感じること意識することが難しいもの／SMBC meets Contemporary Art 〜 Come take a look!

大手町の三井住友銀行東館で開催中の
「SMBC meets Contemporary Art ～ Come take a look!」を鑑賞。
タグチアートコレクションの現代アート作品18点をたのしむ。

SMBC meets Contemporary Art ： 三井住友フィナンシャルグループ

個人的に目と心と頭が動いた作品をピックアップ

「Untitled May 31／無題 5月31日」 1989 キース・ヘリング

「Untitled May 31／無題 5月31日」
1989
キース・ヘリング

ふたりの身体は気持ちよく一緒に踊っているように見える。
ふたりの身体に近い心の部分も気持ちよく通じ合っているように見える。（ハートの下側の線を心の動きと解釈）
ただし、ふたりの頭の中は意識が様々な方向に散ってしまっている。（ハートの左右と上にうねうね伸びる線を思考と解釈）
どうしたらお互いもっと心地よく過ごせるのか。

「Fragments of a Metropolis／都市の断片」 2016 ホセ・ダヴィラ

「Fragments of a Metropolis／都市の断片」
2016
ホセ・ダヴィラ

輪から考えられること：つながり、囲む、くぐる、切り取る（場所や時間）、視点
輪の色から考えられること：多様性、感情の変化、時間の変化
輪が静止していることから考えられること：時間の停止、特定の時間を切り取る、輪の中に見える空間を切り取る
輪の交差から考えられること：平行世界、一人ひとりの世界(視点)が混じり合う、コミュニティ
地面の鏡から考えられること：別の角度から見る、離見の見、顕在化／潜在化
これらから考えられること：空間によりつくられる記憶、一人ひとりの記憶が空間を通して混じり合う

「Be-Hide(Semicircle)／Be-Hide(半円形)」 2020 アリシア・クワデ

「Be-Hide(Semicircle)／Be-Hide(半円形)」 2020 アリシア・クワデ

「Be-Hide(Semicircle)／Be-Hide(半円形)」
2020
アリシア・クワデ

目に見えるもの、目に見えていないもの
顕在化しているもの、潜在化しているもの
意識しているもの、無意識なもの
認知のメタ認知、メタ認知のメタ認知、メタ認知のメタ認知のメタ認知、メタ・・・
プログラミングの再帰処理を連想。

「Western／ウェスタン」 1991 エドワード・ルッシェ

「Western／ウェスタン」
1991
エドワード・ルッシェ

この作品はすごく心惹かれるのだけど、それがなぜなのか言葉にするのが難しい。
言葉にすることはできるけど、それをあえてしたくない感覚。
「たまには言葉を手放してみては」と心が言っている。

「Human Scale(Loop Pool)／身体尺度(環状プール)」2019 エルムグリーン＆ドラッグセット

「Human Scale(Loop Pool)／身体尺度(環状プール)」
2019
エルムグリーン＆ドラッグセット

プールに入る時のハシゴと飛び込み台。
ハシゴでゆっくり入るのか？飛び込み台から飛び込むのか？
飛び込み台で飛び込んだ後に、ハシゴでプールから上がる。
飛び込み台は入り口、ハシゴは出口であり入り口でもある。
作品の高さは人の身長くらい。
人の中のプールってなんだろう？潜在意識？
輪の空間や社会とのつながり。様々な社会への出入り。

「Natasa／ナターシャ」「Manfredi／マンフレディ」 2018-2019 グザヴィエ・ヴェイヤン

手前「Natasa／ナターシャ」 、奥「Manfredi／マンフレディ」
2018-2019 グザヴィエ・ヴェイヤン

この作品はミニチュアにしてもらうと、こども向けの鑑賞で使えそう。
この人はどんな人？この人は何をしている？この人は何を考えている？
どこからそう思ったの？

「Senzenina／センゼニナ(われわれが何をしたのか)」 2018 ハルーン・グン＝サリ

「Senzenina／センゼニナ(われわれが何をしたのか)」
2018
ハルーン・グン＝サリ

「Senzenina／センゼニナ(われわれが何をしたのか)」
2018
ハルーン・グン＝サリ

「Senzenina／センゼニナ(われわれが何をしたのか)」
2018
ハルーン・グン＝サリ

2012年に南アフリカで起きた事件が元になっている作品。
なぜ顔と手がないのか？
この人達は何をしているのか？この人達はどんな気持ちなのか？
この人達は何に立ち向かっているのか？
たまたま目線の高さを合わせて撮った写真の迫力に驚き、圧力や緊張感のようなものを感じていた。
他人事ではなく、自分事として捉えることが大事。
そして植民地支配をテーマに含む作品をこの場で展示しているのがすごい。

「SMBC meets Contemporary Art 〜 Come take a look!」に触れて考えたこと

現代アートは作品を通して、「自分の内外で何が起きているのか？社会で何が起きているのか？を、感じて考えるきっかけ」を与えてくれる。感じること、意識すること、知ること、考えることが難しいものは世の中に沢山あることを実感させてくれる。

SMBC ART HQとは？

SMBCグループの本店ビルを活用したアートのムーブメントをつくり出す取り組み「SMBC ART HQ」。第一弾として、タグチアートコレクションの現代アート作品18点を展示する「SMBC meets Contemporary Art 〜 Come take a look!」を開催。SMBCグループ共通の価値観「Five Values」、アートはそのひとつである「PROACTIVE & INNOVATIVE（先進性と独創性）」につながる。

「SMBC meets Contemporary Art 〜 Come take a look!」のキーワード

「SMBC meets Contemporary Art ～ Come take a look!」のキーワードは「国際性」「信頼」「継続性」「チャレンジ精神」。

SMBC meets Contemporary Art ： 三井住友フィナンシャルグループ