ただの電車なのに
今日、仕事で静岡方面に行った。
静岡方面というか、静岡。富士市。
朝は雨が降っていたようだが、日中は晴天。気温も高く、まるで春が来たような暖かさ。
空の青が濃くて、まるで宇宙が地球に近づいたような、そんな感覚。
静岡に来ることって仕事で年に数回レベルだけど、恥ずかしい経験を2度しした。2度とも内容は同じ。
ここに書くことによって自分の心を楽にさせようという魂胆。
だって、周りに帰宅途中の高校生がたくさんおって、「あ、こいつ知らんねんや」っていう冷たい視線が後ろからづきづきと刺さるように感じたから。
なにがあったかというと、
僕は電車に乗ろうとホームにいた。富士根駅というところ。
電車が来た。僕も駅についたばかりだったので、「お、タイミングよし、ラッキーや」と心の中で思っていた。
さて、乗ろうとしたそのとき・・・
ん・・・?
扉が開かない。
まさか・・!と思ったときにはときすでに遅し。
後ろの男性がボタンを押しに来て「プシューーガタン」
開いた扉の中にいたのは3人組の若者。大学生くらいかな。
僕は心の中で2つの言い訳し、すんとした表情をした。
「いや、そもそも普段、ボタン押して扉が開く電車に乗らへんし」
「電車が完全に止まって、ボタンを押して開くようになるタイミングでボタンの上の『ドア』という文字が光るんやろうけど、晴天で明るすぎたせいで見えへんかったから。」
よし、何を言われてもこの言い訳で乗り切れる。そして、余裕の表情を必死に作成。
にしても、その電車に乗る人が他にいなかったら、目の前の乗るべき電車をただ迎えて、ただ見送るだけになっていた。恐ろしい。
そして、落ち着かない心のまま、ドアの前に立つ形で乗っていた。気づいたらスマホの画面は同じページを行ったり来たり。めっちゃ同様してるんやんおれ!落ち着け!って言い聞かせたことは誰にも言えない。
そして、その心が動揺で暴れ出す瞬間がまた来た。
次に止まる駅は、自分が立っている側(上り方面の左側)のドアが乗降になる駅。
僕は何も気にせずスマホをいじっていた。もうその頃にはまともに操作できていた。
そこへ、降りようとする人がその駅に着く直前にぞろぞろとドアの前にやってきた。
そして駅に着く。
・・・ん?
数秒立っても降りないじゃないか。
いや違う、そもそもドアが開かないじゃないか。
まさか!!と思った瞬間、降りようとしていた女子学生の子が僕の肩でほぼ隠れているボタンを押しに来た。
これはまずい、僕の肩から約数センチのところにあるボタンをわざわざ押させるわけにはいかん。
と、すぐさま振り返ってボタンを押そうとした。
しかし押せない!なんだこれは!ボタン硬すぎ!!
いや、ちがう、これはボタンじゃないのか!光っているからボタンかと思ったら、本当のボタンはその光っているランプの下にあるではないか。
焦りの中であちこちに動き出す指に必死に力を入れて開くボタンを押した。
目の前の地元民であろう人たちは無事に電車を降りて行った。
さすがに、すんとはできなかった。
僕の目の前は優先席側だったのでほぼ人は乗っていなかったが、後ろにはまだ乗客が何人かいた。
あ、この人この辺の人じゃないんだ、知らないんだ、というまるで何も知らない転校生を見るような視線を背中で感じた。(その視線が良いのか悪いのかようわからんけど)
降りる時にはもう慣れたもん。
2回も失敗してるんだから。スマートにボタンを押し、スマートに降車した。
終わりよければすべてよし。
ただ、内心そこまで落ち着いていなかった。
なぜなら、降りたのはその電車の終点。さすがに終点は勝手にドアが開くだろうと思っていたのに、まさかのボタン押さないと開かない式だった。
え・・!と思いながらもスマートに対応した自分を最後に褒めた。
「よくやった。これも経験」
だが、それにしても
慣れない、こわい。
ボタン式電車。
東京にもあるけれども、ほとんど乗らないし。それに、もう少しわかりやすい。
まあでも、地方の電車は押しボタン式も多いため、電車で遠出したときには気をつけようと思う。というか、大人しく座っとこう。
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