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最終的には"人"や"思い"で出来ている

自分たちの出番を終えて、イベントの主催者に、
その手応えや感触を興奮のまま伝えている最中に、ふとパソコンの画面に目をやると、駅の名前が長い丸で囲まれており、それが黄色や赤色に光っていた。
その時はそれが何かも特に気に留めることもなく、挨拶や着替えを済ませ、見たいと思っていたアーティストのライブの最後に間に合って、再び楽屋に戻ると隣の隣の楽屋からなぜかヴァイオリンの音が聞こえてくる。

そこでようやく自分は、どうやら新幹線が停電のため止まってしまっていることを知って、先ほどの画面がJRの運行状況を確かめるものであったことを思い出す。

スマホを見れば名古屋駅の混雑の様子が画像で流れてきて、どうやら今駅に向かうべきではないとの連絡をもらう。帰りの予定は一旦白紙に。これは一体この先どうなるのか、誰もわからない状況。

なんだか帰るに帰れないというか、
もしも何かできることがあったら言ってください、という旨を告げて、そこから一つのイベントがなんとか無事に成立するまでに、表方だけでなく、裏方の見えないところでも、音楽が届くまで、ありとあらゆる助け合いがなされながら、それぞれが尽力していく姿を眺めていた。

おそらく最後のアーティストが到着できることに安堵し、僕らは会場を後にした。こう言う時は特別なパワーが出るから、みたいな適当なことを言い残していったけれど、あながち間違いではないと思う。

その後、駅に向かう時も、着いた時も、東京に着いた時も、あらゆる行列や渋滞に辟易としながらも、それでも今日が良い日だったな、プラマイ全然プラスかなと思えるのは、もちろん自分たちが良いライブをしたなということに加えて、音楽を届ける現場の、あらゆる人の頑張りや底力を目の当たりにして、その眩しさに勇気をもらったのだと思う。

どんな大きな物事、イベントでも、元を辿れば、最終的には"人"や"思い"が作っている。
それが欠けたものは、表向きは上手くいくかもしれないけれど、きっと長くは続かないだろうし。
悔しい思いをした人も、悲しい思いをした人も含めて、色んな人の頑張りがいつか報われると良いなと思うし、それを噛み締めた上で、きちんと背負った上で、ステージに立ちたいと思う。

余談ですがメッシがW杯のトロフィー掲げる見たら泣いちゃうと思う(マジ余談)。




褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。