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インスリン、糖尿病、生活習慣病(6)眼底網膜症:とにかく失明は怖い、学ぶことで「よく生きる」

眼底網膜症での失明は、もともとの毛細血管が出血して起こる問題ではない。眼底の細胞が苦しんで「新生血管」を呼び寄せて、その血管が脆いから起こる。

眼科医に失明の予告をされて、考えた。糖尿病で毛細血管が「ボロボロ」になリ失明すると言うならば、全身の95,000kmの毛細血管全部がぼろぼろになるのだろうか?それから血管を学び、眼底網膜症を学んだ。


レーザー凝固の手術は出血している新生血管をレーザーで焼き潰すだけである。出血は止まり、見えやすくなる。しかし、眼底細胞の苦しみを取り除けなければ同じことが繰り返されるのだ。

そして、時間が経つと同じことが繰り返される。

眼底

何が眼底の細胞を苦しめるのだろうか?

眼底の毛細血管は「BRB=血液網膜 関 門(blood-retinal barrier:BRB)」と呼ばれる特殊な構造をしている。毛細血管を作っている細胞のシートには穴がなく、必要な物質は血管内皮細胞を通り抜けなければならない。これがblood-barrierと言われる構造なのです。

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毛細血管の内側(血液の流れている側)から血管の外側に物質を運んでいます。通常ならば血管から細胞のシートを通して運ばれている物質が眼底に届かなくなたらどうなるのでしょう。眼底細胞は苦しみ助けを呼びます。

新生血管を呼ぶ血管誘導因子(VEGF)はがん細胞も発することは有名な話です。多くの医学書ではこの現象を異常だといいます。しかし、異常な状況における当たり前の反応だとは思えないでしょうか?

膜構造の破綻こそが問題だ

これと同じ問題は「身体というコロニー」の中で、様々な局面で見られます。

髄膜は脳と神経を守ります。細胞が強く結びついて(タイトジャンクション)外と隔離して内側の組織特異性を維持します。

お代わりの出来ない組織(細胞が死んだら同じ役割をする細胞が生まれない)は「タイトジャンクションで結びついた細胞のシート」に隔離されています。そうしなければ特定の物質がその組織内にたなることはありえません。

亜鉛が膵臓に必要であったり。眼底にルテインが、膝の関節にはコンドロイチンが、特異的に多く有ると医学は考えます。そして欠乏すること絵問題が起こると考えるのです。

だから、サプリメントなどで欠乏している要素を飲ませます。しかし、欠乏している要素はモンぢの組織ん居集まることが出来ません。組織を包んでいるシートがまともに機能していなければ穴の空いたバケツに水を貯めるようなものです。身体全体の濃度は高くなるかもしれませんが、必要な組織の内側には貯まらないのです。

また、「組織を覆うシート」は炎症の発生する場所でもあります。自己免疫疾患と言われる様々な問題は、境界面で起こるのです。そこは免疫の戦場でもあるのです。

この組織を守る細胞のシート関して調べ始めると意外なほど研究がありません。余りに大きな範囲の問題であり、本当に基礎研究なので、「創薬・製薬」と言う出口がないのです(製薬会社が金を出さない)。

今私達を恐怖させている「災厄」の原因は、「商品化された食事」がもたらす「長期的な栄養失調」ではないかと考え始めたのもこの頃です。

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眼底網膜症の本は結構昔から手術は進化していないように見える。糖尿病の専門誌でも定期的に特集が組まれるが、画期的な発見はないようだ。ある意味、枯れた技術なのだろう。老人になると何度も起こるようだ。こういう現実を見ていて、眼科医の人自分にやがて来る運命とは考えないのだろうか?

この写真の本は20年以上前の本だが、さほど読むところはない。詳しく症例が載っていて、見ていると嫌な気持ちになる(殆どの症例解説の本はそうだ)。

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厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。