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石鎚山の紅葉を見るため「成就ルート」から初登山したら危険な山だった話

仕事が一段落して…3〜4日ほど時間が取れそうになったので、以前から嫁さんが行きたがっていた「石鎚山」へ登山をしてみようという話になりました。

ちょうどタイミングよく10月上旬くらいから紅葉がキレイだという情報も入手していたので、その日のうちにホテルを予約して次の日の早朝には出かけるというフットワークの軽さで出発しました。


石鎚山へのルートについて

石鎚山へ行くには、主に「成就ルート」「土小屋ルート」の2種類があります。(面河方面からのルートもありますが初心者向きでないため今回はパス)

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「土小屋ルート」は短時間で山頂を目指せるのですが、基本的に車がないと不便な場所にあるので今回は「成就ルート」から行くことにしました。

「成就ルート」はロープウェイを使うか使わないかで、さらに2種類のコースに分かれます。ただしロープウェイを使わないコースは上級者向けであることを知り、最終的に「成就ルート」のロープウェイを使うコースを選択しました。


JR伊予西条駅に到着!

そんなわけで「成就ルート」のスタート地点となるJR伊予西条駅に到着しました。

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少し余裕をもって石鎚山を楽しみたかったので、今日はホテルに前泊してから明日の朝一番で登山をしようと思います。


駅を出てすぐ目の前にあるのがロープウェイ前まで行くバス停です。

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時間を確認すると、朝一番のバスは7:47であることが分かります。
(1020円/大人)

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逆に、JR伊予西条駅まで戻ってくるバスの最終便は、ロープウェイ前から17:23に出発します。なので、ゆっくり石鎚山を楽しむのであればやはり朝一番のバスで行くのがいいですね。


ちなみに、駅を出てすぐ横にはコインロッカーもあります。

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小型(400円)・中型(500円)・大型(700円)のサイズが用意されていて、3日間までなら荷物を保管できるので便利です。(※あとで知ったのですがロープウェイの成就駅にもロッカーはあります)


ホテルの受け付けまで少し時間があったので、駅周辺を散歩していると水が噴き出しているスポットを発見。

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調べると、このあたりは石鎚山系の恩恵によって地下水が豊富にあるらしく、「うちぬき」と呼ばれる自噴地帯になっていてあちこちから水が溢れ出していました。もちろん飲料水としても利用でき、名水100選にも選ばれているそうです。

西条市のホームページには、この「うちぬき」を見ながら散歩できるコースも設定されていて面白いです。


そしてあっという間にチェックイン時間になったので、ホテルで受け付けを済ませました。

余談ですが、今回はちゃっかり「GoToトラベル」を利用したことで激安に宿泊できたのですが、「地域共通クーポン」も2000円(二人分)しっかり頂けました。

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ただし、チェックアウト日までに利用しなければいけないのと、利用できるお店が西条市だとあまり存在しないのが残念なところ。(※結局のところ、フジでお買い物をしました)


バスでロープウェイ前の入り口まで行く

さて、ホテルでしっかり休んだ次の日。

昨日しっかりと時間を確認していたので、朝一番のバスに乗り込みます。

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車内は石鎚山を目指す人たちでほぼ埋まっていました。みんな紅葉を楽しみにしているんでしょう。。


1時間くらいすると、ロープウェイ前に到着します。

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なんだかタイムスリップでもしたかのように、昭和のレトロな雰囲気が漂っているのが気になりました。。


ロープウェイのチケットを購入する

ロープウェイ前から少し歩くとチケットを購入できる場所が見えてきます。

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料金は「片道1000円/大人」(往復2000円)です。

だいたい20分間隔でロープウェイは運行されているので、自分の好きなタイミングで乗ります。この日は人が多いからなのか、さらに臨時の追加運行もされてました。

ロープウェイに乗っている時間は、5分くらいなのですぐに成就駅に到着します。駅内は休憩スペースやお土産などが販売されていて、トイレやコインロッカーもあります。

ここで準備を整えたら、いよいよ登山の開始です!


石鎚神社成就社を目指して歩く

成就駅を出てから、まずは「石鎚神社中宮成就社」を目指してだいたい30分くらい歩き続けます。

すでに紅葉がキレイなのでテンションも上がります。

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さらに嫁さんのテンションも上がり、私を追い抜いてグングン前へ進んでいくので、それに釣られて私の足取りも早くなります。

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そして見えてくるのが「石鎚神社中宮成就社」です。

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ここでお参りをしつつ、とりあえず無事に登山できることを祈りました。

ちなみに、ここにもトイレや休憩用のベンチなどがあり、売店や自動販売機もあります。(※ただし、この先は山頂までトイレ以外はありません)


石鎚山の山頂を目指す

さて、ここから本格的に登山がスタートします。

さぁ、行こう!

と思ったら、すぐにずーーっと長い下りが続きます。山を降りていくので、登山というよりも帰り道のような感覚が続きます。


途中で大きな木がダイナミックに倒れているのを発見。

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台風の影響でしょうか?このあともいくつか倒れている木がむき出しになっていてちょっと怖かったです。

そして、ひたすら山道を下っていきながら1時間くらいしてようやく登り始めたかな?というところで突如として出現するのが「試しの鎖」です。

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写真では伝わらないかもしれませんが、ほぼ垂直の壁です。

しかも「試しの鎖」は、あくまでもこの先に待ち受けている「1の鎖」「2の鎖」「3の鎖」を登れるかを試すために用意されている場所であり、言い換えればここで「こんなの無理!」って思うようならやめておきなさい…というわけです。

とりあえず「試しの鎖」には挑戦してみたのですが、はっきり言ってここだけで十分だと思いました。特別に難しい状況ではないのですが、素人がロッククライミングのマネごとをやるとタダじゃ済まないな…というのが夫婦揃っての感想だったのです。。

また、すべての鎖場には迂回路が用意されているので、無理に挑戦しなくても登山を楽しめるようになっているのもポイントです。


ちなみに「試しの鎖」を頂上まで登ると、紅葉がキレイに見えたのはラッキーでした。

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そして、しばらく歩いていくと「夜明け峠」と呼ばれるスポットを通過するのですが、そのあたりで目指す山頂が見えてきます。

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「え…、まだあんなに遠いの?」(ここでかるーくショックを受けます)

これまでかなりの距離を歩いてきたように感じるのですが、実はまだ半分くらいしか歩いていないっぽい。最初はウキウキしながら見ていた紅葉の風景も、この頃には大きく立ち塞がるただのカベにしか見えません。。


そして、「1の鎖」を通過して20分くらい歩いたところで見えてくるのが、最近改装されたトイレスポットです。

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休憩スポットも兼ねているようですが、ベンチは1つしかないのでほとんどの人は階段か地面に座って休憩することになります。

ただ、ここからの景色はなかなか良くて、大自然と紅葉を満喫しながらゆっくりと体を休めることができます。

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ちなみにここのすぐ下には、テントが張れそうな小さな区画があったのでテント泊もできそうです。(※2〜3人で区画は埋まりそうですが…)


そして、このトイレスポットのすぐ上には「2の鎖」と迂回路が繋がっています。私たちは迷うことなく迂回路を進みながら、ひたすら歩き続きます。

途中で雲海も見えてキレイです。

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ここからだいたい30分くらい歩いたら、ようやく山頂という感じです。

途中に最後の鎖場である「3の鎖」があるのですが、ちょっとだけどんな感じなのか見に行ったら、ものすごく高い断崖絶壁の垂直なカベをロッククライマーのようによじ登る登山者の姿が見えました。

この人たちは、正気なのか。。。?

と、本気で想いながら嫁さんと迂回路を進んでいきます。


山頂に到着!

そして、ついに石鎚山の山頂に着きました。

時刻は12時25分。

ロープウェイの成就駅を出て登山を開始したのが9:20頃なので、だいたい3時間くらいのタイムでしょうか。

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山頂に来るまでは数人とすれ違う程度だったのですが、予想以上に人が多くて驚きます。(※土小屋ルートの人が多いのかな…)

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話し声をよーく聞いてみると、ほとんどが韓国人と中国人っぽい感じでした。


山頂には山小屋があるのですが、ほとんどの人が利用していない感じ?だったのが気になります。

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誰も使ってないようなので、一応スタッフの人に聞いてみると…

私「テーブル席を使ってもいいですか?

スタッフ「どうぞー。ゆっくりしてくださいね

ということなので、私たちは山小屋の中にあるテーブル席でゆっくり休憩をさせてもらいました。


山小屋の中にはカップラーメンなども販売しており、ジュース各種(500円)と水(100円)も購入できるようになっています。もちろんトイレもあります。
(※水は自分で容器を持っていく必要あり)


恐怖の天狗岳に挑戦!

嫁さんがソワソワしながら、

あそこも行ってみようよ

というので、何かと思ったら山頂から歩いて20分くらいのところにある「天狗岳(てんぐだけ)」と呼ばれるスポット。

実はこの天狗岳こそが最高到達点となる標高1982mの場所なのです。


ただし、そこへ行くまでの道のりが超ヤバい

左右が断崖絶壁のうえ、歩く道が細い山の尾根を歩いていかなければいけない。下の画像のちょうど中央に見える尾根がそれ。

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安全策は何もありません。自然の状態そのまま。。

本来なら通行禁止になっていてもおかしくないような場所です。マジでちょっと引くくらいヤバいです。


さらに、それだけならまだ良くて、途中には絶壁にある大岩をよじ登りながら行かなくてはいけない。

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岩の下方は断崖絶壁です。。鎖も手すりもありません。


本気で、死にそう…


天狗岳を目指しながら「なぜこんな道が開放されているんだ?」と疑問に思いながら、気がつけば大岩にしがみつきながら完全にロッククライミング状態です。

「3の鎖」で絶壁をよじ登る登山者を見ながら「この人たちは正気なのか?」と感じた自分が、まさかそれ以上の状態になっているとは夢にも思いませんでした。

おそらく人生でベスト3に入るくらいの恐怖を感じました。。


最後の一番高い場所で記念撮影するスポットも、こんな感じの大岩によじ登る必要があります。

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ここからの記念写真はブログなどでもよく見かけるわけですが、まさかここに来るまでの道のりがあんなに危険で険しいとは知りませんでした。あまり語られていないような気がするので、これから挑戦する人は無理をしない方がいいと思います。

個人的には「遠くから天狗岳を見るだけでもいいんじゃないか?」と思ってしまいました。


そして、なんだかんだで石鎚山を満喫したあとに、ふと時計を見ると14時を過ぎています。そういえばロープウェイ前から出発するバスの最終便が17:23なのを思い出し、急いで帰る準備をして下山を開始。

途中から霧がすごくなり、なんだか幻想的な山道になってました。

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まとめ

最後に、今回の登山におけるタイムスタンプを掲載しておきます。

07:47 JR伊予西条駅からバスに乗車
08:41 ロープウェイ前に到着
09:00 ロープウェイに乗車
09:05 成就駅
09:20 登山開始
09:40 石鎚神社中宮成就社に到着
09:47 登山再開
10:40 試しの鎖
11:20 夜明け峠
11:36 1の鎖
11:52 2の鎖・休憩所
12:05 3の鎖
12:25 山頂に到着
12:30 山小屋で休憩
13:15 天狗岳に出発
13:35 天狗岳に到着
14:10 下山開始
16:15 成就駅に到着
16:20 ロープウェイに乗車
17:23 バスに乗車
18:15 JR伊予西条駅に到着

今思えば、朝一番のバスに乗ってなかったら最終便には絶対間に合わないなというのが分かります。

石鎚山は、「鎖場」や「天狗岳」など危険なスポットもありますが、なによりもアップダウンの激しい山だなぁという感じもしました。夜明け峠を過ぎたあたりからずっと急な階段を登り続けるのですが、帰りは急な階段を降り続けることになるので「ひざ」へのダメージが半端ない。

私も「ひざ」を痛めてしまい、筋肉痛も重なってしばらく歩けなくなってしまいましたので、何らかの対策は必要だと感じました。

今回は内容の濃い登山だったので、いろんな意味で達成感はものすごくあります。人生で1回は経験しておきたい山ですが、2度目はちょっと。。


最後まで読んで頂きありがとうございました! もし記事を読んで楽しかったよーと思われたら、サポート支援をよろしくお願いします! 今後も積極的な情報発信を続けていきます!