけど、これって本当に自社に役にたっているのか?ただの飲み会ではないのか?など疑問に思う瞬間が出てくる、という経験がある人も多いのではないでしょうか?

僕は今は、いわゆる経営団体を一切やめてしまいました。それは、インプットではなく圧倒的にアウトプットが重要だと思ったからです。経営団体も、それなりに長い時間いると、友達もできるし居心地もよくなるので、やめるのには少し勇気がいるのかもしれません。でも、今の僕のコンディションにとっては、やめてよかったと思っています。

社長会

経営団体には一切所属することはやめたのですが、一方で定期的に行っている会があります。その一つが、その名も「社長会」。中川政七商店千石社長、THE株式会社米津社長、株式会社漆琳堂内田専務、浅野藝術株式会社浅野社長、飛騨産業株式会社岡田常務、そして僕の6名で月に1回集まっています。

はじめのきっかけは、千石さんと「社長もたまには愚痴いいたいよね!社長会やろ!」という軽いノリではじまりましたが、予測していたことではありますが、誰もまったく愚痴などいうことなく、ひたすら経営の話をする会になっています。19時に集合し、ご飯を食べながら喋り、2次会にいってもまた喋り、5時間くらい頭フル回転の状態です。結局愚痴の言い合いではなく、社内に発表する前に、一度みんなに聞いてほしいことや、こんなブランドつくろうと思ってるけどどう思う?や、社内教育ってどんな方法でやっている?とか、毎回違う人が中心になって、意見を率直に聞ける大切な場になっています。

僕は、この会が大好きで、一緒に集まっているみんなのことも大好きなのですが、なぜそう思うのか?を考えると、いくつか理由があることにきづきました。

・異業種なようで異業種でもない(なんとなく共通項がある)

・経営やデザインに関する共通言語がある

・なんでもしゃべれる(会社の数字も赤裸々に)

・それぞれ若干得意分野が異なっていて知恵の交換ができる

・みんな良い人

最後にこれが一番だと思ったことが

・傷の舐め合いではなく、勇気を分かちあえること

社長会では、聞いてほしいことが多すぎてあんまり話には出ませんが、みんな経営者として日々危機感を感じ、不安と戦っている部分が少なからずあるのだと思います。僕自身は、まさしくそうです。いける!と思ったかと思うと、この判断は正しかったのだろうか?という不安、スピード感が足りていないことに対する焦り、本当に様々な期待感と不安感を行き来しています。

いくら不安に思っても、焦っても、「やるべきことを一歩ずつ前に進めていく」以外に選択肢はありません。そんなとき、ありがたいことは、ほんの少しの勇気、ほんの少しの後押し、をしてくれる仲間がいることです。

僕にとって社長会とは、そんな場になっています。毎回みんなの話しを聞いて、ますます焦ったり、自分自身の知恵のなさに戸惑ったりするのですが、結局やるのは自分であり、自社でしかありません。だからこそ、「勇気を分かち合える」という関係が、僕にとってちょうど良いのです。

励ますでもなく、頷くでもなく、率直に意見を言いながらも、最後の社長としての決断に対して少しの勇気わけてくれる存在。

こんな方々と一緒にいれることが、僕にとってとてもとても貴重で豊かな時間になっています。僕自身も社長会のみんなだけではなく、僕のまわりにいるみんなに、少しだけ勇気を分けられる人でありたいと思っています。

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