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ロックバンドがこれまで発表した全ての曲(149曲)をひとつのツアー(全25箇所)で演奏したらどうなるか。

全25箇所、全149曲のコンプリートツアーBIGMAMA COMPLETEを終えて。

全くもっておすすめはしませんが、万が一、億が一、後進を志す稀有な方が居た場合のため、または、ただの思い出づくりも含めて、良かったこと、悪かったことを、自分なりに検証し、ここに記録として残しておきます。
※あくまで個人的な見解です


2023年、主に1月、2月をリハーサル、準備期間、
そして3月、4月が、実際にツアーを周っていた期間です。
まずリハーサルの段階から作品ごとにInstagramtiktok、YOUTUBEを使って積極的に配信をしていました。なぜならコンプリートツアーにはネタバレという概念がないからです。

<良かったこと その1>

ネタバレの概念がない◎

BIGMAMA COMPLETE

演奏曲も内容も、ひとつとして同じ日はありませんでした。
つまり、何をどこでどう切り取って隠す必要もなかったわけです。
実際にツアーライブ中も可能な限り、スタッフにおまかせで日によって数曲ずつスマホクオリティですが配信をしていました。(ただし、電波状況とか現場によっては不安定な環境下もあるので約束はせずに)
コンプリートしていく過程を届けられる、ファンの方が自分の参加したライブ以外にも、ツアー自体を楽しんでもらえる試みは、ひとつ取り組みとして新しく、良かったところに挙げられるかな、と思っています。

<良かったこと その2>

ミュージシャンとしての仕上がり◎

BIGMAMA COMPLETE

決まったメニューを突き詰めて磨き上げていく通常のツアーと異なり、
今回はひたすらに、日ごと演奏する楽曲が入れ替わっていくスタイルでお送りしていました。
つまり毎日鍛錬に追われていましたし、リハや本番含めて、初日のような緊張感の繰り返しが続き、技術の中でもより基礎の部分、そして現場の対応力というか、柔軟さの部分が特に鍛え上げられたのではと思っています。
実際に今日はあの曲でこういうセッションをつけよう、とか、ここでこれくらい間が欲しいから、誰か音を繋いでおいて欲しい、みたいな表現の余白のような部分に対して、選択肢やアイデアが増えたのは間違いなく財産だと感じていて、
このツアーを終えてより他のメンバーのことが頼もしく思えている自分がいます。

反面、どうしてもライブの完成度の面に関して、その犠牲や反動になる部分も少なからずあります、その辺りは後述(多分)。

<良かったこと その3>

ライブ制作チームとのチームワークの向上◎

BIGMAMA COMPLETE

実はここがこのツアーの一番の肝だったと思います。
昨年我々BIGMAMAは心機一転、事務所を変えたタイミングで、
照明、音響、楽器、などライブ制作のチームの、ほとんどの方が入れ替わり、
チーム編成が刷新されたタイミングでもありました。
そこでこの企画です。それらの方々に対して、どうせならいっそ丸ごと僕らの歴史ごとお世話になります!みたいな気持ちも無きにしも非ずでした。
ただ、まだ付き合いの浅い関係で、お互いにフラットな状況、関係値で、
この短期間に全ての曲のオペレーションを作ってもらわなくてはなりませんでした。そこは吉と出るか凶と出るか、丁半博打の要素もあったのですが、
結果として、嫌な顔ひとつせずに、こちらの変更に悉く付き合ってもらえたこともそうですし、自分たちの全ての武器(楽曲)について、メンテナンスがなされ、より磨きがかかったことや、真っ新な視点で、アイデアを沢山もらえたことはこのツアーの1番の宝物に感じています。

<良かったこと その4>

ツアー中にチケットの券売に伸びが見られたこと○

当日券然り、ツアーの終盤にかけてその需要が高まっていくという現象が起きていました。
通常リリースのないツアーだと、どうしても宣伝に苦戦したり、メディアに取り上げてもらうことだっったり、プロモーションすること自体が難しくなってしまうのですが、この場合ライブが良かった→もう一本行こう!という流れが自然に生み出せたところにその要因があると思います。
その上で、良かったこと1の部分の、配信しているところも作用していたのではないかなと考えています。

<良かったこと その5>

次に向けての足並みが揃う○

これは人それぞれだとも思うのですが、
自分たちの場合、最終日の公演で全ての曲を演奏し終えた時に湧いてきたのは、
新しいものへの過去最大の創作意欲でした。
あらゆる物欲、コレクター的の感情ももしかしたら同じかもしれないと思ったのですが、全て揃えた後って、虚無というか、きっともう新作を待つことしかできないじゃないですか。
で、だったら自分たちでまた新しいもの更新していけば良い、
全て棚に揃えて飾った後に、次はそこに何を並べよう、みたいな意識で、未来の方に向いて足並みが揃っていた感覚はこれまでにないというか、必ず次の作品に、翼となって、ジェット噴射のように、影響してくるんじゃないかなと思います。


なので良かったことをまとめると、
一才のネタバレを気にしなくて良くて、ミュージシャンとして成長できて、チームワークが向上して、チケットの券売が伸び、創作意欲が湧いてくる。です。

そして発表されたのが新作の約束と、
ZEPP TOUR

なんだよ良いことずくめで最高じゃん!

と思いきや、世の中そんなに甘くはありません。
苦労したこと、大変だったこと、良くなかったことはこちらでひっそりと↓


褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。