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千野鶴子
2020年12月29日 17:16
ある南の町で変わった行事を見た。大晦日の日没前に、住民は皆家を開け放ち、町が見下ろせる崖の上へ集まるのだ。大晦日の前から1ヶ月ほど、住民は家中を掃除して塵を家の前へ積んでいく。そして大晦日の前日に不要品を道に出して、崖の上へと移動するのだ。「何故こんなことを?」と、いつも町を案内してくれる若者に訊くと「見てればわかるよ、ちょっとした見物だ。」と若者は答えた。大晦日、日が落ちてあたりが