通貨発行権、ロスチャイルド、ステーブルコイン JPYC6

通貨発行権とそれによって得られる利益で絶大な権力を得た一族がいる。
私はそれを得るための執念がどのように育まれたかを想像することができる機会があった。
以前、フランクフルトに出張した際に一日自由時間を手に入れた。気ままに散歩していたら、マイン川(ライン川の支流)のほとりに『ユダヤ民族博物館』と書いてあるらしいドイツ語で表示された邸宅のような奇妙な雰囲気の建物があった。

恐る恐る中に入ってみると、ユダヤ民族がドイツでどのように差別されて苦しんできたかの歴史をこれでもかと展示していた。第二次世界大戦時はユダヤ民族迫害から逃れるために、雪のアルプスを手を取り合って超えたビデオを繰り返し映し出しているモニターまであった。それが普段着にコートを着て粗末な靴で子供もいてこれで雪のアルプスを本当に越えられたのか? はたまたそんな時期になんでこんな動画の撮影ができていたのか? と疑問がわいてくるものだった。

フランクフルトのゲットー(ユダヤ人居住特別区)の歴史も展示されていた。そもそもユダヤ人迫害がひどすぎて、ユダヤ人を一か所に集めたこと。狭いところに詰め込まれて、ひどい居住環境であったこと。そのゲットーのぼろい建物すら、しばしば放火されさらに苦しんだこと等が延々展示されていた。

こんなに私たちはひどい目にあってきたという展示以外に唯一覚えているのは、王侯貴族から金を預かってその細工をしたり、その預かり証をだしたりしたことの展示だった。

それが、通貨、お札の原型のようなものだったということらしい。

そして、その建物をでるときに、英語かドイツ語の表示を何とか解読できて驚愕した。その建物は、ロスチャイルドがそのゲットーを出て初めて建てた自宅だったという歴史のある建物だった。邸宅は邸宅だがお城のような豪邸ではなかった。

ロスチャイルド家がのし上がってきた背景には、命を脅かされるほどの過酷で長いユダヤ人の執念が根っこにあった。

そして彼らは、もともとは金(ゴールド)の預かり証や金細工を依頼してきた貴族や王族たちとの関係を強め、一国の経済、実質的な権力を支配するには、通貨発行権を手に入れさえすればあとはどうとでもできると考え始めたらしい。
何が何でもそれを手に入れたいと思えるだけの民族の長い長い屈辱と苦難の歴史があったのだ。

ステーブルコインとは暗号資産経済圏で通貨のような機能を担っている。それはこのJPYCについての過去の記事で説明してきた。

暗号資産は仮想通貨と呼ばれていたが、法定通貨に対する変動が激しすぎて、確かに通貨と呼ぶには無理があった。ただ暗号資産を扱う人たちは、法定通貨に戻した時点で課税されたり、色々と面倒にかんじるらしく、暗号資産だけの経済圏で通貨的な役割を持つものを期待していた。

そこでステーブルコインは暗号資産の経済圏の成長に合わせてその時価発行総額を増やしてきた。世界の基軸通貨は米ドルなのでそれと価値をほぼ連動するステーブルコインは、特に国籍をあまりきにしない暗号資産経済圏でよく使われるようになった。

日本にいると自国の問題点に気が付きやすいが、日本円は世界的に見れば、十分にすくなくとも相対的には信用の高い通貨である。いくら日本が赤字国債が増えても、そのほとんどは日本人が買っていること。日本が過去の貿易黒字を累積して世界有数か一番の債権国であることも大きな要因である。

以上からも日本円と連動するステーブルコインは今後より使われるようになっていく可能性は高い。JPYCは今現在、面白いポジションにいる。僕は推奨も否定もしていない。冷静に事実を書いていくつもりだ。どうしても人の観点を完全にニュートラルには維持できないので、お気づきの点あれば指摘してもらえればなるべく素直にそれを受け入れてから考えて次からの記事もかいていきます。



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