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キャリアの世界に「國分先生のエンカウンター」を定着させたい~教育カウンセラー養成講座で講座を担当しました

12月25日,教育カウンセラー養成講座(兵庫会場)の「構成的グループエンカウンター®(SGE®)」の講座を担当しました。(「構成的グループエンカウンター」及び「SGE」は,NPO法人日本教育カウンセラー協会の登録商標です。)

SGEは学校教育の世界で広がっていて,学校の先生が学ばれることが多いのですが,國分康孝先生は,我が国のキャリアカウンセリング(キャリアコンサルティング)にも大きな影響を与えており,キャリアコンサルタントの養成カリキュラムに,「グループアプローチ」の一手法として紹介されています。

ところが,キャリアコンサルタントの資格を保有している約7万人の方で,國分先生直伝のSGEを体験された方は,あまりいらっしゃらないのではないかと推測しています。そこで,キャリア支援の分野でSGEに取り組んでみたい人は,日本教育カウンセラー協会のSGEを体験してほしいと思います(実際,体験してくださるキャリアコンサルタントもいらっしゃいます)。

SGEでは,「ふれあいと自他発見」によってメンバーの行動変容を促すことを目的・ねらいとしています。ふれあいとは「ホンネとホンネの交流」であり,「心と心の通い合う出会い」を言います。

現代社会において,私たちは周囲に合わせたり周囲とうまくやっていくために,本当の自分の感情を抑圧しながら生きています。しかもそれを無意識のうちにやってしまいます。その結果,本当の自分の希望や感情がどこにあるのか,また「あるがままの自分」がどんな状態なのか,分からなくなってしまいます。これを「自己疎外」と言います。(キャリア支援の立場でこれをとらえるならば,大学生が「やりたい仕事が見つからない,自分の強みが分からない,会社説明会に参加してもピンとこない」という状態が,自己疎外の一つの表れであると考えます。)

いったん社会から距離を置くことができる環境でSGEのプログラムに取り組み,自分の「ホンネ」は何かを感じ取るとともに,それをグループの中で表現する。また,他の人からぶつけられる「ホンネ」を受け取って,自分自身で気づいていなかった自分や,これまで分からなかった他者の本当の姿を知ることで,自他の違いやかけがえのなさを発見する。そのことが,自分自身にあった「特定の感情・思考・行動へのとらわれ」の発見へつながる。その「とらわれ」を脱却することで,自分の行動を変化させる(あるいは行動が自然に変化していく)。これによって自己疎外から脱却するのがSGE(おおもとのSGE=ジェネリックSGE)の狙いなのです。

SGEに取り組むメンバーのことを,國分先生は「人生の求道者」と呼びました。SGEに取り組むことは,それぞれが自分の人生に向き合い,よりよい人生を目指していくことでもあります。言い方を変えれば,SGEに取り組むことは「人生キャリア」を考えることであり,キャリア支援とSGEは共通の目的を目指して展開されるのだということが了解されると思います。

キャリア支援でグループアプローチに取り組みたい,とりわけSGEに取り組みたいと思う方は,ぜひジェネリックSGEの体験をお勧めします。自分でSGEを体験することで,自分のキャリア支援の在りようも変化し,自身が行う「キャリア支援としてのSGE」もきっと変化するはずです。



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