ジャックニコルソン 考察④ ファイブイージーピーセス(後編)
ファイブイージーピーセスでボビーが履いているジーパンはLeeですね。いま見てわかりました。
ジャックニコルソンの発作的演技はこの映画でも発揮されているが、この映画に出ている他の演者たちも相当なクレイジーっぷり。いや、と言うよりもジャックニコルソンが1番まともに見えて来る。
なんでこの映画がこんなに好きなのか考えてもはっきり答えが出ない。ただ、自分のしたいこと、自分らしく生きていると胸を張って言える人たちがこの映画を観たらどう思うのか?きっと俺とは違う答えが出るやろう。
真面目に生きるのがそんなに正しいのか。安定した生活がほんとに幸せなのか。夢があることがそんなに素晴らしいことなのか。
決してそれだけじゃない。スポットライトが当たらないとこでもがいてる人もいる。
そう思っている人もたくさんいる。じゃあそっち側の人間はどうしたらいいんだ。そんな想いがジャックニコルソンによって表現されている。
このシーンはジャックニコルソンが出演しているいろんな映画の中でもベスト1かもしれない。これはボビーじゃなくてジャックニコルソンが泣いている。あの泣き方はマジ泣きというのは誰でも観ればわかる。そしてこの瞬間にボビーになにかの決心が付いたとおもう。詳しくは町山智浩さんの解説を。
映画ドクタースリープでダニーがオーバールックホテルのBARでバーテン姿の父親のお化けと話すシーンがあるけど、あれはファイブイージーピーセスのこのシーンから来てるんじゃないかと勝手に思っています。
この映画がグッとくるのはボビーと自分が重なるところ。でもあの結末は俺にはできない。する勇気がない。人生を劇的に変えるにはボビーのように一度自分をぶっ壊さない限りなにも変わらない。でもそんなことができる人はなかなかいない。
結局、俺はボビーの周りにいた人達と同じなんだとこれを書いてはっきりわかった。
大好きな映画のことを初めて考えてみたらボビーの気持ちが昨日よりも少しわかった気がする。いやぁ、いい映画やなぁ。